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ホビージャパン、4-6月の輸入リストを発表

ホビージャパンは4~5月に発売予定の輸入ゲームリストを発表した。いずれも海外版で、日本語ルールが付属する。
ライナー・クニツィアの日本庭園(BRAINS: Japanischer Garten)                 
R.クニツィア作、ペガサスシュピーレ(ドイツ)、1人用、8歳以上、5~20分、1,800円(税別)、4月下旬発売予定。
ライナー・クニツィアによる、子供から大人まで楽しめるコンパクトな1人用パズルゲームです。ゲームの目的はただ1つ、さまざまな制約をクリアして日本庭園を完成させること。庭園は、園内の道や建物や橋が描かれた7種類のタイルを並べて完成させます。お題は全部で50題で、難易度別にそれぞれ道のスタート地点とゴール地点、その道が通過しなければならない建物や橋、通過するタイルの数など様々な課題が設けられています。この日本庭園を完成させて、精神を研ぎ澄ましましょう。
メタルアドベンチャー(Metal Adventures)
L.ボーグ作、マタゴー(フランス)、3~6人用、13歳以上、45~60分、7,000円(税別)、6月下旬発売予定。
宇宙海賊がテーマのSFゲーム。カードを使って探検をしたり、自分の海賊船を強化したり、乗員を補強したりしながら、さまざまな冒険に挑戦していきます。広大な銀河ではイベントや、プレイヤー間での交渉、同盟と裏切り、宇宙船同士の戦闘が待ち受けています。ゲームが終わるまでに銀河で最も栄光に満ちた海賊となるのは誰でしょうか?
美しいアートワークも見どころの、胸わき踊る同盟と裏切りと戦いを繰り広げるスペースオペラゲームです。

無限に広がる大銀河 ―― 太陽帝国と銀河帝国は無慈悲な闘争へと突入していた。辺境の略奪者たちは見離された惑星系を襲い、OCGが交易の独占権を得るようになっていた。この恐るべき事態に勇敢な人々が立ち上がり運命を切り開く。彼らこそ、己の命を危険にさらすことを選んだ者たち。自由と冒険を求めるもの。人は彼らを宇宙海賊と呼んだ!
自由を求めるプレイヤーたちよ、戦いの宇宙に乗り出すのだ ―― 冨と名誉と栄光を賭けて! さぁ、この船に乗り冒険の待つ宇宙へ船出するのだ! 天かける海賊となり、時には戦い、時には協力しつつ、勝利を目指すことになるのだ。己の技量と鋼鉄の海賊船が戦いの時の鍵となるだろう。

究極ウォリアーズ(Ultimate Warriorz)
G.ブロッシェ作、マタゴー(フランス)、2~8人用、8歳以上、30分、5,600円(税別)、6月下旬発売予定。
アクションカードとダイスでキャラクターの能力を駆使して生き残りを目指すファンタジー世界のバトルロイヤルカードゲーム。大抗争時代にさまざまな部族や氏族や種族から最強の戦士が集い、儀式的な戦いが聖なる闘技場で繰り広げられます。この戦いで勝ち残ったものだけが、伝説の世界の果ての島を支配できるのです。
戦いはタイミングが重要で、秘密の技をここぞという瞬間に解き放ち、魔法の道具でダメージを増加させ、敵の攻撃を見きってかわしましょう。あるキャラクターは近接戦に秀で、あるキャラクターは飛び道具に勝り、あるものはその速さに長けている。キャラクターの特性を生かして敵を倒し、勝ち残りを目指します。
2008年にフランスの出版社から発売された『マッド・アリーナ(Mad Arena)』のリメイクで、8人まで遊べるようになっています。
ネイションズ:ダイスゲーム(Nations: The Dice Game)
R.ホカンソン作、ラウタペリト(フィンランド)、1~4人用、10歳以上、プレイヤー人数×10~15分、7,000円(税別)、6月下旬発売予定。
フィンランド発の文明発展ゲーム『ネイションズ』のダイスゲーム版。大きな4つの時代区分(ラウンド)にわたってゲームを行い、毎ラウンド、タイルを購入したり、驚異の構造物を建てたり、ダイスを振り直したりするなどのアクションを実行します。建造と軍事でダイスを獲得し、植民地や驚異の建造物で資源と勝利点を獲得できます。歴史上の人物がいるとダイスを振り直せるほか、獲得したタイルの効果でダイスを追加することも可能です。毎ラウンドの終了時、戦争と疫病がプレイヤーを襲いますが、勝利点を獲得するチャンスでもあります。獲得した書物はそのまま得点となり、軍事力は次のラウンドのプレイ順に影響します。
人気を博した文明発展のボードゲームの要素もそのままに、プレイ時間を手軽にしたダイスゲーム版です。

