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ニュルンベルク’22:ペガズスシュピーレ

ファーストラット(First Rat)
ゲームデザイン:G.アウシエロ&V.ジッリ、イラスト:D.ローハウゼン、1~5人用、10歳以上、30~75分。
ネズミたちが月のチーズを目指して材料を集めロケットを建造するセットコレクションゲーム。手番には自分のネズミ1匹を5マスまでか、複数のネズミを3マスまで進めて、止まったマスによってチーズやガラクタを獲得・購入し、その組み合わせでロケットの建造やパイロットの育成をしていく。誰かのネズミが全てゴールに入るか、8種類のロケット建造を行ったらゲーム終了で、それぞれの建造の進度による勝利点で勝敗を決める。
上級ルールではコースのマスを自由に変えてプレイできるほか、1人用ルールも入っている。

アライグマ強盗団(Raccoon Robbers)
ゲームデザイン:K.J.ヴレーデ、イラスト:D.ローハウゼン、2~4人用、8歳以上、20~30分。
アライグマたちが3つの家に忍び込んで「黄金のゴミ箱」を目指す。手番には4枚の手札をプレイして、家を登ったり、他のアライグマを落としたり、家から飛び降りてその分だけボスを進めたりする。できるだけ高いところまで登ってから降りたほうがボスはたくさん進めるが、その前に他のアライグマに蹴落とされてしまうかもしれない。ボスを早く進めてゴールにある黄金のゴミ箱に入れたプレイヤーが勝者となる。

ポートロイヤル・ビッグボックス(Port Royal Big Box)
ゲームデザイン:A.プフィシュター、イラスト:ファンタスマゴリア・クリエイティブ、1~5人用、8歳以上、20~40分。
船を使って稼いだ資金で商人や船員などを雇い、王の探検命令を達成してポイントを獲得することを目指すバーストゲーム。アートワークを一新し、基本セット、拡張セット「契約をもう一つ…」、拡張セット「冒険が始まる…」、基本セット「ポートロイヤル:道半ば」、プロモカード「プレイヤー」を全て同梱した。ソロモードやキャンペーンモードでもプレイできる。

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アズール:王妃の庭園(Azul: Queen’s Garden)

パズル要素の高い第4弾

ドイツ年間ゲーム大賞受賞作『アズール』のシリーズ第4弾。ポルトガル王マヌエルI世の妻、アラゴン家のマリア王妃のために庭園を作るというテーマで、四角形・ひし形だったタイルが今回ついに六角形になった。しかも今までは「すべて同じタイルを揃える」だったところを、「すべて別々のタイルを揃える」になり、考えることが飛躍的に増え、よりパズルチックなゲームになっている。その特異性のためか、シュピールのスカウトアクションではシリーズ史上初めてランクインを逃した。

タイルの取り方は『アズール』シリーズに準ずるが、タイルには色と模様があり、同色で全部違う模様か、同じ模様で全部違う色を取らなければならない。しかもタイルの他に追加ボードも加わり、選択肢は増えた。

獲得したタイルを庭園に置くときも、同色で全部違う模様か、同じ模様で全部違う色で、模様によって1~6枚を支払う。そしてさらに配置するときは隣接するタイルに色か模様を合わせなければならず、しかも同色か同じ模様のグループに色も模様も同じタイルがあってはならない。

獲得したタイルを置くストックには上限があり、この縛りもあるため、取るときから何をどこに置くか考えておかないと、あっという間に行き詰まる。さらにゲーム終了時には、使いきれなかったタイルがマイナス点になるため、終盤の詰めには高い計画性が求められる。「このタイルを支払って、ここに置いて、残ったタイルはこれだから、あのタイルを取れば使い切れるな……」などと思ってたら上家にあっさり持っていかれて悲鳴を上げたり。

配置コストが一番安い木をどんどん置いて噴水を囲み、得点とジョーカータイルを増やす作戦だったが、木が多いと大した得点にならない。そして囲むことを優先していきあたりばったりになり、最後の得点計算で重要な「同じ色、または同じ模様のタイル連続」がほとんどできず。

頭から煙が出るようなプレイ感でダウンタイムも長くなり、4人で90分くらい。これはもはや『アズール』シリーズとは別作品と考えるべきであろう。シリーズ作品では物足りない方が、2人でじっくり遊ぶのがよいかもしれない。

Azul: Queen’s Garden
ゲームデザイン:M.キースリング/アートワーク:C.クイリアムス
ネクストムーヴゲームズ(2021年)
2~4人用/10歳以上/45~60分