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自宅ゲーム会

梅雨の日曜日、自宅ゲーム会を開催。2週間前に行われたゲームマーケットの新作を中心に遊んだ。遠路お越しいただいたのは、くさのまさん、carlさん、神尾さん、ぽちょむきんすたーさん、nagaさん、鴉さん、スネークさん。震災後、コミュニケーションゲームばかり遊んでいるような気がするが、嬉しいことに、ゲームマーケットでもコミュニケーションゲーム、パーティゲームが多く発売された。
擬人化総選挙(OKAZU Brand)
耳とか土曜日とか専門学校とか、人間でないものがエントリーする選挙で、お題に合わせてどれが一番かを皆で決めるゲーム。最初は途方にくれそうになったが、そのモノのどこをクローうアップするかでだんだんコツが分かってきた。
グッドプライス!(OKAZU Brand)
値段に合ったアイテムを提案するゲーム。1500円・コート→しまむらのコート、7万円・大根→レディ・ガガが八百屋で買った大根とか。適正価格であるだけでなく、みんながほしがりそうなアイテムにするところがポイント。大喜利系でセンスが問われる。
ろくでなし(Fiesling / フッフ&フレンズ)
「しつこい」「品行方正」などの性格がどれくらい合うかでヒントを出して、プレイヤーの誰がお題かを当ててもらうコミュニケーションゲーム。ダイレクトにプレイヤーをいじるので戸惑いもあったが、第一印象でも勝負できることが分かるとどんどん盛り上がった。
未確認生物テレビ(ピグフォン)
見たこともない生き物をスケッチして、お題に合わせてリポートするゲーム。スケッチはシャッフルして配り直すので、誰が書いたか分からないところがポイント。でっち上げも限界を超えるような奇抜なスケッチに絶句する場面も。即興でしゃべる力が養われる。
CMソングメーカー(ゲームストアバネスト)
クライアントが提示した会社・団体に、作詞者が七五調でCMの歌詞を考えるコミュニケーションゲーム。歌詞は上の句と下の句を別の人が担当するので、思わぬマッチングが楽しい。無料で配布されたゲームだが、今回一番盛り上がった。
ぽんこつペイント(ぽんこつファーム)
お題を、直線と円だけで表現するイラストゲーム。画数が少ない人が優先だが、少なすぎると何を描いたか分からない。分からないときは、どんなに画数が多くとも分からない。イラスト力ではなく、図形認識力が問われるのか、チャレンジ魂を大いにくすぐられる。
ブロッカーズ(Blockers! / アミーゴ)
アルファベット・数字・図形に合うところに自分のタイルを置いて、できるだけつながるようにする配置ゲーム。ばらばらにやってくるタイルを、うまく整理してつなげるのは難しく、しかも盤面が狭くて終盤は悶絶。いいゲームだ。
クワークル(Qwirkle / シュミット)
内容はこちら。タイルをパターンが揃うように置いて得点するゲーム。パズルの楽しさと、麻雀のようなスリルが両方味わえる。
モンスター落とし(Monster-Falle / コスモス)
内容はこちら。通らなければいけない家具を毎回決めるバリアントで。大人がやると、先の先を読んでバーを移動するので早い…はずが急いでコマが倒れる。
もぐりイモムシ(Da ist der Wurm drin / ツォッホ)
内容はこちら。穴馬狙いをしてみたが外れて最下位。

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ルール和訳公開の是非(2)ヤフオクでの利用

前回のエントリーで、何人かの方と意見を交換しているうちに、ルール和訳公開の是非は主に2つの論点に絞られることに気付いた。
1.国内ショップへの影響
2.ヤフオク転売の評価
前回の考察は1に関するもので、そこまで義理立てなくとも国内ショップは大丈夫だという意見を紹介した。今回は2について。
ヤフオク出品者は大きく分けると放出と転売の2種類がある。前者は、遊ばなくなったゲーム(諸事情で未プレイということもありうる)を、収納スペースの都合などで出品するもの、後者は、自分では遊ぶつもりがないゲームを、海外から個人輸入してそのまま出品するものである。「転売」というとネガティブな響きがあるので、単に販売でもよい。
放出ではあまり問題にならないが、転売で公開ルール和訳をあて込むのは、「他人のフンドシで相撲を取る」みたいな道義的な批判がある。しかし私は、ゲーム供給の観点から、そのようには受け止めていない。
ヤフオクでゲームが売れる一因として、品切れや販売延期などで国内ショップの供給が追いついていないことがある。そういった機会損失をヤフオクが補って、ヤフオクがなければ手に入らなかったゲームが国内に投入されるのは、基本的によいことだと思う。
ルール和訳は、輸入の敷居を下げる。私がルール和訳を公開しているのは、面白いのでたくさんの人に遊んでほしいという思いからである。国内ショップで扱っていなかったり、海外でも絶版だったりするゲームが少なくない。多くの人はその時点で入手を諦めなければならず、私は単なるスノビズムを晒しているだけになってしまう。
しかしヤフオク出品者は、どこからともなく、しかも何個も探し出してきて出品してくれる。中には人気が高じてショップで一般発売されることもある。こうして広めてくれるのはありがたいことで、そのためにルール和訳を活用して頂けるのは嬉しい。
一方で、ヤフオクでの購入は個人輸入よりずっと楽なため、国内ショップの顧客が流出しやすいという問題はある。1に戻るが、ヤフオク出品の増加が国内ショップにどれくらい影響を及ぼすかは、また別に考えていきたい。また、転売は法的に問題ないのかも調査中である。
ルール和訳公開が国内ショップに与える影響