問題となったのは、タイム・エデュケーション社(韓国)が昨年夏に発売した『クイックリー・イコーリー(Quickly Equally)』。裏表で模様の異なる9枚のタイルをカードの通りにいち早く並べるという内容で、模様が異なり、木製タイルで大箱というほかは『ナインタイル』である。韓国のほか、ベトナムで販売されている。
これにインディーボードゲーム出版社「アンダードッグ・ゲームズ」(韓国)が「違法コピー」であるとして糾弾。韓国では龍、鳳凰、犬、鳥という特殊カードを含むトランプが販売されており、これは『ティチュー』の無断コピーではないかと指摘したところ、「ナインタイルズとクイックリー・イコーリーというゲームについてどう思いますか」と尋ねられ、初めてこのゲームの存在を知ったという。
アンダードッグ・ゲームズは「教育」を社名に掲げる出版社からこのような作品が発売されていたことを知り、「こんな恥ずべきことが今も韓国で起きていることが恥ずかしくて腹が立ちます」とツイート。英語・日本語で拡散した。
しかし『ナインタイル』はJ.C.ペラン氏(ルクセンブルク)の作品であり、オインクゲームズは韓国での版権をもっていない。一方、韓国の正規ライセンス版は『クッキーボックス』で、コリア・ボードゲームズ(韓国)から2016年に発売されている。したがって『クイックリー・イコーリー』は、ゲームデザインの版権をJ.C.ペラン氏に、グラフィックデザイン(正確には模様が違うので判断は難しい)の使用許可をオインクゲームズに取る必要があることになる。
コリア・ボードゲームズのスタッフを務めるL.ショイバー氏は、この件について社内で話し合ったものの、メカニクスに著作権はないため対抗措置がとりにくいという。しかしその間に、タイム・エデュケーション社は数日以内に展示・広告・販売の中止手続きを行うとし、状況を確認次第、廃棄または正規ライセンス取得を目指すとしている。
韓国のタイムエデュケーションという会社で「Quickly Equaly」というゲームを作りました。
このゲームは,2015年に日本のオインクゲームズから発売されたナインタイルの違法コピーです。
こんな恥ずべきことが今も韓国で起きていることを恥ずかしくて腹が立ちます。 pic.twitter.com/6uZoLN9Z8u
— KIMKUN@UnderDogGames (@dareyaome) April 16, 2021