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パンデミック:レガシー シーズン1(Pandemic Legacy Season 1)

ウィルスから地球を救う長い戦い
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コロナ禍を鬱憤を晴らすべく、買ったまま積んであった『パンデミック:レガシー シーズン1』を集中的にプレイ。1回のゲーム会で3ヶ月分ぐらいずつ進め、最後は合宿にして12月分を終えた。ネタバレなしでレポートしたいと思う。
協力して世界に蔓延する4つのウィルスの特効薬を作り、世界を滅亡から救うという設定は『パンデミック』基本セットから引き継がれている。公式に発表されているこのゲームの追加要素は、「12ゲームのキャンペーンでゲーム世界内での12ヶ月をプレイ」「ゲームの展開によってさまざまな追加要素がシークレットボックスから登場」「キャラクターの能力やゲームボード(世界の様相)、そしてルールの書き換え」である。
最短12回でゲームはクリアできるが、失敗すると1回だけやり直しができる。今回は6回失敗したので合計18ゲーム。複数の達成目標があり、それを1つだけ達成できれば負けてもいいという捨て身の展開もある。一手番の差でぎりぎり勝利ということも何度か。2回連続で負けると強制的に次の月になるが、今回は幸い、2回連続負けはなかった。
シークレットボックスから出てくる追加要素はどれも、達成難易度を上げるものばかりだ。しかしキャラクター側にも新しい能力が加わり、ゲームはどんどんダイナミックになっていく。余裕で勝てるという展開はまずなく、ちょっとの油断が敗北を招くが、今までできなかったことができるようになっていく成長の喜びがある。
勝っても負けても、ゲームボードにシールを貼ったりして不可逆的に様相が変わる。新しいアクションが追加され、ルールも複雑になっていくが、ゲームごとに重点的なものがあるため、プレイしにくい感じはしない。特効薬を作るという作業は毎回あり、その上でもう1つか2つの目標に取り組むというマルチタスクである。
現実にはありえないことだが、勝っても負けてもボード上のコマがリセットされ(ループする感じである)、ボーナスとしていろいろなアドバンテージがもらえる。また負けがこむとプラスのイベントカードが増え、クリアしやすくなるので、手詰まりになって最後まで行き着かないことはないだろう。このような「救い」がカタルシスを生み出し、ゲームに熱中させる。現実を完全にシミュレートしていたら多分、途中で白旗をあげることになるはずだ。
さすがBGGで『グルームヘイヴン』が出るまで総合・テーマ・戦略の全部門で1位だっただけのことはある。最終成績は734点/1000点。余韻に浸る間もなく、我々は『シーズン2』を開始した。
Pandemic Legacy Season 1
ゲームデザイン・R.ダヴィオー&M.リーコック
イラスト・C.クイリアムス
ズィーマンゲームズ+ホビージャパン(2015)
2~4人用/13歳以上/60分(×12回)

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日時計のダイスドラフト『テケン:太陽のオベリスク』日本語版、8月上旬発売

テンデイズゲームズは8月上旬、総合戦略ボードゲーム『テケン:太陽のオベリスク(Tekhenu: Obelisk of the Sun)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・D.タッシーニ&D.トゥルチ、1~4人用、14歳以上、60~120分、7000円(税別)。
『テオティワカン:シティオブゴッズ』のデザイナーコンビによるエジプトテーマの戦略ボードゲーム。オリジナルはボード&ダイス社(ポーランド)によるもので、今夏世界同時発売となる最新作だ。神を称え、都市を発展させて勝利点を競う。
メインシステムはダイスドラフトで、手番ごとにボード上に置かれたダイスを取り、ダイスの置かれていた場所に対応するアクションを実行する。
アクションはラーやオシリスなどエジプトの神々に割り当てられており、「彫像を建てる」、「工房を建設する」、「都市を発展させ人口を増やす」、「円柱を建てる」、「住人の幸福度を上げる」など多岐にわたり、得点、パラメータ、生産力、便乗、タイル配置パズル、特殊カード、マジョリティ争いといった要素が綿密に絡み合っている。
ゲームボード中央にある「オベリスク」がこのゲームの大きな特徴。ダイスが置かれているオベリスク周囲のマスは日時計を表しており、日向、薄暗がり、日陰が移り変わることで「純粋なダイス」と「汚れているダイス」ができる。このバランスも考えてダイスを選ばなければならない。
1人用ルールや早見表も含めルールブックは32ページ。今夏一番のゲーマーズゲームの登場だ。
テンデイズゲームズ:テケン:太陽のオベリスク