シュピール’14新作情報:アミーゴ
ドイツゲーム界の最大のお祭りであるシュピール’14(エッセン国際ボードゲーム祭)が10月16日(木)から4日間にわたって行われます。
このページでは、新作情報を各メーカーのウェブサイト、ニュースサイトから翻訳し、どのような新作が出るかを見ていきたいと思います。日本に比較的入りやすく、よく知られているメーカーを中心に紹介しています。ゲーム名は直訳で、後に輸入販売されるときには別になるかもしれません。
例年1番最初に情報を出すアミーゴ社から。発売は9月なので、エッセン・シュピール前に国内発売される可能性もあります。
L.コロヴィーニ&D.トッフォリ作、2-5人用、7歳以上、15分。
3枚の手札から、場に3枚までカードを出します。カードには3~7の数字があり、場には数字別に分けて重ねておきます。3のカードが3枚、4のカードが4枚というように、数字と枚数が同じになったら袋がいっぱいになったことになり、その列を全てもらいます。こうしてできるだけたくさんカードを取ることを目指します。数字が小さいカードはすぐいっぱいになりますが得点は低く、多いカードは得点が多いですが、なかなか集まりません。
ゆかいなさかなとメビウスゲームズによる日本語版が発売予定です。
T.リーマン作、2-4人用、10歳以上、45分。
魔法使いが1年に1度の腕試しをサイコロで行います。チャレンジしたい課題にマーカーを置いて、サイコロを振ります。指定された目をすべて出す、合計がいくら以上、同じ目がいくつ以上・・・といった課題をクリアすると、得点になります。ダイスには、振り直しや好きな目に替えるといった目もあり、課題を達成しやすくなるでしょう。最初は白いダイスだけ振りますが、出目によってカラーダイスに強化することもできます。目標によってどのカラーダイスを使うかがポイントです。
F.ベラルディ作、3-5人用、8歳以上、20分。
円状に並んだ場札から補充して、同じ色・数字を揃えて自分の前に出し、それを裏返して得点にします。場札は取ったところから補充され、たくさん溜まっているところがあります。自分の前に出すときは、青の4が4枚というようにして出し、ほかの人が出しているものと同じものは出せません。裏返して得点にしたとき、手札の多い人から取ることができます。最後は得点にしたカードから手札のカードを差し引いて、得点の多い人が勝ちます。
C.シュテール&D.レヒナー作、2-4人用、8歳以上、25分。
サイコロを振ってネジカードとナットカードをセットで集めます。円状に並んだカードの並びで決められたサイコロの出目をできるだけ多く出して、コマを進めます。移動先でほかのプレイヤーとカードを交換することができ、またカードをもらえます。手に入れたカードにはネジかナットの絵が描いてあり、ネジとナットの組み合わせができると得点になるだけでなく、ほかの人から交換で奪われなくなります。
J.オクス&P.H.カウフマン作、3-8人用、10歳以上、30分。
親が役割カードを引き、「ゾンビ」「ヒッチハイカー」などになります。ほかのプレイヤーはその役割になった親に対し、2枚のカードを組み合わせて新商品を提案します。「かたつむり」「花」「オイル」「バナナ」「ハンマー」など、組み合わせによって面白おかしな商品ができあがります。親に選んでもらった人が得点です。オリジナルはアメリカで、2010年に発売されました。
K.フィッシャー&J.アンドリューズ作、3-5人用、10歳以上、45分。
『ハートスイッチ(HeartSwitch)』というタイトルで2013年にアメリカで発売された作品のドイツ語版。さまざまな特殊効果の入ったカードで戦うトリックテイキングゲームです。火のスートのカードが失点になるので、それをできるだけ取らないようにします。失点を増やしたり減らしたりする魔女カードや、数字が0なのでトリックを取らなくてすむ魔法使いカードを使うタイミングが勝敗をわけます。
★セット3(Set ³)
M.J.ファルコ作、2-4人用、8歳以上、35分。
パターンが全て違う3つのセットを作るゲームが、ダイスゲームになりました。クロスワードの要領でセットになったダイスを並べ、得点を競います。
★スピードカップス2(Speed Cups²)
H.シャフィール作、2人用、6歳以上、15分。
イラストに合わせてカラーカップを並べたり重ねたりするゲーム。イラストはカップではないので、読み替える必要があります。先にできたほうがカードを取ります。
★小さなミツバチ(Honigbienchen)
R.クニツィア作、2-5人用、4歳以上、15分。
蜂の巣が円形に並び、その中にミツバチが入っています。めくったカードと同じ色のミツバチを見つけられたらゲット。でもクマをめくってしまったら返さなければいけません。
★ちょっと見て(Schau mal)
H.シャフィール作、2-6人用、4歳以上、10分。
表と裏にちょっとだけ違うイラストが描かれたカードが中央に並んでいます。みんなが目を閉じている間に、1人が裏返したカードはどれかを当てます。
最後の晩餐(L’Ultima Cena)
「私がキリストです」「いいえ私が」
レオナルド・ダヴィンチの絵画でも有名な「最後の晩餐」。イエスを逮捕しようと紛れ込んでいる律法学者を見つけ出し、弟子たちがイエスを守り切ることを目指す人狼系のゲームだ。弟子たちの中には裏切り者がおり、さりげなく律法学者を助けているかもしれない。
全員に人物カードが1枚ずつ配られる。イエス・キリスト、ユダ、そのほかの使徒、そして律法学者がいるが、はじめは自分以外、誰が何か分からない。
ゲームの進め方は人狼と同じで、3分間の話し合いの後、指差しで追放したい人を1人選ぶ。その後全員が目を閉じている間に律法学者が目を開け、逮捕する人を指差し、その人も脱落する。これを繰り返して、律法学者が先に全員追放されればイエス・キリストと使徒の勝利、イエス・キリストが逮捕されれば律法学者の勝利となる。
人狼と違うところは、アイテムカードが配られ、その使い方がヒントになるところだろう。毎ラウンド1枚ずつ配られ、時計回りにほかの人に渡すことができる。このとき、「裏切りの手紙」がユダのところに来たら必ず渡さなければならなかったり、「浸したパン」だったら誰か1人の人物カードを見ることができたりする。特に、「銀貨30枚」が
ユダのところに渡ると裏切り者となり、律法学者会議に参加して勝敗を共にする。このやりとりで、お互いの正体を探り合っていくのだ。
13人プレイで30分ほど。最初の偶然で律法学者の私が追放されてしまい、もうひとりのdjさんは苦しい戦いを余儀なくされる。しかしユダもどうやら裏切ったようで、展開が読めなくなってきた。肝心のイエス・キリストが一体誰か、味方の使徒さえも全く分からないため、守りようがないのである。後半になると「私がキリストです」と名乗る人が続出しておかしな展開に(笑)。使徒はキリストの影武者になって逮捕されたほうがよいし、律法学者もキリストだと名乗っておけば味方だと思ってもらえる。結局、djさんが世論を誘導しきれず追放され、使徒の勝利となったが、キリストが誰かは最後まで謎のままだった。
最後の晩餐
中村誠/キリスト新聞社(2014年)
5~15人/12歳以上/30分
聖書コレクション:最後の晩餐