文明の曙より発展の歴史を積み重ねる中、人々は戦い、生まれ、国家を成してきた……強大な国家は国民を保護し、富を生み出し、他の国家と生存をかけて戦ってきた。国家は食糧を生産し人口を増大させ、製品を製造して経済を発展させ、偉大なる建造物を建設することで世界の称賛を集め、最も偉大な国家であることを人類史に刻むのだ!

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奥野かるた店ゲームデザイン討論会

3月14日、東京・神保町の奥野かるた店2階にて、ゲームデザイン討論会の公開ディスカッション「奥野の百年、ゲームデザインの千年」が行われた。定員40名は満員となり、3時間半にわたって熱い議論が繰り広げられた。
パネリストはデジタルゲーム界から『ゼビウス』『ドルアーガの塔』の遠藤雅伸さんとAI研究者の三宅陽一郎さん。アナログゲーム界からはゲーム研究家の草場純さん、ドロッセルマイヤーズの渡辺範明さん、当サイトの管理人小野が務めた。コーディネーターは遊戯史学会の蔵原大さん。
はじめに奥野会長と草場さんから奥野かるた店について説明があり、100年にもわたってアナログゲームを供給し続けてきた歴史に参加者一同、思いを馳せた。遊戯を商いにすることに後ろめたさがあったという会長の回顧が印象的である。今でこそ、伝統ゲームは社会的な地位を獲得しているが、賭博の道具という見方もあったことだろう。
第1部は草場さんによるアナログゲームの歴史、第2部は遠藤氏と三宅氏によるデジタルゲームの歴史、そして第3部は参加者のアイデアによるフリーディスカッションという構成。第1部は1万年の歴史を1時間足らずで振り返るのにさすがに無理があったが、草場さんは興味深いエピソードをはさみながら駆け足で説明していく。そして伝統ゲームの作者性について議論が行われた。作者はいたけれども忘れ去られたのか、それとも自然発生的に生まれ改変されて今日に伝わっているのかは、確かめようのないことではあるが考えてみるのも面白い。
第2部は主にアナログゲームとデジタルゲームに本質的な違いがあるのか否かという論点だった。ゲームセンターの衰退によって、アーケードゲーム愛好者がボードゲームを遊ぶようになっているという話や、遠藤さんが教えている東京工芸大学の授業では、アナログとデジタルの両方を使うという話も出た。そこから、デジタルゲームにおけるブラックボックスは、アナログゲームでもTRPGのゲームマスターや、S.フェルトの複雑なシステムなどで近いものが見られるという指摘や、デジタルゲームの即時性も、ミクロに見ればターン進行でなされているという指摘がなされた。ゲーム好きも極まるとデジタル・アナログの区別は意味をもたなくなるようだ。
第3部は参加者からの提案で、普及(特にボードゲームミュージアムの必要性から、アーカイブの話)、プレイヤーの想像力(ストーリーとナラティブの違いについて)などが議論された。終了後もパネリストと聴衆で懇親会が行われ、夜遅くまで盛り上がっていた。
討論会の様子はYoutubeで見られるほか、togetterにダイジェストがまとめられているのでご覧頂きたい。
USTREAM:ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション
togetter:ゲームデザイン討論会―公開ディスカッション2015.03.14