カテゴリー: エッセイ
ボードゲーム購入
国内のショップでボードゲームをあまり買わなくなった。「国内で買えるものは国内で」という指針はもっているが、エッセンで買ってきたのがまだ遊びきれてない上に、有償・無償の翻訳依頼で送られてきたものがずいぶんあるからである。 それでも昨年遊んだゲームを振り返っているうちに、これだけは所有しておきたいと思う…
されどドイツゲーム
『ボードゲーム・ジャンクション』で安田氏が2000年以降のボードゲームの展開として提示しているキーワードのひとつとして、アメリカのボードゲーム復活やイタリア・フランス・イギリス・チェコ・ポーランドなど周辺諸国への広がりがある。一方、ドイツゲームは”むずかしゲー”と”…
入手難ゲームの紹介
ボードゲームは絶版になるのが早い。また絶版でなくとも、未輸入だったり、輸入ゲームの場合どのショップも品切れで再入荷未定だったりすることも多い。年間500タイトルという新作が出るのだから仕方がないことだが、明らかに絶版で入手難のゲームを紹介するときは、少なくとも「オススメです」「遊んでほしい」というよ…
邦題は流通しているものに
先週発売されたばかりの『ボードゲーム・ジャンクション』を入手。安田氏による140タイトルというゲーム紹介が全体の3分の1、そして秋口氏によるネットではまず読めないリプレイが3分の1、江川氏と笠井氏によるレビュー、座談会が残り3分の1といった構成である。まだ読み始めたばかりだが、ここ10年のボードゲー…
マイナーメーカーの売り出し方
『アドアストラ』は、イタリアのネクサス出版が初めて取り組んだデザイナーゲームシリーズである。ルールブックには、作者であるB.フェデュッティとS.ラジェ(フランス)の紹介文を、デザイナー仲間のB.カタラが特別寄稿したり、代表作を並べたりしてデザイナーを前面に打ち出している。今後もシリーズが予定されてい…
ボードゲームと保守主義
ゲームリンクの原稿を書くためにネットで調べ物をしていて、ドイツでは保守主義という理由から、ボードゲームをプッシュする人がいるのではないかと感じた。 子供中心に面白いゲームを選ぶ賞「キッズゲームエキスパート(Kinderspielexperten)」を運営しているのは、カトリック青年同盟ダルムシュタッ…
既婚ボードゲーム愛好者
読売新聞のフォーラム「発言小町」に、奥さんからボードゲームという趣味を理解してもらえない男性の書き込みがあった。 私は月1ペースで友人と集まり、日中ボードゲームを遊んだ後で、それを肴に宴会をするのを楽しみにしているのですが、いまいち妻の受けがよくありません。妻いわく「麻雀ならともかく、大の大人が集ま…
ルールもレビューくらい一般的な言葉で
マックス・ウェーバーの『プロスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の新訳が出た。出版社である日経BP社の編集委員は「学者の翻訳は学問的な正確さを期すが、日本語としてはいかがか。今日の翻訳技術は格段に進歩しています。」新訳には専門領域にも詳しく、複数言語に通じ、なによりも日本語として伝わる翻訳ができる…
『ドミニオン』より評価されたゲーム
2009年度の各国のゲーム賞状況をまとめたところ(ボードゲーム各賞受賞2009)、『ドミニオン』より評価されたゲームが予想より多かった。『ドミニオン』はドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞、アラカルトカードゲーム賞の3冠を達成しているが、不思議なことにドイツ以外のゲーム賞はノミネートや入賞止まり。大…
ゲームから人へ
たくさんのボードゲームを遊ぶのは、プラトンのイデアのように、面白いゲームを求め続けてのことであるが、逆説的に、遊べば遊ぶほど、面白いと思えるゲームの割合が減ってくるのではないかとこの頃思うことがある。 ボードゲームを本格的に遊び始めたのは大学4年の頃である。オーケストラの練習が終わってから、亀有のア…