テンプル騎士団(Templar: The Secret Treasures)
自分で隠して、自分で見つける
テンプル(神殿)騎士団とは、修道士でありながら十字軍の騎士である会で、エルサレム巡礼の護衛などを行っていた。莫大な資産を保有していたためにフランス王フィリップ4世によって逮捕され終焉を迎えた。
そのテンプル騎士団の生き残りが修道院内に財宝を隠し、修道院長に見つけてもらうゲーム。スペインのゲームデザイナーがデザインし、ドイツのクイーンゲームズから発売された。
順番にカードを手札から1枚プレイして、その効果で船から財宝を入手したり、自分のコマを移動させて財宝を隠したり、その部屋に修道院長コマを移動させて得点計算を起こしたりする。10枚の手札はみんな同じで、好きなタイミングで「鐘」を出すと全回収できる。
徐々になくなっていく手札を、どのタイミングで1回休んで回収するかということも悩ましいが、それ以上にこのゲームのポイントは、「ほかのプレイヤーが最後に出したカードと同じ種類のカードをプレイできない」というルール。「あ、オレもそのカード出したかった」と思っても1周待たなければならない。その間に展開はどんどん変わっていき・・・。
修道院長コマは「修道院長」のカードで移動できるが、来た部屋に戻れない(後ろをスパイがついてきている)。ほかのプレイヤーの思惑も絡んで、なかなか思い通りに動いてくれない。特に自分だけが財宝を隠した部屋は、みんなが避けて通ってくれるだろう
さらに修道院長による得点計算を妨害するカードもある。「守衛」はドアのコマを移動して通路を封鎖し、得点計算を起こしたい部屋に修道院長が入らせない。「副院長」は院長のいる部屋にいると、得点計算を起こすことができない。
ということで大切なのが相乗り。誰かが財宝を隠した部屋に自分も隠せば、少なくともその人は邪魔しないだろう。そういう部屋をいくつも作って、財宝を修道院長に見つけてもらうのだ。
全部の部屋に財宝を隠して修道院長に見つけてもらえたものの、聖杯や聖書といった高得点の財宝をあまり隠していなかったのが響く。一つの部屋でワンチャンス、宝を大量に隠し、ほかの人が邪魔する前に一挙に高得点した鴉さんが1位。いたるところに策略が散りばめられていて緊張した。
Templar
J.T.カストロ作/クイーンゲームズ(2013年)
2~5人用/8歳以上/60分
メイフェア、ウォレスとの提携解消
アメリカのボードゲーム出版社メイフェアゲームズは、イギリスのゲームデザイナー、M.ウォレス氏との提携を解除したことを明らかにした。『スチーム』の第5拡張を最後に、今後はウォレス作品がメイフェアゲームズから出版されないことになる。
メイフェアゲームズとウォレス氏は、『スチーム』『オートモービル』など多くの傑作を発表してきたが、「どんなによいものであれ、いずれ終りを迎えなければならない。そしてそれが今日だったのです」とメイフェア社。「メイフェアゲームズとマーティン・ウォレスは別の道を歩んでいくことになりました。ウォレス氏とご家族の健康と、今後もボードゲーム愛好者を喜ばせる作品を作り続けて行かれることを祈ります」とコメントしている。
・ICv2:Mayfair Games, Designer Martin Wallace Part Ways
M.ウォレス氏はICv2の取材に応じ、ツリーフロッグ(ウォレス氏の個人レーベル)とメイフェアゲームズで共同開発中の『シップス(Ships)』という新作について、メイフェア社から2016年に発売を延期することを打診され、すでに発注しているものもあるため予定通りの発売を願ったところ、提携解消の発表になったという。一方的な発表に「私も少し驚いている」とウォレス氏。
なお、提携解消は今後の作品開発に限り、これまでの作品については従来通り販売される。『シップス』は限定版がツリーフロッグから秋に発売される見通しだが、一般発売は未定となった。
・ICv2:’Ships’ Sinks Mayfair, Wallace Accord