日本版The One Hundred 2023、1位『テラフォーミング・マーズ』7年連続
1位は今年も『テラフォーミング・マーズ』で7年連続。7回の1位獲得で『カタン』とタイになった。得票率は23%と昨年の26%からやや下がったが、ほぼ4人に1人は投票した計算になる。10位圏内では『コンコルディア』が返り咲いた。最もジャンプアップしたのは『ごいた』で昨年の91位から45位。
新作の最高位は『テラミスティカ:革新の時代』で3位、次いで『チャレンジャーズ!』が6位。国産トップは『異世界ギルドマスターズ』と『ごいた』が同着。国産は107タイトル中8タイトルと昨年から-4タイトル。日本語版未発売の海外ゲームは11タイトルと昨年から+3タイトルとなっている。
過去の結果:2022年/2021年/2020年/2019年/2018年/2017年/2016年/2015年/2014年/2013年/2012年/2011年/2010年/2009年/2008年/2007年/2006年/2005年
毎年恒例、しのさんのゲーマー度チェックはこちら。
日本版The One Hundred 2023の結果発表に伴い「2023版のゲーマー度計算」を公開します。 https://t.co/MdF2OeiLum
2023年のボードゲームのゲーマー度簡単に計り、結果をツイートすることができます。ご活用頂けたら幸いです! pic.twitter.com/1WqCO5hdqw— しの🍆 (@see_know) December 13, 2023
ゲームマーケット2023秋:レポート
12月9日と10日、両日とも快晴の温かい青空のもと、ゲームマーケット2023秋が東京ビッグサイト西1・2ホールで開催された。5月に開催された2023春と同じ合計17760平方メートルの会場に、2日間合計で1116団体が出展し、2日合計で25000人が来場した。出展団体数は過去最多、来場者数は2023春から3000人の増加で、ようやくコロナ禍前の規模に戻った。
一般入場は12時から、入場料が1500円高い早期入場は11時から。それでも土曜日の早期入場チケット2500枚は売り切れ、限定品を求めて朝早くから待機列が形成された。この日、都内の最低気温は6度。例年より温かいとはいえ、屋外での行列は身体に堪えただろう。朝5時から並んでいたという情報もある。
前回は入場に非常に時間がかかったが、今回はスタッフが待機列を回ってチケットの確認とリストバンドの配布を行ったことからスムーズな入場を実現。2500人の早期入場者はあっという間に会場内に吸い込まれていき、12時入場の方が早くも入口で待っていた。
まずは今回の目玉ブースから。サントリー協賛のもとボドゲ好き・お酒好きの多彩なメンバーが参加するコミュニティ「LIQUOR GAMERS CLUB」では、お酒をテーマにしたボードゲーム『ミッドナイトカクテル』『バーテンダウト』を発表。謎解きクリエイターの松丸亮吾さんとファッションモデルの貴島明日香氏がYoutubeで紹介したこともあって、たくさんの人がブースに集まっていた。
マーダーミステリーの合同出展も多くの人で賑わっていた。ここには主に企業の製品版が並んでいたが、他にも一般ブースでマーダーミステリーを頒布しているところもあり、一大ジャンルとなっている。
今回のゲームマーケットでは、多くの輸入ボードゲームが日本語版先行発売、または日本語訳付きでお目見えした。ビッグタイトル・注目タイトルが目白押しとなり、どこよりも早く、そして安く買えるならゲームマーケットで手に入れようという参加者も多かったようだ。あちこちで売り切れ続出。
安定した面白さの輸入ボードゲームが注目されているのは特設ブース「本当に面白いユーロゲームの世界」にいるとわかる。ここでは『ドーフロマンティックボードゲーム』『チャレンジャーズ!』『カスカディア』などの体験卓がずっと埋まっており、卓が空くまでしばらく待っている方も。当初は3卓しかなかったところを、5卓まで増やし、スタッフはゲーム説明に大忙しだった。私もお手伝いで2,3ゲームの説明に入ったが、ボードゲームを楽しむ生の声を聞くことができて幸せになれる。
もちろん国産ボードゲームの規模は輸入ボードゲームの比ではない。企業からアマチュアまで多くの団体が渾身の新作を持ち込み、試遊卓を設けるところも少なくない。ゲームマーケットの開場時間は12~17時。試遊する時間がほとんど取れないのが残念だ。
10月のエッセン・シュピールで合同出展し、長い行列ができたSaashi&Saashi、itten、オインクゲームズはゲームマーケットでも存在感があった。いずれもエリアブースを構え、新作を展示。またドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた『街コロ』の続編や、『キャット・イン・ザ・ボックス』作者の新作など、国際的に評価されているデザイナー・出版社の新作も展示されており、海外からの参加者も多く訪れていた。
スペシャルステージでは三遊亭楽天氏のTRPG落語、M.ウォレス氏によるボードゲームデザイン、エッセン・シュピールのコミュニケーションディレクターであるR.デ・クルア氏によるゲームマーケットとのコラボ、I.オトゥール氏によるボードゲームのアートワーク、印刷所を招いたボードゲーム印刷事情についてインタビューと質疑応答が日本語通訳付きで行われた。
輸入ゲームに匹敵するクオリティの国産ゲームが増えている中で、多種多様な同人作品・実験的作品・日本ならではの作品が見られるのもゲームマーケットの醍醐味である。特に今回初となる「チャック横丁」は、外箱がないゲームを1種類100個まで安価で出展できるという、同人ゲームの原点に立ち返った企画で意欲的な作品が並んだ。
ほかにも500種類を超える新作国産ボードゲームが発表された。とても追いきれないという方(筆者も含む)のために、当サイトでは事前アンケート「注目の新作ボードゲーム」を実施し、1月25日まで「新作評価アンケート」を実施中。遊んだ方はぜひ投票をお願いします。
今回、筆者はスモール出版ブースを間借りさせてもらい、拙著の新刊『ボードゲームで社会が変わる』(河出新書)や6月に発刊した『ゲームメカニクス大全第2版』(翔泳社)、既刊『ボードゲームワールド』(スモール出版)を販売した。スモール出版のほうは撮影用に使用したボードゲームの中古販売。久々にブースに立つと(8年ぶり)、風景が180度変わり、通りがかりの人を観察できて楽しかった。
なおスモール出版では来年2月25日に高田馬場で中古ボードゲーム専門のフリマ「中古ボードゲーム蚤の市」を開催するという。
楽しそうな僧侶もいた。 pic.twitter.com/RgCTzG6jsE
— ふうか (@fu_ka2001) December 9, 2023