- ゲムマもシュピールも中止
今年は年明けからのコロナ禍により、世界中でほとんどのボードゲームイベントが史上初の中止を余儀なくされた。ゲームマーケットは3月の大阪と4月の東京が中止になったほか、6月のオリジンズ(アメリカ)、8月のジェンコン(アメリカ)、10月のシュピール(ドイツ)も中止に。そのような中、11月にゲームマーケット2020秋は厳重な感染対策のもと開催され、愛好者が久しぶりの再会を喜びあった。
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税込110円でボードゲームが買える時代に。11月よりダイソーで『回転寿司ポーカー』『オーダーピザーラ』『変顔マッチ』『イロピッタン』を皮切りにこれまで12タイトルが一挙発売。ゲームマーケット発の作品も多く、全てにゲームデザイナーがクレジットされており、質の高い国産オリジナル作品が一般層に普及することへの歓迎と、十分の一以上違う安価で提供される不安が入り混じった声が寄せられている。
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『鬼滅の刃』でドンジャラもオセロが発売される中、アークライトからは『五等分の花嫁』と大気圏内ゲームズのコラボ作品『花嫁が多すぎる』、『Dr.STONE』とカナイセイジ氏のコラボ作品『Dr.STONE ボードゲーム 千空と文明の灯』などIP(知的財産)を使ったボードゲーム発売され、作品のファンから注目が集まった。ほかにもオインクゲームズは『ナインタイル』のサイリオキャラクターズ版とムーミン版を発売するなど、有名なIPが選ばれるようになってきている。
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4月から1ヶ月以上にわたって出された全国緊急事態宣言でステイホームが推奨され、家族で過ごすツールとしてボードゲームに注目が集まった。『人生ゲーム』が長らく品切れになり、ボードゲームを扱う書店やネット通販大手は大幅な売上増を報告。東日本大震災後の「節電でボードゲーム」以来のブームとなった。また友人同士でZOOMを使ったリモートプレイを行うグループが増え、「テレゲーム研究所」や「よしもとボードゲームブ」など、新しいYoutubeチャンネルも立ち上がった。
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トリックテイキングという愛好者の多いカードゲームのジャンルと、協力ゲームという近年のトレンドを合わせたカードゲーム『ザ・クルー』がドイツ年間エキスパートゲーム大賞、ドイツゲーム賞1位、アラカルトカードゲーム賞1位の三冠に輝いた。この三冠は、2011年の『世界の七不思議』以来9年ぶり2回目。小箱の作品としては史上初となる。日本での人気も高く、12月に行われたオールタイム・ベストゲーム投票「The One Hundred」では『テラフォーミング・マーズ』に続いて2位に入った。
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ドイツのボードゲーム普及団体「シュピールカフェ・デア・ゲネラツィオーネン」が10月、社会活動コンテストで連邦首相特別賞を受賞した。コロナ禍で中止となったエッセン・シュピールに代わって行われた「シュピール・デジタル」の初日に発表が重なり、メルケル首相がビデオレターで「ボードゲームは単なる娯楽ではない」と述べたことが関係者への大きな励ましとなった。
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『ハイパーロボット』のルールに酷似しているという指摘を受けて投げ売りされた『えんとつ町のプペル ボードゲーム』、アークライト社の抗議により公開停止となった『グルームヘイヴン』のサポートアプリ、ダイソーから発売された『TOKYO DOVES トウキョウのハト エサバ・バトル』への『宇宙将棋』作者からの抗議(和解済み)など、今年も権利関係のトラブルが相次いだ。故意か偶然か、どれくらい類似しているかという判別の難しさもあらわになった。
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原書の段階から国内で話題となっていたアメリカのボードゲームデザイン事典が10月に翔泳社から発売。ボードゲームデザイナーだけでなく、愛好者やデジタルゲーム開発者からも注目され、3980円という高額書にもかかわらず初版3000部が即日品切れとなった。
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全国緊急事態宣言で多くのボードゲームカフェ・バーが営業自粛を余儀なくされた。国内のボードゲームカフェは東京都内・大阪府内で4割以上を占めるため、感染拡大の影響を大きく受けている。愛知のブックオフがボードゲームカフェをオープンするなど、新規オープンのペースは39件とあまり落ちなかったが、クラウドファンディングで継続のための資金を集めているところもあり、長引くコロナ禍で先行きは不透明だ。
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昨年で終了したゲームマーケット大賞に代わって、今年からアークライト・ゲーム賞が始まり、トリックテイキングゲームの『ドキッと!アイス』が第1回の最優秀賞に選ばれた。今度はアークライト社内のボードゲーム制作部門スタッフが選考し、1年以内に同社から商品化される。もうひとつ、来場者の投票による「ゲームマーケット・セレクション」もスタートしたが票数が伸び悩んでおり、まだ発表されていない。
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