ロストレジェンド(Lost Legends)
不得意なモンスターはお願いする
毎ラウンド、最初に対決するモンスターが配られるので、その強さを見て装備を行う。装備は、配られたカードから1枚ずつ選んでは残りをとなりに渡す「カードドラフト」。武器は剣、弓、魔法があり、モンスターによって与えるダメージが変わる。そのほかにダメージを減らす防具、体力を回復する呪文など。いずれもお金を払って装備しなければならない。モンスター対応だけでなく、コンボも考えて取捨選択していく。
装備が終わったらいよいよ対決だ。武器とモンスターの特性を見比べて与えるダメージが決まる。そのダメージがモンスターのライフを上回れば見事やっつけたことになり、経験値とトロフィーが入る。ライフが残っていれば反撃。こちらもモンスターの特性と装備を見比べてダメージを受ける。プレイヤーのライフが足りないと倒されてしまい、このラウンドから脱落する。後から弱いモンスターが出てくることもあるので、最初から無理をしないほうがよい。
こうして攻撃(と防御)で1手番となり、次のプレイヤーに手番が移る。モンスターを倒したプレイヤーは、次の手番に中央にある新たなモンスターと戦う。呪文などのカードは一度使うとタップされて使えなくなるし、ライフは減っていくしでどんどん戦いは厳しくなるだろう。そんな場合に備えて、タップしたカードを元に戻したり、ライフを回復する装備も揃えておいたほうがよい。中央のモンスターがいなくなったらラウンド終了。
こうして3ラウンド行うが、装備は前のラウンドからそのまま継続されるので、アップグレードするなり、新しいコンボを作って強化していくのが楽しみだ。もちろん、モンスターもどんどん強くなる。
このゲームにはプレイヤーごとに異なるキャラクターがあり、得意不得意が分かれる。経験値が増えてレベルアップするとき、最大ライフを上げるか、最大マナを上げるか、お金をもらえるか選択できるので、キャラクターに合った成長をしていこう。
3人で60分ほど。1ゲーム目は遠距離攻撃の得意なキャラクターでバシバシ弓を放ち、2ゲーム目は近距離攻撃のキャラクターで剣をアップグレードした。魔法も少し使って体力をもたせ、最後まで生き残れるようにする。序盤で運悪く倒されてしまうときつい。「そのモンスターはオレが倒すから任せて下さいよ」「いやあえて挑戦してみる!」「ほら負けたー」倒せないモンスターは倒してもらうという協力関係もあり、かといって自分が倒さないと手柄はもっていかれるというライバル関係もありで、装備とモンスターの選択が悩ましいゲームである。
Lost Legends
M.エリオット/クイーンゲームズ(2013年)
3~5人用/10歳以上/70分
ドイツ街角インタビュー:ボードゲームとビデオゲーム
ドイツ中部、シュトゥットガルト近郊の都市ミュールアッカーにて3月14日、地元の中等学校主催によるボードゲームフリーマーケットが行われた。現地の新聞社はこのイベントにちなみ、ビデオゲーム・コンピュータゲーム全盛時代にボードゲームはどれだけ魅力的か、好きなボードゲームは何か、いつ遊ぶのが好きかなど、街角インタビューを行っている。
マルタさん(女性)
「孫が遊びに来たときときどきボードゲームをするわ。一番好きなのは『イライラしないで!(Mensch ärgere dich nicht)』。でも『マレフィッツ(Malefiz)』はとても時間が短いからお気に入りね。でもビデオゲームは遊ばないわ。」
ウヴェさん(男性)
「一番好きなのは『イライラしないで!(Mensch ärgere dich nicht)』。特に夜のひとときに子どもたちと遊ぶね。ビデオゲームもときどき遊ぶよ。ビデオゲームは適度じゃないといけないと思うけど、それならいいんじゃない。」
ヨナさん(女性)
「弟とボードゲームを遊ぶのが好きです。絶対のお気に入りは『モノポリー』。クラシックだけとよいゲームだと思います。ビデオゲームはそんなに遊ばないし、好きじゃないです。でも弟は大好き。」
オラフさん(男性)
「友だちとボードゲームを遊ぶのが好きだね。一番好きなのは『カタンの開拓者たち』で、いろいろな拡張セットを加えて遊んでるよ。以前はビデオゲームをよく遊んでいたけど、この頃はもう遊ばないな。でも年齢に合わせて遊ぶならビデオゲームもいいと思うよ。」
カリーナさん(女性)
「子どもとよく遊ぶのは『マウマウ(Mau Mau)』、『ロメ(Rommé)』、『カナスタ(Canasta)』、『アクワイア(Aquire)』、『モノポリー』みたいなゲームよ。特に週末一緒に遊ぶのが好きで、とっても楽しいわ。私の好きなゲームは『マウマウ』。Wiiなどのビデオゲームも遊ぶけど、古いボードゲームのほうが好きね。」
ペーターさん(男性)
「以前は子どもたちと、その後は孫と『ミューレ(Mühle)』『チェッカー(Dame)』『ハルマ(Halma)』『カナスタ(Canasta)』を遊んでいたけど、この頃はみんな大きくなったのでめったに遊ばなくなったよ。ビデオゲームは以前遊んでいたけど、そんな時代も過ぎ去ったね。」
ドイツでも定番は『カタンの開拓者たち』というわけではない。もっと簡単なものを子どもたちと遊ぶ人が多いようだ。そういう層にとって『イライラしないで!(Mensch ärgere dich nicht)』の存在は大きい。ドイツ人で知らない人はいないというこの双六ゲーム。サイコロで4つのコマをゴールさせるのだが、ほかの人のコマがあるマスに止まるとそれを振り出しに戻すことができる。ゴール寸前で振り出しに戻されるため、その悔しさがこのゲームのタイトルとなっている。ドイツでは100年以上販売されており、日本では『ソーリー!』というタイトルで販売されたことがある。
定番の易しいゲームを親子や祖父母と孫で遊び、それを続けることから、ドイツでは普段からボードゲームを遊ぶ文化が醸成されている。子どもたちと遊ぶときは一足飛びに難しいゲームを出さずに、簡単なゲームから続けていこう。
・Mühlacker Tagblatt:Haben Sie Spaß an Brettspielen?