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万博に注目の発明を出品『クリスタルパレス』日本語版、2月14日発売

テンデイズゲームズは2月14日、『クリスタルパレス(Crystal Palace)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・C.ラウバー、イラスト・A.アレマーノ、2~5人用、14歳以上、90~150分、7000円(税別)。

フォイヤーラントシュピーレ(ドイツ)から昨秋発売された作品。1851年にロンドンで開催された第1回万国博覧会を舞台に、各国が名声を競うダイスワーカープレイスメントゲーム。スカウトアクションで『ザ・クルー』に次いで2位につけた。

ダイスは振るのではなく、各ラウンドのはじめに秘密裏に目を決める。ダイス目が大きいほど優位だが、目の合計数がコストになるため、バランスの取れた選択を迫られる。ここぞというときには借金もできる。

こうして目を決めたダイスを8箇所のアクションスペース(特許事務所、リフォームクラブ、ロンドン・タイムズ、ポートオブロンドン、ワーテルロー駅、大英博物館、英国銀行、ウェストミンスター)に置き、材料・特許・頭脳を集めて試作品を製作する。

試作品は得点やさまざまな効果をもたらし、関連する人物がいることで強化される。どんな試作品を作るかもその後の方向性を定めるだろう。
フィリアス・フォッグ、レヴィ・ストロース、アメーリア・エドワーズなどの人物が登場し、考える機械、ビールグラスカウンター、気候変換器など一風変わった発明品を作る。多くの選択を積み重ね、万博で栄光を勝ち得る国はどこだろうか。
テンデイズゲームズ:クリスタルパレス

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ノーリターン(No Return)

引き返せない第2フェイズ
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手持ちの牌を降順に出して、出した牌を得点にするタイルゲーム。『ブラックストーリーズ』などで知られるモーゼス出版がエッセン・シュピール’19で発表した。引き返せない2つのフェイズの移りどころが悩ましい。
1~11の数字が6色で書かれたタイルが配られてスタート。手番には同色のタイルを何枚でも自分の前に出すか、要らないタイルを捨てる。出しても捨てても、同じ枚数を補充する。
そのうち「このへんでいいな」と思ったところで、今度は自分の前に出ているタイルを得点化するフェイズに移ることができる。同色のタイルを何枚でも支払い、その合計だけ場に出ているタイル1色を数字の小さいものから得点化する。あるいは要らないタイルを捨てて補充してもよい。
お釣りは出ないので、数字の大きいタイルを得点化するのは大変だ。ここがタイトルにもなっている「お釣りはないよ」である。補充するタイルは袋に入っており、袋が空になったらゲーム終了。このときにまだ得点化できていないタイルは失点になってしまう。
後半のフェイズに移ったら、もう前半に戻ることはできない。前半のフェイズで欲張ってタイルを並べすぎると、ろくに得点化しないうちにゲームが終わってしまうし、逆に安全にしすぎて早めに後半のフェイズに移ると、得点化できるタイルが少なくなってしまう。ほかのプレイヤーの動向を見ながら、どこで後半のフェイズに移るかで、チキンレースの様相を呈する。
1回目はたいてい失敗するが、15分くらいで終わるので、2回目、3回目と続けて遊べる。プレイヤーによって性格が変わり、展開も変わるので飽きない。手札運がやや強いが、何度も遊んで総合得点を競えばそのあたりも緩和されるだろう。
独特な形のコンパクトなタイルの手触りもよく、デザインもスッキリしていて広くオススメしたい作品だ。
No Return: Es gibt kein Zurück!
ゲームデザイン・M.トイブナー/アートワーク・フィオーレ
モーゼス出版(2019年)
2~4人用/8歳以上/30分