『ケンブルカスケード』日本語版、9月下旬発売
ズィーマンゲームズ(カナダ)が2014年秋に発売した作品で、スウェーデン人がデザインした。1980~90年代に流行した縦スクロール型シューティングゲームをボードゲーム化した作品である。
伝説によれば、ケンブルカスケードの小惑星郡の奥深くには、恐るべき古えのタイタンが守る異星人の秘密や素晴らしい鉱石が眠っているとのことだ。西暦3868年、君は自らの宇宙帝国の連邦議会により、この神話の秘密を解き明かし、まだ知られざるテクノロジーを持ち帰るべく、この”滝”(カスケード)へと送り込まれた。これこそ、君が待ち望んでいた栄誉へのまたとないチャンスなのだ。
ゲームは敵と敵弾が飛び交う背景宇宙を「スクロール」していくことで進められる。毎ラウンド、宇宙空間の最後の列は消え去り、銀河の最前列に新たな列が登場する。さらにトンネル、ワームホール、ファイターなど、さまざまな敵が登場するレベルパックを組み合わせることで、無限のゲームパターンが生まれ、毎回異なった展開が楽しめる。
また、自機を改良でき、戦略によって武器をアップグレードしたり、エンジンを強化したり、シールドで守りを固めたりできる。ほかのプレイヤーを攻撃することも可能で、その対策も怠ってはならない。
ボックスアートは角がダメージを受けて剥がれているようにデザインしてレトロ感を出した。『ゼビウス』など懐かしのレトロゲームを、新しいアプローチでまた楽しんでみてはいかが。
ゲームの内容物
-スペースカード123枚 -アップグレードカード33枚
-ミッションカード8枚 -センサーカード40枚 -功績カード22枚
-キャプテンボード5枚 -スコアボード1枚 -戦闘機コマ5個
-パワーアップカード23枚 -スコアカード5枚
-スクロールトレイ10枚 -ベロニウム結晶35個
-栄誉/敵弾/エネルギーマーカー15個
-プレイヤーマーカーとPvPマーカー50個 ほか
【おまけ3】翻訳必要部分に関してはこんな感じ。 pic.twitter.com/UDO3fFyijM
— ホビージャパン・ゲームツィート (@HobbyJAPAN_GAME) 2015, 8月 24
ドラゴン(Dragon)
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マメの精霊の力を借りて、強いドラゴンを育てるゲーム。ゲームマーケット2015春にHOY GAMESが発表した作品で、『たねまき』に続く2タイトル目となる。セットコレクションで強化していくが、ほかのプレイヤーの動向を見たうえでどのパラメータを上げるか決めるので考えどころが多く、遊びごたえのある作品だ。カードゲームとしては珍しい1時間級。
と、
はじめ、各プレイヤーは「ホワイトベビー」というドラゴンをもっている。ドラゴンは頭部と胴体とが別々になっており、それぞれ新しいカードを増やして強化していく。強化するためには、3つの素材(食料、火のエレメント、水のエレメント)が必要だ。これらの素材は、精霊を使うことで手に入る。
はじめにもっている精霊は、1食料を3金に換える「マーメー」と、1金を2食料に換える「ナットー」。そのほかの精霊は場札に出てくるので、ゲーム中にお金を払って契約する。ゲームが進むにつれて、どんどん効果の強い精霊が出てくるしかけだ。1枚1枚違う精霊カードのイラストがとてもかわいい。
手番にはアクションカードを1枚出して、そのアクションを行う。「いのる」(精霊カードの効果を使う)、「契約」(新たな精霊を入手する)、「狩りに行く」(素材を支払ってドラゴンをアップグレードする)、「休む」(これまで使ったアクションカードを回収する)のいずれかで、バランスよく出していかなければならない。
アクションのメインは「いのる」だ。ここでは、自分がもっている精霊を1枚と、ほかの人の精霊を1枚使うことができる。ほかの人の精霊を使うと、支払ったお金や素材はその人にいってしまうが、効率のよいドラゴン育成のためには避けることができない。一方、自分もほかの人に精霊を使ってもらえるように、需要を見極めてよい精霊を入手しておく必要がある。「ご利用ありがとうございまーす!」お店屋さんごっこのような楽しさがある。
一方、ドラゴンのアップグレードは早い者勝ちだ。資材をほかの人より早く集めていく必要がある。楽しいお店屋さんごっこの中にも、「赤の素材は先に集められそう」「あちらは食料が足りなさそう」といったシビアな駆け引きがある。
ドラゴンの強さは攻撃力、体力、速度があり、精霊やドラゴンカードを取るたびに累積していく。精霊カードの場札が補充できなくなるか、ドラゴンカードが全体で一定数取られたらゲーム終了。最後に、総当たりのドラゴンバトルで勝敗を決める。
育成に比べたら、ドラゴンバトルは一瞬だ。速度の速いドラゴンが先攻で、攻撃力だけ相手にダメージを与える。体力を上回るダメージを与えれば勝利、生き残れば反撃。今度は相手から攻撃力だけダメージをくらい、体力を上回るダメージをくらえば敗北、生き残れば引き分け。つまり体力がなくても攻撃力と速度があれば勝てるし、速度がなくても攻撃力と体力があれば反撃で勝てる。
ドラゴンバトルで勝てば4点、引き分けで1点が入り、そのほかにゲーム中に行われる「査察」で条件を満たしたときのボーナスを加えて得点の多い人が勝ち。
4人プレイで1時間。鴉さんが序盤に体力を増やし、精霊を多く契約して攻撃力もアップする作戦。私は序盤に攻撃力を増やし、そこで生まれる食料を活かしてドラゴンを強化する作戦を取った。結果、私の精霊は力不足になり、序盤苦しみつつ、終盤に大枚をはたいて強い精霊を手に入れたcarlさんにも敗北。精霊が繁盛していたtomokさんと同率3位。
先手有利の感もあるが、精霊カードの効果やドラゴンのグレードアップに必要な資源の組み合わせのバランスがとてもよくて、いろいろな戦略が取れる。さらにドラゴンのパラメータをめぐる終盤の駆け引きも熱く、興奮曲線が上がりっぱなしの作品である。
Dragon
矢沢 賢太郎/HOY GAMES(2015年)
2-4人用/12歳以上/45-60分