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汎用うんこカード(Shit Cards for 5 Games)

だんだんウンコに見えなくなってくる
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縦横にうんこマークが記されたカードセット。北条投了先生の作品で、ゲームマーケット2019秋に発表された。さり気なく時事ネタを取り入れた5つのルールが収録されている。
お台場SWIMMING
トライアスロンの選手となって大腸菌を避けながら東京湾をより遠くまで泳ぐ。カードを縦か横にめくって自分の列に付け、うんこの数が累積10以上になったらお腹を壊して強制リタイヤとなり、並んだカードは全て捨て札になってしまう。バーストゲームだが、ほかのプレイヤーのカードを奪えるルールでちょっとした駆け引きがある。
大便我慢タワマン
下水が詰まったタワマンの住人となり、共用の仮設トイレが溢れないようにできるだけたくさん大便することを目指す。各ラウンド変わるトイレの容量を見て、一斉にカードを出し、合計が容量以下ならば排泄成功で得点。容量を超えた場合、もっとも大きいカードを出していた人が失点となる。最終的な容量は全員がカードを出した後に決まるので、一か八かでいくかの賭けがある。
うん国会
糞多(フンタ)共和国の国会議員となって、支持者にできるだけうんこを投げつけられないようにする投票ゲーム。総理役のプレイヤーが法案を出し、全員がコメントした後で、一斉に親指を上か下に向けて採決を行う。可決ならば賛成した人は縦向きのうんこ数、反対した人は横向きのうんこ数だけ投げつけられる(否決ならその反対)。配られたカードと、ほかのプレイヤーのコメントによって賛否が変わるのが悩ましい。
芳しき都市計画
うんこ数が合うようにカードを並べる配置ゲーム。数が合っていれば得点、合っていないと差分だけ失点となる。カードの補充は何辺に接したかで変わるため、一辺だけでは次手番が苦しい。あえて失点しても、補充枚数を増やすという選択もある。先の先まで考えて置こうとすると考えどころのあるゲームになる。
クロスババ抜き
うんこ数が対応するカードをペアとして、1枚だけあるババカードを最後にもっていた人が負けというババ抜きだが、手番プレイヤーが欲しいカードを言って、ほかのプレイヤーが応じるところがポイント。欲しいカードを出さなくてもよいため、ブラフがかけられる。終盤、手札が1~2枚になると通常のババ抜きになる。
汎用うんこカード
ゲームデザイン・北条投了/芸無工房(2019年)
1~7人用/8歳以上/5~30分

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ノヴァルナ(Nova Luna)

ここに赤が来てほしい!

指定された色が揃うようにタイルを並べるアブストラクトゲーム。モーセルがクワリ社から発表した『ハビタッツ』に基づいて、ローゼンベルクがデザインした。
環状に中央の場からタイルを1枚取って自分の前に置く。タイルには周囲に置くべきタイルの色が指定されており、それを達成したら自分のコマを置く。自分のコマを先に使い切ったら勝ちとなる。
手番順は『パッチワーク』式。タイルには時間コストが書いてあって、取ったら自分のコマが進む。コマが一番進んでいない人が手番を行う。時間コストの少ないタイルを取れば連続手番も可能だが、そういうタイルは達成ポイントがないか、あっても達成しにくい。
3人プレイで30分ほど。ほかのプレイヤーが欲しがっているタイルはお互い分かるので、そのタイルを取らせることになっても自分がほしいタイルを選ぶか、自分にとってはあまり得にならなくても相手に取らせないことを優先するか悩ましい。ほしいタイルがかぶっていることもある。「うわ、狙ってたの取られた~!」
黄色が必要な赤タイルの隣に、赤が必要な黄色タイルを置けば、相互参照で一度に両方達成できる。また連続する同じ色は隣接していなくてもいいので、一色をまとめておけば、その色の達成が何度もできる。達成しているかどうかのチェックがやや分かりにくいが、慣れてくると、どのタイルを取るべきか、道筋が見えてくるだろう。そのタイルが場にあるとは限らないけれども。
タイルを共通の場から取るという仕組みでパズルにインタラクションをもたせるローゼンベルクの手法は、『パッチワーク』『コテージガーデン』『インディアンサマー』『スプリングメドウ』で見られる。これらの作品は全てテトリスタイルを用いるのに対して、『ノヴァルナ』は色を参照するというモーセルのアイデアを取り入れたことで、パターンの自由度が高く、それゆえ創造力が試されるものとなっている。
Nova Luna
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク&C.ファン・モーセル
イラスト・L.ジーグモン
シュピールヴィーゼ出版+ホビージャパン(2019年)
1~4人用/8歳以上/30分