沈黙ノ艦長(Captain in Silence)
艦長!どうします!?
隊員たちが次々と寄せる情報を聞き分けて、宇宙戦艦を適切な方向に導く協力ゲーム。よぐゲームがゲームマーケット2023春に頒布した作品で、少部数制作だったにも関わらず大きく注目された。ほぼ同時に話しかけられるのを聞き分けるなんて聖徳太子みたいな真似ができるわけないと思いきや、意外とうまくいくところが面白い。
艦長役を決めて、それ以外のプレイヤーはセリフカードを配られ、自分の前に山にしておく。タイマーを1分にセットし、艦長役の「全艦、状況を報告せよ!」の合図でゲームスタート。各プレイヤーは自分のセリフカードを1枚ずつ引いて内容を読み上げる。
セリフは、戦艦の前後左右どちらの方向から攻撃または防御があったかを示すもので、艦長役は全員の報告を目を閉じて聴きながら、どの方向からの攻撃が一番多いか/少ないかを判断する。
セリフカードの枚数は難易度によって変わるが、順番に読んでいては間に合わない。だんだん焦ってきてかぶせるようになり、最後の方はみんなが同時にしゃべっている状況になる。
タイマーが切れたら、艦長の判断の時間だ。艦長はかっと目を開き、各自予め配られていた役割カードのセリフで艦長の指示を受ける。敵の最も多い方向に主砲を撃ち、少ない方向にワープするのだ。
さて、艦長の指示はあっていたのだろうか? 全員のカード(読めなかった分も含む)を公開して、主砲とワープの方向が合っていれば全員の勝利。1つでも外れていれば敗北となる。
ゲームが始まると途中で笑えてくるほど、読んでいる方も聴いている方もカオスになるのに、1分経つと指示をあおがれる艦長。全くわからないと思いつつ、勘で指示を出す。無意識下に情報が蓄積されているのだろうか、この勘が意外とあてになる。見事正解したときの嬉しさは、まるで映画のクライマックスのようなカタルシスがある。
沈黙ノ艦長
ゲームデザイン&イラスト:赤瀬よぐ/よぐゲーム(2023年)
3〜6人用/12歳以上/3~5分
宮殿の庭園タイル配置ゲーム『サンスーシ』日本語版、7月20日発売
『アズール』のキースリングがデザインし、2013年にラベンスバーガー(ドイツ)から発売された作品をリメイク。2種類の拡張ルールを加え、アートワークを一新して、フラクタル・フエゴス社(スペイン)から昨年発売されたものが日本語版になった。ラベンスバーガー版では2014年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされている。ドイツ・ポツダムのサンスーシ宮殿の庭園をデザインするタイル配置ゲーム。
プレイヤーは王から改修の命を受けた造園家となって、プレイヤーボードにバラ園、ブドウ園のテラス、迷路、噴水などを配置する。王様を満足させるだけでなく、庭園を歩く貴族たちも楽しめる庭を造らなければならない。
手番には2枚の手札から1枚をプレイし、その色やシンボルのタイルを場から取って自分のプレイヤーボードに並べる。庭ボードも色やシンボルで分けられており、合うように置かなければならない。その後貴族コマを移動して、移動先の左右にあるタイルで得点が入る。貴族はタイルの道がつながっているところしか通れず、遠くほど行くのが難しくなる。
ゲーム終了時に縦横にタイルが揃っている列が得点になり、最終得点を競う。「報酬サブボード」「イノシシトークン」で要素を加えてプレイすることもできる。
内容物:メインボード 1枚、庭園ボード(両面仕様)4枚、庭園タイル(裏面は庭師の絵)81枚、布袋 1個、報酬サブボード(両面仕様)4枚、目標カード 9枚、アクションカード 72枚、得点マーカー 4個、貴族コマ 36個、50/100点トークン 4個、イノシシトークン 4個、ルール説明書 1冊(カードサイズ:68mm×44mm)