ドイツゲーム賞2021に『アルナックの失われし遺跡』
ドイツゲーム賞は、前年の秋から当年の春までに発売された新作を対象として、はがき、インターネット、用紙による一般投票で選ばれている。5タイトルまで記入する方式で、毎年フリーク向けの作品が選ばれる傾向にある。昨年は『ザ・クルー』、一昨年は『ウイングスパン』が受賞した。
今年1位となった『アルナックの失われし遺跡』は、遺跡を発掘してお金やアイテムを集め、研究を進めるリソースマネージメントゲーム。チェコゲーム出版から昨秋発売され、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。ゲーマーズゲームを数多く出版してきたチェコゲームズ出版の作品が同賞で1位になるのは初。日本語版はホビージャパンから発売済。
2位にはドイツ年間ゲーム賞の『ミクロマクロ:クライムシティ』、3位には同ノミネート作品の『ロビンフッドの冒険』が入った。10位以内のうち日本語版が発売(予定も含む)されているのは、昨年から1タイトル増えて9タイトル。
同じく投票で選ばれるドイツキッズゲーム賞には『ドードー』が選ばれた。授賞式は、エッセン・シュピール会期中に行われる見込み。
【ドイツゲーム賞2021】
1位:アルナックの失われし遺跡
(Die Verlorenen Ruinen von Arnak / ミン&エルウェン / チェコゲームズ出版)
2位:ミクロマクロ:クライムシティ
(MicroMacro: Crime City / J.ジッヒ / シュピールヴィーゼ出版&ペガサスシュピーレ)
3位:ロビンフッドの冒険
(Die Abenteuer des Robin Hood / M.メンツェル / コスモス)
4位:パレオ
(Paleo / P.ルステマイヤー / ハンス・イム・グリュック出版)
5位:イーオンズエンド
(Aeon’s End / K.リレイ / フロステッドゲームズ&ペガサスシュピーレ&インディボード&カード)
6位:エバーデール
(Everdell / J.A.ウィルソン / ペガサスシュピーレ&スターリングゲームズ)
7位:ファンタジー・レルムズ
(Fantastische Reiche / B.グラスコ / ストローマンゲームズ)
8位:紀元1800
(Anno 1800 / M.ウォレス / コスモス)
9位:プラハ 王国の首都
(Praga Caput Regni / V.スヒー / デリシャスゲームズ)
10位:グルームヘイブン:獅子のあぎと
(Gloomhaven – Die Pranken des Lowen / I.チルドレス / フォイヤーラント)
【ドイツキッズゲーム賞2020】
ドードー
(Dodo / M.トイブナー&F.ベーベンロート / コスモス出版)
一か八かのダック宣言?『ダック』日本語版、10月8日発売
『フンタ:カードゲーム』『京都議定書』の作者がデザインし、フッフ社(ドイツ)から昨年発売された作品。手札をできるだけ早くなくして、ビーチで最もクールなアヒルになることを目指すゴーアウト系カードゲームだ。
3色で0~8のアヒルカードから、7枚の手札でスタート。手番にはカードをプレイ&ドローするか、「ダック宣言」ができる。カードを出すときは同じ数字か同じ色の連番ならば何枚でも出して、山札か、両隣のプレイヤーの捨て札から1枚引く。ただしプレイして手札が0枚になったら引くことはなく、ラウンド勝者となる。
「ダック宣言」をしたら、全員が手札を公開して合計値を比べ、自分が単独で一番少なければラウンド勝者になれる。そうでなければ赤の浮き輪カードを取って失点になってしまう。
いずれの場合でもラウンド勝者は緑の浮き輪カードを取って得点(6~10点)し、他のプレイヤーは残り手札の合計値を比べて、最も多い人は0点、それ以外は手札の中の一番数字が大きいカードが得点となる。5ラウンドの合計が最も多いプレイヤーがゲーム勝者となる。
カードが揃わず、思うように捨てられないときは賭けに出よう。手札を出し切って勝利をつかむか、賭けに出て勝利を奪い取るかで、駆け引きが生まれる。手軽に延々と遊び続けられる作品だ。