トランペット(Trumpet)
戻すルールで白熱
トリックを取ってコマを進めるレースゲーム。タイトルはトランプ(切り札)と楽器のトランペットをかけているのだろう。
マストフォロー※1でトリックテイク※2をして、取った人が自分のコマを進める。紋章のあるマスに止まるたびに切り札のスートの指定ができ、6つのスート※3で切り札のランクが決まる。スートは6つもあるから、フォローできず切り札を出す可能性は高い。ころころ変わる切り札のランクの中で多くトリックを取るには、手札を出す順番を考えていかなくてはならない。
このゲーム、3年後に『アーサー王の円卓(König Arthus Tafelrunde)』というタイトルでリメイクされた(レポートはこちら)。その際に作者が変わっているが、ルールに2点、変更が加えられている。
ひとつはスーパートランプが1種類しかないこと。同じラウンドに複数枚が出たら、後から出したほうが勝つ。もうひとつはゴール直前のイエローゾーンの存在。ここでトリックを取ったら、自分が進む代わりにほかの人のコマ(つまりトップ)を戻すことができる。少しゲーム時間が延びる分、抜きつ抜かれつの白熱した戦いが楽しめる。
くさのまさんとデッドヒートを繰り広げ、戻したり戻されたりしていたが、写真撮影のため見せ札になったのを捉えてゴールイン。だんご状に進むのが効率がよいため、置いていかれるとつらいが、レースゲームの興奮がトリックテイクにつながって、テンションの上がるゲームだった。
一応解説
※1 マストフォロー…最初の人が出したスートを持っていれば、嫌でも出さなければいけないルール
※2 トリックテイク…最初の人から全員1枚ずつカードを出し、数字の大きい人や切り札を出した人などが全取りするカードゲーム
※3 スート…カードの色やマーク。トランプでいえばスペードやダイヤなどがこれにあたる
Trumpet
P.オーベーンズ/マテル(1990年)
2〜6人用/9歳以上/45分
アラカルト・カードゲーム賞2009も『ドミニオン』、三冠達成
アラカルト・カードゲーム賞はドイツゲーム賞と同じく1991年から始まり、今年で19回目を迎える。ドイツ年間ゲーム大賞とドイツゲーム賞が大箱のボードゲームに偏るのに対して、安価で小箱のカードゲームに脚光を当てている。過去に1位を受賞した作品では『ニムト』がドイツゲーム賞に選ばれたきりで、ドイツ年間ゲーム大賞はノミネートどまりだった。
『ドミニオン』は500枚のカードが入った大箱ゲームで、ゲームとしての面白さだけでなく、分量の大きさも三冠達成につながったと見られる。また単体でも遊べる拡張セット『陰謀』も3位に入り、今年のドミニオン旋風を物語るものとなった。
【アラカルト・カードゲーム賞2009】
1位:ドミニオン
2位:ビザンツ
3位:ドミニオン:陰謀
4位:モウ(Mow / ハリケーン)
5位:ポイズン
6位:モノポリー・ディール(Monopoly Deal / パーカー)
7位:ミステリー・ラミー”ジャック・ザ・リッパー”(Mystery Rummy – Jack the Ripper / ペガサス)
8位:ウルク(Uruk / DDD)
9位:見積もってみて(Schätzen Sie mal / フッフ)
10位:サーカスマキシムス(Circus Maximus / ペガサス)
(リンク先:購入できるサイト、ない場合はレビューサイト)
・Fairplay Online:À la carte Preis 2009