ボードゲームで子育て雑誌『ボ育て Vol.1』
内容は、クロスレビュー方式・年齢別で15本の子育て向きゲーム紹介、ショップ紹介、児童インタビュー(口を揃えてお父さんがゲームを買いすぎだと答えているのが笑う)、コラムなど。7人のお父さんたちが筆を振るっており、非常に実践的な内容となっている。
3人が10点満点で評価するクロスレビューで最高点をつけたのは『魔法のラビリンス』(6歳から)で、次に『かたろーぐ』(5歳から)、『ディクシット』(8歳から)と続く。輸入・国産、キッズ・ファミリーと異なるジャンルから子どもに受けるゲームを縦横無尽にピックアップしているのがたいへん参考になる。『パッチワーク』や『カルカソンヌ』など本格的な作品まである。
小さいお子さんと遊ぶときのルールを簡略化する(場合によっては絵合わせやおままごとにする)アドバイスや、飽きっぽい子どもや負けず嫌いの子どもへの対処法、さらにはゲーマーズゲームを遊べるまで育て上げる方法(笑)まで、実体験を元にきめ細やかに紹介されており、お役立ち情報満載。お子さんへの愛情がにじみ出ている。
親は遅くまで働き、子どもたちも塾、習い事、デジタルメディアにかかりきりで、親子でなかなか一緒に過ごす時間がもてないという悩みは多いと思う(我が家も例外ではない)。この本を読んでいると、子どもと遊びたくなってくるから不思議だ。ぜひ今後とも定期的に発刊して、ボ育ての実践を発信していってほしい。
・ボ育て
2人用鉄道ゲーム『路面電車』日本語版、8月上旬発売
オリジナルは2015年秋にルックアウトシュピーレ(ドイツ)から発売された作品。『パッチワーク』に続く2人用ゲームシリーズで、国内では『トラムバーン』という邦題で英語版をジーピーが取り扱っている。作者は『18XX』シリーズや『ロシアンレールロード』のオーライ。鉄道ゲームの第一人者だ。
プレイヤーは19世紀末のミュンヘン市内で鉄道会社を経営し、路線を増やし、停留所を作り、乗客を増やしていく。1枚のカードがお金、乗客、停車場の3つ機能をもつ。停留所はカードの数字を昇順に出さなければならず、しかし数字が大きいものでないと儲けが少ないというジレンマが待っている。さらに鉄道を「馬車鉄道」、「蒸気機関車」、「電車」とグレードアップすることで収益が上がるが、そのための設備投資を回収できるかどうかも悩ましい。相手より長い路線を敷き、ライバルを退けることはできるだろうか?
簡単なルールで、時間も短めながらも悩みどころの多い鉄道カードゲーム。今回の日本語版では、イラストレーターのK.フランツ氏がボックスアートを特別に描き下ろし、昭和初期の日本をイメージしたイラストとなっているところも見どころだ。。
内容物:カード142枚、得点記録用紙1冊、ルールシート1部
(写真は英語版)
路面電車(ルックアウト+ホビージャパン, 2015) pic.twitter.com/ivTR0q0qQC
— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) August 22, 2021