ゲームマーケット2020春も新型コロナウィルスで中止
事務局では関係機関と協議を続けてきたが、安全が確保されるという結論に至らず、またマスク着用や検温チェックの義務化、入場規制や試遊中止など万全の対策を行った場合、もはや楽しく過ごせるイベントではなくなってしまうという思いや、この時期に大規模な感染拡大があった場合、ボードゲーム全体のイメージが低下する危惧があったという。
ゲームマーケット2020大阪は政府の中止・延期要請を受けて開催11日前に中止が発表されたが、今回はキャンセルにかかるコストを抑えるため、早めの1ヶ月前の発表となった。
「ゲームマーケット20周年記念カタログ」となったカタログは販売を継続し、チケットは今後のゲームマーケットで使えるようにする。支払い済みの出展料については、返金・次回以降で使用・寄付のいずれかを選ぶことができる。また当日販売できなくなったゲームについては手数料0円の通販サイトを始めるほか、コラボイベントで直接販売する機会も設けるという。
これによって次回のゲームマーケットは11月14~15日に行われる2020秋となった。開催まであと8ヶ月、事態の収束を祈りたい。
新型コロナウィルスは現在、欧米で感染が急拡大しており、ボードゲームイベントにも影響が出ている。3月27日から3日間にわたって開催予定だったシュピール・ドッホ!(ドイツ)が中止、5月29~31日に開催予定だったUKゲームエキスポ(イギリス)が8月21~23日に延期することになっている。6月17~21日に開催予定のオリジンズ(アメリカ)は5月1日に開催の可否を判断するとしている。
マーダーミステリーの実況動画、ネタバレ問題で公開停止
グループSNE/cosaicが発売しているマーダーミステリーゲーム『九頭竜館の殺人』について、人気Youtuber「東海オンエア」が実況動画を配信したことにネタバレとの批判が相次ぎ、公開が停止された。この影響で大阪のマーダーミステリー専門店「フーダニット」はこの作品について公演休止を決定している。
マーダーミステリーは昨年から注目を集めている正体隠匿の推理ゲームで、各プレイヤーには殺人事件の登場人物が割り当てられ、会話を通して情報を集めて真犯人を探す。それぞれの登場人物の背景や、事件当日の行動などがシナリオに沿って設定されており、まるで推理小説の世界に入ったような体験ができる。結末は最後に発表されるが、一度知ってしまうとその作品はもう遊ぶことができないネタバレ厳禁のゲームだ。
「東海オンエア」は19日に実況動画「【ネタバレ注意】人生で一度しかできないボードゲーム 「マーダーミステリー」やってみた生配信」を公開。ネタバレについてはタイトルやコメント欄で再三注意を喚起していたが、翌日、グループSNE/cosaicの公式ツイッターで「現在弊社商品のプレイ動画が上がっているということで確認調査中です」という告知があったため、許可を得ていないことが明らかになり、ネットで批判が相次いでいた。
グループSNE/cosaicは公式サイトに「プレイ動画やリプレイ記事の配信やアップロードはできるだけやめていただきますようよろしくお願い申しあげます」「どうしてもプレイ動画、リプレイ記事等を作りたい方は下記に記載されておりますアドレスまでご連絡くださいませ」と記載している。
22日には大阪のマーダーミステリー専門店フーダニットが「動画投稿におけるネタバレの存在により、ネタバレを知ってしまった参加者が混ざってしまう危険を考慮し、(『九頭竜館の殺人』の)公演を休止します」と発表。この間も動画の再生数は150万回を超えていたため、批判は更に強まった。24日、グループSNE代表の安田均氏が、東海オンエアからの連絡は20日からあったが三連休を挟んで返事ができなかったという対応の遅れを認めると共に、東海オンエアが動画を公開停止とする連絡があったこと、これ以上の措置は取らないことを明らかにした。
マーダーミステリーに限らず、近年のボードゲームには謎解き・脱出ゲーム系が人気で、ネタバレには敏感になっている人も多い。今回の一件はまるごと2時間以上にわたって配信してしまった極端な例だが、ちょっとした感想でもネタバレと取られることもある。なお、グループSNE/cosaicは公式サイトで「ネタバレを含まない紹介については大歓迎です」と記載している。
・cosaic:パッケージ型マーダーミステリー公式サイト
・流行りのマーダーミステリー炎上問題について(小田ヨシキ/グループSGR)
・livedoor news:東海オンエア、重大なネタバレ動画で炎上 ゲーム公式も注意喚起