最高気温19℃という11月下旬にしては温かい秋晴れの中、東京ビッグサイト西展示棟1・2ホールにて「ゲームマーケット2021秋」が開催された。
前回の「ゲームマーケット2021春」は、東京都がまん延防止等重点措置を発令したときに行われたため、2日間の参加者は12500人。しかし9月から感染者が激減し、今月から政府によるイベントや飲食の人数制限が解除され、早期入場券1500人は完売、入場券付きカタログの売れ行きもよかったという。目標は2日間で20000人というが、どうなるだろうか。
早期入場チケットを入手できた1500人の待機列がこちら。少数販売・限定販売を求めて7時頃から並び始め、11時の開場を待った。
早期入場チケットはコロナ禍で密を避けるために他イベントでも行われており、ゲームマーケットでは前回の2021春から始まった。人数が限られているため早朝から並ばず、余裕をもって楽しんでもらいたいという主催の狙いがある。
そしていよいよ開場の11時。恒例のアナウンスに皆の拍手とともに、この時を待っていた猛者たちが会場の中に散ってゆく。ちなみにこの1500人の中で子ども連れは5組ほど。その後もカップルを見ることはあっても子ども連れはほとんど見かけなかった。
1列で前後の間隔を開けての入場だったため、1500人が入りきるまでに25分を要した。12時から一般入場(12時時点で300人ほど)も始まったので、最後に並んだ早期入場者には30分ほどしかアドバンテージがない。
ところで今回から、開場時間が1時間遅い11時になった。この理由はエリアブースの設営である。会場は当日の0時から入ることができるが、エリアブースの拡大に伴い、開場までの10時間では厳しいところも出てきたため、1時間遅らせたという。エッセン・シュピールでは前々日から会場設営が始まるが、ゲームマーケットで同じことをすれば出展料がさらに値上がりしてしまう。
一方、地方からの出展者がいることも考えて終了時間は17時のまま。来場者にとっては1時間短く、広い会場を見て回るのは駆け足にならざるを得ない。
西2ホールのエリア出展。engames×コロコロ堂、すごろくや
この写真では比較的空いているように見えるが、行列はあちこちでできていた。ジーピーでは特賞カタン3D版が当たる「1000円ガチャ」を実施。末等でも2000円相当のゲームが当たるという大盤振る舞いで、1人2回までという制限があったにも関わらず午前中で終了。
ジーピーの「1000円ガチャ」
ゲームストア・バネストでは『ブーンレイク』『フリーライド』など、先月開催されたエッセン・シュピールの新作を持ち込んだ。いずれも用意できた数は50ちょっと。こちらも大人気で待機列が壁際まで伸びた。おすすめは、ソロでもできる台湾のトリックテイキングゲーム『マカロン』だという。
エッセン・シュピールの新作を間に合わせたバネストの中野氏
しかし本当に混雑していたのは、通路の広いエリアブースではなく一般ブースである。ブース前に人だかりができてブースの展示物が見えず、通り抜けようにも前が渋滞していてなかなか進まない。ゲームがたくさん入ったカバンがぶつかったり、ふっと汗の匂いがしたりして、コロナ前のゲームマーケットが帰ってきた感じがした。
話題といえば長崎のボードゲームカフェ「サニーバード」の『ファクトリア』と『ファストスロース』。12月上旬の一般発売に先駆けてゲームマーケットに間に合わせた。
今回の新しい動きとして、ブックオフの会場中古買取がある。予め公開していたリスト1500タイトルについて、検品の上状態をみて買い取る。事前予約では150人ほどが申し込んだという。今後、一次(新作)流通の下支えになるよう、全国のブックオフに広げていきたい考え。
おなじみのブックオフで中古ボードゲーム買取
マーダーミステリーは9社合同でエリアブースを出し、委託作品も含めて合計70タイトルを販売。この他に同人作品も含めると、今回100タイトル以上のマーダーミステリーが発表されたとみられる。
マーダーミステリーブースの先陣に立つディアシュピール川口氏
BakaFire Partyは『惨劇RoopeR』発売10周年を記念してブース内に洋館を再現。拡張セットを新発売している。
惨劇RoopeRの発売10周年の洋館セット
ブースではデザイナーのみなさんが自ら作品を説明して手売り。一般ブースでの試遊がない分、詳しく説明してもらえるのがありがたい。
デビュー作『ボックスのかんじ』の阿曽山大噴火氏。
今回もぎりぎりで時事ネタをぶちこんできた北条投了氏
カナイセイジ氏はマニフェストデスティニーとのコラボで新作を発表
『横濱紳商伝』を微調整して再版したOKAZU Brandの林尚志氏
個々のゲームについては、週明けにお伝えしていきたい。