『ロココの仕立屋』日本語版、9月6日発売
フランス・ルイ15世の治世に、上流階級のために布を仕入れて豪華な衣装を製作するボードゲーム。華やかな宮廷の裏側で行われている地道な作業に焦点を当てた、変わったテーマの作品として注目され、2014年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。輸入版はこれまでホビージャパンから同じ価格で流通している。
プレイヤーは手札を使い、素材の獲得、衣装の製作、室内装飾の作成や職人の雇用・出向などを行いながら、舞踏会の準備に奔走する。勝利点の獲得手段が多様で、セットコレクションによる衣装の作成、デッキ構築による職人のアップデート、エリアマジョリティによる宮廷の勢力争いといった多彩なシステムを楽しむことができるゲーマーズゲームだ。
・アークライトゲームズ:ロココの仕立屋
アンリミテッド富豪(Unlimited Riches)
意地になって張り合うと…
同じ数字のカードを組で出して、いち早く手札をなくす大富豪系のカードゲーム。『ぽんこつペイント』のぽんこつファームが3年ぶりに発表した同人作品である。大富豪と侮ってはいけない。チップを使って数字を増やすことができ、それで数字を揃えられるのだが、上がるにはチップもなくさなければならないというルールのために、とてもクリエイティブなゲームとなっている。
親が手札から同じ数字のカードを何枚か出す。ほかの人は時計回りに、それ以上の数字で同じ枚数を出すか、パスする。ほかの人が全員パスしたら流れ、一番数字の大きいカードを出して残った人からまた、手札のカードを出す。大富豪のルールなので、分かりやすい。
同じ数字を出すときに、手札に揃っているカードがなくても心配不要。場のチップを引き取ることにより、カードの数字を増やすことができるのだ。赤いカードは、引き取ったチップの分だけ足し算、黄色いカードは、引き取ったチップの数だけ掛け算される。これによって、理論上は数字に上限はない。「アンリミテッド」である。
ただし、手札がなくなっても引き取ったチップを全て捨てないと上がることができない。パスをすれば、チップを2枚ずつ捨てることができる。あまりたくさん引き取ってしまうと、チップを捨てるためにひたすらパスしなければならなくなり、その間にほかの人が上がってしまうだろう。かといってチップなしではなかなかカードを出せない。どこまでチップを引き取るかの選択が悩ましい。手札を見て、最短で上がれるのはどのパターンか計算しておく必要がある。
3人プレイで3回連続プレイ。思ったよりも出たとこ勝負ができず、考えることが多かった。チップを1,2枚引き取るくらいならば出したほうがよいが、3,4枚となるとためらわれてくる。頑張ってカードを出したとして、残りの手札で勝てるのか? 別のパターンで出す方法はないのか? シンプルなルールにもかかわらず悩ましい。経験者のkarokuさん、ふうかさんに歯が立たなかったが、3回目でだいぶコツがつかめ、ようやく最下位から脱出できたので満足。
アンリミテッド富豪
ちかすず/ぽんこつファーム(2014年)
3~6人用/8歳以上
品切れ、再販待ち