チクタクオーダー(Tick-Tock Orders)
工程の順序もあるよ
タイルをめくって材料を集め、さまざまな製品を作って注文を達成するリアルタイム協力ゲーム。『ラッセーラゲーム(ねぶたビート)くじらだまがゲームマーケット2020春(中止)に発表した作品で、ボードゲームセレクション2021で大賞に選ばれた。製品が各1つしかないために、工程を工夫しなければならず、闇雲に並べればいいというわけでないところがニクい。
5分間の砂時計を返してスタート。依頼カードを選んでボードの中央に置き、そのカードの指示通りに製品を作って配置する。手番はなく、裏返しになったタイルをどんどんめくって必要な素材を探し出し、職人ボードに置いて製品を作る。
できあがった製品タイルは注文達成のためにボードに置き、使った素材は箱に入れる(足りなくなったら箱をひっくり返して場に戻す)。これを繰り返して注文通りの製品が揃ったら1枚クリア。5分以内に規定枚数の注文を達成できれば全員の勝利となる。
一筋縄では行かないのが、製品を作るために別の製品が必要なところ。例えばスープを作るには、水と牛乳と皿が必要で、皿を作るには火と宝石が必要となる。皿タイルは1枚しかないため、スープも皿も必要な注文が来ると厄介だ。まず皿を作り、スープを作って皿を戻し、それから改めて皿を作り直さなければならない。できあがった皿を慌てて納品してしまうと、スープが作れなくなってしまう。工程が多いものから順に作っていく冷静さが求められる。
さらにタイルの中にネズミが混じっており、これをめくってしまうとボードに置いて注文の達成を妨げてしまう。ネズミを退治するには、指定された素材を2人が1枚ずつもち、同時にネズミに当てるという作業が必要となる。これで時間が取られる上に、どの製品を作っていたか忘れてしまいがちだ。お互いに声を掛け合って分業したいところだ。
上級ルールから始めたらあっけなく失敗。2回目は達成の用意な注文を選んで成功したが、ランクを上げるために再挑戦したところまた失敗した。1ゲーム5分だから、成功しても失敗しても続けてプレイしたくなる。
チクタクオーダー
ゲームデザイン・渚くじら、アートワーク・よしはらヨシ
くじらだま(2020年)
2~4人用/6歳以上/15分
『ロレンツォ・イル・マニーフィコ+拡張セット』日本語版、5月28日発売
オリジナルは2016年、クラニオ・クリエーションズ(イタリア)から発売され、翌年に日本語版がテンデイズゲームズから発売されている。その後に発売された拡張セット『ルネッサンスの貴族(2017年)』、『パッツィ家の陰謀(2019年)』を加え、今年発売されたビッグボックスの日本語版となる。
タイトルはイタリア・ルネッサンス期に権力を集めたロレンツォ・デ・メディチ(1449-1492)の異名。プレイヤーは貴族一家の長となり、一族をさまざまな著名人のもとへ送り込んでイタリアの発展に貢献し、勝利点を得ることを目指す。ワーカー駒を用いて建物や領地を表すカードを獲得し、そのカードの効果でさらに力を伸ばしていく拡大再生産ゲームだ。
ワーカー駒の能力(数値)はサイコロの目によって決められており、ワーカー駒の能力によって獲得できるカードが制限されたり、カードを発動させた際に得られる効果が変わる。サイコロによって変わる能力に対し、的確で臨機応変なアクションの選択や戦略が求められる。
『ルネッサンスの貴族』で5人プレイ対応になり、自分の一族の力を利用できる「塔」が追加される。『パッツィ家の陰謀』では新たなカード24枚が入るほか、プロモカードの指導者が加わり、ゲーム展開がより幅広いものになる。
・テンデイズゲームズ:ロレンツォ・イル・マニーフィコ 拡張セット同梱版 日本語版