婚活イベントにボードゲームの発想を応用できた話
最初にイベントの目的を説明。相手のリストを渡し、最後にマッチングしてもよいと思った人をマークして、マッチング(両思い)のカップルを発表する。ここでカップルになることが婚活イベントの目的である。そのためには雑談を楽しむだけではなく、意中の相手を見つけ、その相手にアプローチしなければならない。そこで最初に、参加者全員に目標の意識付けを行っておくと、目的が達成しやすくなる。
今回のイベントの内容は自己紹介、クラフト、ミニゲーム、フリートーク。各フェイズには、緊張を解きほぐし、リラックスしつつ気が合いそうな相手を探し、自己アピールしていくという小目的がある。その小目的は明示しないが、そうなるように会場の雰囲気を整え、適宜スタッフが働きかけた。
自己紹介は4~5人のグループで行ったが、事前の説明とタイムマネージメントが重要。1回につき何分あるのか、どんな内容で、誰からどの順に自己紹介するのか、全員の自己紹介が終わったら時間まで何をするのか予め伝え、終わってからはどのテーブルに移動するのか指示した。慣れない1回目は少し長めに時間を取って、2回目、3回目と少し短くしてみた。このように手番があるものとなると特に、ボードゲームの経験が活きる。
クラフトは専門の先生が担当したが、こちらも人によって早い遅いがあるのでタイムマネージメントが重要だ。完成させることが目的ではないので、時間切れになったらスタッフが残った部分を完成させるようにした。ミニゲームも、ゲームを楽しむことが目的ではないので、今回は簡単に○✕クイズゲーム。これまで『フラッシュ』『詠み人知らず』『ベストフレンド』などの紙ペン系を遊んでもらったこともあるが、ルールの理解に手間取る人が多く、フリートークの時間が短くなってしまう。
クイズは、イベントの主旨に関連付けて、次のようなものを用意した(正解は省略)。
- 令和3年に山形県内で結婚したカップルは3000組以上いる
- 全国で18~34歳の未婚男女はどちらも6割以上交際相手がいない
- 日本の平均初婚年齢は今、男女とも30歳以上である
- 山形県で理想とする子どもの数は「2人」が最も多い
フリートークでは、その後にマッチングシートに印をつけてもらうことを再び説明し、積極的なアプローチをおすすめした。ボードゲームも、最初に目的を説明されていても終盤にもう一度確認しておいたほうがよいものだ。
マッチングシートに記入するとき、参加者が多くて誰が誰だか覚えていられなくなるのはよくある話。そこで今回は予めA4の自己紹介シートを作ってきてもらい、受付時にチェキで撮影した写真を貼ってもらって掲示した。これで相手を間違わずに印をつけられる。複数の相手に印をつけるため、三角関係(それどころか四角関係以上)になる可能性があったが、その場合は◎優先、女性優先、それも同じなら年齢が若いほうということにした(この集計方法は発表していない)。タイブレイクの発想である。
結果、32人が参加したイベントで5カップルが成立。良い成績だったのではないかと思う。それもあるが、タイムテーブル通りにスムーズに進み、終了予定時間ぴったりに終わったのが気持ちいい。参加者が帰ってからは協力ゲームのように、スタッフ皆でお互いのサポートを称え合った。カップルになった方もそうでなかった方も、幸多からんことを祈念している。