飛行船で砂漠を探索『クラウドエイジ』日本語版、12月17日発売
オリジナルはナノクスゲームズ(オーストリア)が制作し、2020年秋に発売された作品。デザイナーは『マラカイボ』のプフィスターと、『スターリンク』のシュタインヴェンダー。国際ゲーマーズ賞でノミネートされている。
無法集団「クラウド」は、世界的に連携した攻撃で数々の石油プラントを破壊してきた。その結果、環境の大破壊が起こり、地球全体に壊滅的な影響を及ぼした。この事件から15年後、プレイヤーは飛行船で乾燥した土地を飛び、より良い生活を求めて、都市を旅したり、ドローンを飛ばして資源を集めたり、クラウドの民兵と戦ったりする。
革新的なスリーブメカニクス(スリーブについたイラストでカードの一部が隠れる仕組み)により、リソース集めが新しく、没入できるかたちになった。雲で覆われたどのエリアにほしい量のリソースがあるのか、どこで追加アクションできるのかを予測する。リソースを使って飛行船をアップグレードしたり、新しい乗組員を雇ったりできる。
エンジンビルド、デッキビルド、リソースマネージメントの混合で、最初は簡単で、章が進むにつれてゲーム要素が追加されていくキャンペーンシステムとなっている。またシナリオが入っており、独立したストーリーも楽しめる。
イタリアの塔建築競争『パトリツィア』日本語版、12月8日発売
オリジナルはアミーゴ社(ドイツ)から2007年に発売された作品。ドイツ語版以外ではメイフェアゲームズの英語版以来となる。中世イタリアを舞台に、壮麗で高い塔を作って名誉を競うエリアマジョリティゲーム。『王と枢機卿』『ハンザ』のシャハトがデザインした。日本ボードゲーム大賞2008の投票部門で10位だったが、絶版になってからも一部の日本人ゲーマーに根強い人気がある。
手番には3枚の手札から1枚をプレイし、その色の都市に自分の色のコマを乗せて塔を作る。各都市では2ヶ所に建設でき、合計が規定数になったら、塔ごとにコマの一番多いプレイヤー(同数の場合はより上に置いたプレイヤー)が得点する。塔が高いほうが得点も高いが、マジョリティ争いも熾烈になる。
カードの補充は自分がコマを置いた都市から行い、オープンになっているため、次はどの都市に置くか計画性が求められるだけでなく、他のプレイヤーがどのカードを取るかで駆け引きもある。カードは全て使うため、終盤にどこで得点できるか、読み合いも熱い。
塔のパーツを移動できる特殊アクションや、プレイしたカードで貴族の顔を3つ集めるともらえるボーナスで逆転のドラマも仕掛けられる。最初から最後までしびれるザ・ユーロゲームだ。
日本語版にあたってはミニ拡張『代議員(Die Abgeordneten, 2008)』『使者(Die Boten, 2008)』を収録し、これに合わせてゲームボードのデザインも一部変更されている。
パトリツィア(Patrizier / Schacht / Amigo + Korokoro-dou, 2007-21)
カードプレイで塔を積んでマジョリティ争い。各都市に塔が2つずつでき、高いほうが高得点、低いほうが低得点のチップをもらう。塔を置いた都市から補充できるのと、結局全部出し切られるので、ちょっと先読みできる pic.twitter.com/nRGGbkuJL5— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) February 5, 2024