トリケータ(Triqueta)

4枚目でバーストの駆け引き

Triqueta

S.ドラの大ファンで作品のほとんどを所有している。『ブクブク』『メディナ』『フォーセール』など、極めてシンプルながらインタラクションが気持ちいい作品がドラの魅力で、寡作なので集めやすい。

そのドラとエッセンで会ってこのゲームにサインをもらった。「あなたの作品をほとんど全部持ってます!」「じゃあ『パシャ』は?」「『パシャ』も持ってます!」「あれはレアな作品なんだ、コンテナがロストして世の中に200個しかないんだよ」「私、ほとんどエッセンに来てますけど、お会いするのは初めてです。お仕事であまり来られないんですか?」「いや、私もほとんど毎年来てるんだけどね・・・」宣伝が足りなかったのか、他にファンがあまりいなかったので、じっくりファントークをすることができた。

『トリケータ』は春の新作だが、日本に入ってきていなかったので、拡張セット『隠れ狼』も含めてエッセンで購入した(サインをもらうにはちょうどよかった)。五角形の木製タイルが特徴的で、場札には5枚を花びらのようにして重ね、取札では3枚組にできる。

手番には場からタイルを1枚引き、場の好きな列に加えるか、いずれかの列を取って抜ける。『コロレット』のような流れである。引き取ったタイルは自分の前に置いて、種類別に1枚なら1点、2枚なら2点、ちょうど3枚にすると額面通りの得点になる。でも4枚になると得点は消えて一気にマイナス。

序盤に3枚組を作ってしまうと、そのタイルがある列は引き取れなくなる。そのため、タイルをどの列に置くかでものすごい駆け引きが生まれる。自分だけがほしい列を作れば他の人に妨害される。妨害の応酬にならないよう、Win-Winの列をみんなで作っていきたいところだが、引いたタイルがそれを許してくれないことも。引いたタイルをゲーム中2回までプールしておける(最後に自分のタイルに付け加えてもよいし、破棄してもよい)ので、ここぞというところで使いたい。

最後に残った列を取ると、次のラウンドのスタートプレイヤーになれるほか、ゲーム終了時に1点になる樹木タイルがもらえるので、できれば最後まで残りたいところだが、余計なタイルを取らなければいけなくなる可能性もあるジレンマ。終盤は、1枚も取らないで抜けるという選択肢すらある。

拡張セット『隠れ狼』では、各ラウンドのタイルの一番下に黒タイルがあり、最後まで残って集めると高得点の狼セットが作れるが、他の動物タイルの可能性もあり、バーストするリスクは確実に高まる。むしろ1種類くらいバーストしても狼を集めるほうが得策か、さらに悩ましい。

Triqueta/Triqueta: Hidden Wolves
ゲームデザイン:S.ドラ&R.ツァリンデ/イラスト:A.ヘラー
ディーププリントゲームズ(2023年)
2~5人用/7歳以上/20~30分

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