Posted in さ行

シルクロード(Seidenstraße)

キャラバン内の戦い

全員共通のキャラバンを進めながら、他の人より多くの交易品を運ぶドイツのボードゲーム。『ウルク』などでいぶし銀の作り込みが評価されたDDD出版の作品。同じタイトルのゲームはシュミット社(1998年)とズィーマン社(2006年)があるが、全て別ゲームである。
手番には、交易品カードを出して(自分の前に並べる)、ボード上にある3つのキャラバンのいずれかを進め、止まった先のイベントを行う。キャラバンにはそれぞれ運んでいる荷物があり、目的地に到着した時点で、その荷物を一番多く出している人が宝石を手に入れる。最後は宝石の種類と数で勝敗を競う。
宝石を手に入れた人は、その荷物のカードを半減し、キャラバンは荷物を全部交換して次の目的地を目指す。半減というところがミソで、カードを出しすぎると捨て札も増えるから、ほかの人より1枚多いくらいを狙う。しかしそれは逆転されやすいということでもあり、到着まで安心できない。
自分が宝石を取れるタイミングでキャラバンを目的地に到着させるべく、ほかの人が荷物をたくさん出しているキャラバンを進めなかったり、たくさん出して一気に進めたりといった駆け引きがある。また、道中の交易で荷物の種類が変わったり、出しているカードを奪われたりすることもあって益々油断できない。
次はどの荷物が運ばれるか、ボード上のコマで分かるようになっている。一歩先の荷物を出せるよう、トレンドを見極めたい。
道中の交易で得られるダイヤモンドを稼いだぽちょむきんすたーさんが1位。目的地で得られる色のついた宝石は、種類を集めれば高得点になるが、色がかぶるとダイヤモンドのほうが得点が高い。私は色つきを中心に集めたが及ばなかった。
先手を打ってどんどんキャラバンを突っ込んでくる人と、品物を揃えてチャンスを待つ人の、どちらにも勝ち目があるように思う。幅広い戦略が取れるゲームである。
Seidenstraße
H.クーン、W.クーン/DDD出版(2009年)
2〜5人用/12歳以上/60分
BoardGameGeek:Japanese Rulebook

Posted in 海外ニュース

『世界の七不思議』より評価の高かったゲーム

先月のエッセン国際ゲーム祭で、フェアプレイ誌が行った人気投票「スカウトアクション」の結果は、得票数30票以上に限定されていた。ボードゲームニュースには、30票を下回るゲームの評価が写真で掲載されている。
これによると、ツリーフロッグの『ロンドン(London)』が1.61、ホワイトゴブリンゲームズの『ニュルンベルク:ギルドの街(Nürnberg – Die Stadt der Zünfte)』が1.71、R&Dゲームズの『キーマーケット(Key Market)』が1.77、シュピールワークスの『ワシントン戦争(Washington’s War)』が1.83と、『世界の七不思議』(1.87)を上回っている。
また、10位圏内としては、アレアの『ブルゴーニュ(Die Burgen von Burgund)』が1.93、ハリケーンの『Mr.ジャック・ポケット(Mr. Jack Pocket)』が2.00、ホワイトゴブリンゲームズの『インカ帝国(Inca Empire)』が2.12、ルックアウトゲームズの『ポセイドン(Poseidon)』が2.17などで人気を集めた。また、田邉顕一氏(高天原)の『伊能大図』をアメリカのメーカーがリメイクした『海岸(Kaigan)』も2.00と評価が高い。
全リストはネットでは公開されず、フェアプレイ誌の次号に掲載される。
Boardgame News:Convention report : The Aftermath of Spiel 2010