ボードゲームジャーナリストやボードゲーム評論家の審査員10名によって選出されるボードゲーム賞。今年はコロナ禍により、ノミネート作品のデザイナー、イラストレーター、出版社の代表は多くがオンラインで参加し、その様子がストリーム配信で中継された。
先に発表されたのはエキスパートゲーム大賞。10回目の大賞に選ばれたのは『ザ・クルー(Die Crew)』。ミッションを次々と達成していく協力型のトリックテイキングゲームで、昨年のエッセン・シュピールでコスモス社から発売された。日本語版は今秋、ジーピーから発売される予定。
ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)2020
ザ・クルー(Die Crew)
ゲームデザイン・T.ジング、イラスト・M.アームブルスター
出版社・コスモス
3~5人用、10歳以上、20分
TGiWレビュー:ザ・クルー
審査委員会は「『ザ・クルー』は協力トリックゲームであり、それだけで特別なものです。しかし、魅力はこのユニークなセールスポイントだけではありません。これまでのゲームの中で、トリックゲームの特別な魅力をここまで引き出すことができたゲームはほとんどありませんでした。非常にカジュアルな方法で、このジャンルの機微に対する感覚が研ぎ澄まされると同時に、プレイヤーは独自の方法で挑戦していきます。『ザ・クルー』はトリックゲームの宣教師でもあり、指導者でもあります。本当に素晴らしい宇宙の旅です。」とコメントしている。
そして赤ポーン、ドイツ年間ゲーム大賞の発表となり、今年の大賞には『ピクチャーズ』が選ばれた。棒きれと石やキューブで写真を表現して当ててもらうコミュニケーションゲームで、不自由な表現方法の中で見立て力が試される。昨年のエッセン・シュピールでPD出版(ドイツ)から発表された。日本語版はホビージャパンから発売される予定となっている。
ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)2020
ピクチャーズ(Pictures)
ゲームデザイン・D.シュテール&C.シュテール
イラスト・D.マイヤー、出版社・PD出版
3~5人用、8歳以上、20~30分
TGiWレビュー:ピクチャーズ
審査委員会は「『ピクチャーズ』の中の素材のセットは、一見無造作に見えますが、実際には巧妙に選ばれています。それぞれのセットは異なる方法でプレイヤーに挑戦してくるので、実験的なインセンティブは非常に大きいです。結果は驚くことが多く、そのため予想ラウンドはまるで美術展を訪問しているようです。誤解された芸術家の天才が、ハッとする瞬間と説明を試みるのが愉快です。シンプルで素晴らしい創造力です。」とコメントしている。
ドイツ年間キッズゲーム大賞の発表は先月15日に発表され『スピーディロール』が大賞に選ばれている(TGiWニュース
・Spiel des Jahres:Die Gewinner 2020 stehen fest