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シュピール’17:日本からの出展

ドイツ・エッセンで10月26日から4日間にわたって行われているボードゲームメッセ「シュピール」には、51カ国が出展者として参加している。その多くはヨーロッパか北米からの出展だが、その中で日本からの出展もいくつか存在する。
日本からの出展は、外国語での出展手続き、会場への販売物の搬送、英語やドイツ語でゲーム説明する人の手配など困難が多い。さらに今年は、本部がCEマーク(日本のJISマークのようなもの)の取得を義務付けたため、箱にシールを貼ったりするなどたいへんだったようである。そんな困難を乗り越えて出展している諸団体を誇りに思う。
オインクゲームズは、遠くからでも分かるブルーを基調としたブースで出展。通常の2倍サイズでR.クニツィアの『モダンアート』を発売した。残念ながらライセンスの関係で日本では販売できないということで、日本人も買い求めていた。
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11回目の出展となるヤポンブランドは、『キャプテンダイス』『化石鉱脈』『パーフェクトホテル』『侍鳥』など17タイトルを出展。木曜日は恒例の行列ができた。

itten/一年中未来は『TOKYO HIGHWAY』『ハツデン』『TRIBE』『ぽんこつファクトリー』を展示販売。会場の一番奥にある8番ホールでも、海外のレビューなどで気になった人が訪れていた。

同じく8番ホールで出展していたリトルフューチャーは『キティズ』と『フルーツパティスリー』を展示販売。安価なカードゲームということもあって手に取ってもらいやすいようだ。

『シェフィ』『ゴリティア』を出展している冒険企画局と、『ソラシノビ』『ドワスレ』『アニマルマインド』などを出展しているグループSNEの合同ブース。こちらは1番ホールと、人通りの多い立地にある。

ホビージャパンはオリジナル作品の『たたらばと森』と『ダイスエイジ』を体験販売。『ダイスエイジ』は先行販売で、日本では来月初頭の販売が予定されている。

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ツクヨミ:落ちた満月(Tsukuyumi: Full Moon Down)

神が落ちてきた

ドイツの出版社がキックスターターで製品化しようとしている日本テーマの重量級ボードゲーム。目標を大きく上回る68000ユーロ(900万円)を集めて年内に製品化されることが決定している。デザイナーはドイツのコミック界ではよく知られた人物で、日本神話をモチーフとした背景ストーリーや、ボードゲームとリンクしたコミックもある。
ツクヨミといえば記紀神話で月の神様であるが、このゲームでは地球を支配するために月とともに落ちてきた邪神となっている。月が落ちたために海が蒸発した地球で、鬼を従えて暴れまわる。プレイヤーはさまざまな勢力を担当して支配を争う。
荒廃した地球で生き残った勢力はアメリカ兵、騎士、サムライマシン、イノシシ、昆虫の5つ。勢力ごとに部隊の強さや数が異なるが、強い部隊は数が少なく、数が多い部隊はひとつひとつ弱いというかたちでバランスを取っている(右写真はエッセン・シュピール会場内、サムライマシンのコスプレ)。
ゲームはアクションカードのドラフトとプレイで進行し、部隊の増強や移動、戦闘を行う。戦闘もダイスではなくカードで行い、運の要素はないがカードに選択肢があって駆け引きがある。さらにイベントカードで自分に有利な環境を作ったり、ミッションカードで条件を達成したりする。自分が支配した土地の広さなどに応じて入る得点で勝敗を競う。
日本神話、SF、世紀末、スチームパンクなどが入り交じった独特な世界観だけでなく、システム的にも見どころが多い。言語依存が高いが、日本でも遊ばれてほしいと思う。キックスターターでは拡張の4勢力、2人用バリアントなどがアドオンで提供されている。
Kickstarter: TSUKUYUMI – FULL MOON DOWN – asymmetric strategy game
Tsukuyumi: Full Moon Down
F.メルティカット/キングラクーンゲームズ(2017年予定)
3~5人用/14歳以上/90~240分