いい日旅立ち
各プレイヤーには都市カードが配られ、今回つなぐ5つの都市が指定される。自分の手番が来たら好きなところから線路コマを2本まで置き、これを繰り返して誰かがいち早く全部つないだらラウンド終了で得点計算。ほかのプレイヤーが伸ばした線路に合流すると、それらの線路も使えるため、スピーディなゲーム展開が楽しめる。
オリジナル版はラウンド終了時に足りなかった線路の数だけ失点になり、失点の少なさを競っていたが、今回は線路が足りないと得点が減り、その得点で自分の列車コマをゴールに進めるというポジティブなものとなっている。
2002年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品は『ヴィラパレッティ』『プエルトリコ』『トランスアメリカ』の3タイトルで、結局『ヴィラパレッティ』が大賞に選ばれたが三者三様、後世に残る傑作だったと思う。久しぶりにプレイしてみて、当時のワクワク感が甦ってきた。
「その都市、どこ?」といちいち探していたアメリカマップと比べ、日本マップになって地理感があるのはゲームに良い影響を与える。北海道、関東、北陸、東海、九州四国沖縄という5つのエリアから1つずつ都市が指定されるため、みんなが日本列島を縦断する鉄道を引かなければならない。
多くが共通の路線になるときにポイントとなるのが、線路をどこから引くか。中心となる関東と、狭い北海道は路線が共通しがちなので、その辺りはできればほかの人に引いてほしい。都市間の距離が長く、共通の路線ができにくい九州四国沖縄、北陸あたりから始めるか、その近くから伸ばして誰かが相乗りしてくれるのを待つかといった戦略も取れる。太平洋側から日本海側の連絡がカギのようだ。
長野近辺などに広がる山、北海道に上陸する際の海は、1手番で引ける線路が1本だけになる。ゲーム上の戦略だけではなく、そこから始まる日本の地理談義も盛り上がって楽しめた。
トランスジャパン(Trans Japan)
ゲームデザイン・F.B.デロンシュ/新マップ作成・安田均/アートワーク・TANSAN
グループSNE/cosaic(2019年)
2~6人用/8歳以上/30分