レグロス(Leg Los!)
16枚並んだお題から、どの絵を表現しているか棒と円盤だけで当ててもらうクイズゲーム。作者のロッシは『アルケミスト』や『大勝負』などの作品で知られるが、クイズゲームも同じツォッホ社から『シュナップス』というゲームを発表している。制限時間以内にたくさん当ててもらうところが共通で、いかに情報を手早く出していくかがカギだ。
ボードの1~16番にランダムにタイルを並べたらスタート。親は番号タイルを引き、そこで指示されたお題を棒と円盤を並べて表現する。ほかの人はこれだと思ったお題を回答。正解が出たら次のお題に移る。こうして砂時計が終わるまで、できるだけたくさんのお題を当ててもらうことを目指す。
ポイントは2つあって、まず親は使用済みの棒と円盤が使えないところ。1つのお題にたくさんの棒と円盤を使ってしまうと、それ以降のお題で困ってしまう。要は16のお題が識別できればいいだけなので、目玉だったら円盤1つ、ピサの斜塔だったら棒2本など、できるだけミニマルに。
もう1つはほかのプレイヤーの回答権がお題1つにつき1回しかないこと。早い者勝ちなので、親が紛らわしい置き方をすると全員が一斉に間違って回答権を失ってしまう。また親でない場合は、お題ボードを見て、紛らわしいお題が出される可能性も想定しておいたほうがよいだろう。
とはいえ、ぽんぽん正解して得点するほうが効率がいいので、思いついたものをすぐ答えたほうがよい。ポイントは、お題ボードのほうをよく見ておくことだ。
6人プレイで30分ほど。最初は棒と円盤を見つめていたが、それだけで分かるはずがなかった。お題ボードをずっと見ておいて、親が最初の1個か2個を置いた時点で答える作戦に変更。これでリズムよく正解して挽回し1位。
ツォッホにしてはコンポーネントやイラストが大人しいが、「なんでそれだけで分かるの?」「もう棒がねーよ!」とかわいわいと盛り上がれる作品。
Leg Los!
C.ロッシ/ツォッホ(2014年)
3~6人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズ:レグロス
ブラッディマリー(Bloody Mary)
注文の品はなかなか作れず
バーテンダーとなって客が注文した飲み物を作るダイスゲーム。変わった形の箱に入っているハイエ(Heye)社の作品で、1995年に発売された。この会社は90年台に14タイトルほど出版しているが、現在はカレンダーを主に扱っているだけでボードゲームを制作していない。
タイトルになっているブラッディーマリーは、ウォッカとトマトジュース(とタバスコ)で作るカクテルのことだが、このゲームには赤い服を着たお姉さんもブラッディーマリーと呼ばれる。
はじめ自分の前には4枚の注文カードが配られる。そのうち2枚を裏返しておく。自分の番にできることは、ダイスを振って注文カードをさばくか、獲得した注文カードを換金するか、1回休んで注文カードを全部交換するか。
ダイスを振る場合は、予め何投するか(最大3投まで)宣言して、その数だけチップを支払う。振ってから判断できない前払い制で、カードの難易度や運の調子などから判断しなければならない。途中でやめてもいいが、支払ったチップは返ってこない。
注文カードには、ウェイター/ウェイトレスと共に水、カクテル、コーラ、シャンパン、ブラッディマリー、ビールがいろいろな組み合わせて描かれてあり、ダイス1個だけで達成できるものから、3個必要なものまである。達成したカードは裏返し、わきに重ねておいて最後に得点。1個のダイスを複数の注文カードに使ってよいので、一度に何枚か達成できることもある。ほかのプレイヤーの(表向きの)注文カードも達成していれば奪うことができるので、どのダイス目を残すかよく考えなければならない。
宣言した回数だけ振っても1枚も達成できないと、ペナルティーとしてチップ2枚か、獲得したカードの山札から1番上のカードを返さなければならない。これが痛いので、保険のため宣言する回数は2回や3回にしたくなる。
チップが足りなくなったら、獲得した注文カードを1枚返して2チップにできる。しかしその分だけ得点が減るので、できるだけ選択したくないところだ。難しい注文カードばかり並んだら、全交換しておいたほうがよいかもしれない。誰かが獲得した注文カードの合計が11点以上になったら、全員に2チップずつのボーナスもある。
ゲームのテンポが大きく変わるのが「ブラッディマリー」カード。このカードが出たら、自分の前にある注文カードのうち、同じ飲み物が2つあるカードがあればいち早く取り、ブラッディーマリーカードの上に置くのだ。最初に置いた人が7点という高得点を獲得する。このブラッディーマリーカードがゲーム中に3回出てくる。油断はできない。
注文カードの山札がなくなり、自分の番になったらいつでもゲームから抜けられる。まだカードは場に何枚かあるので、確率を考えて続行してもよい。注文カードが少なくなり、全員が抜けたらゲーム終了。獲得した注文カードの点数と、チップの枚数から、まだ達成していない注文カードの点数を引いて、合計の多い人が勝ち。
5人プレイで40分ほど。ダイスは3個しかなく、全部目が違うので、ダイス1個の注文でもなかなか達成できない。ましてや3個となると、3投しても厳しいことが多かったので、その分達成できるとすごく嬉しい。時折登場するブラッディーマリーのリアクションゲームもスパイスになっている。バーテンダーがこんな調子で失敗ばかりしていたらたいへんな酒場だろうなあ。
Bloody Mary
D.ハンネフォート/ハイエ(1995年)
2-6人用/16歳以上/45分
絶版・入手難