ドイツのボードゲーム普及団体「シュピールカフェ・デア・ゲネラツィオーネン(Spielcafé der Generationen、全世代のボードゲームカフェ)」が22日、社会活動コンテスト「シュタートゾツィアル(Startsozial、始めよう社会活動)で連邦首相特別賞を受賞した。メルケル首相がビデオレターを公表し、「ボードゲームは単なる娯楽ではない」と述べている。
「シュピールカフェ・デア・ゲネラツィオーネン」は2017年に設立された。年齢も社会的背景も違う人たちが集まって、一緒にボードゲームをすることにより、相互理解や社会の結束力を強化することを目指し、毎月数回、平日夕方にボードゲーム会を開いている。特に高齢者の参加を促し、老後の孤独を解消しようとしてきた。現在、コロナ禍により同会はボードゲーム会を開いていないが、代わりにオンラインのプログラムを提供している。
「シュタートゾツィアル」は今年で16回目を迎えるドイツ全国のコンテストで、首相後援で社会参画とボランティア活動の強化を目的としている。今年は障害児支援やアフリカ支援など7団体が受賞し、それぞれ5000ユーロ(62万円)の賞金を獲得している。
今年はコロナ禍で表彰式は行われず、メルケル首相はビデオレターを公開。コロナ禍によるソーシャルディスタンシングや娯楽の延期・中止が続く中、「ボードゲームは単なる娯楽以上のものがある」「一緒にボードゲームを遊ぶことで結束も強まることに結びつけた素晴らしい取り組み」と讃えている。また、発起人で元代表のP.フクス氏は「ボードゲームを遊ぶことには重要な意味があり、それが今、認識されつつある」と語る。
受賞の報はシュピール・デジタルの初日と重なり、シュピール・デジタルの公式配信でも取り上げられた。