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メイフェアゲームズ、ルックアウトシュピーレを買収

メイフェアゲームズ(アメリカ)は今週、エッセン・シュピールの直前にルックアウトシュピーレ(ドイツ)の経営支配権を購入したことを発表した。ただしラリー・ロズナイ社長によると、当座はルックアウトシュピーレのゲーム制作に関与せず、各国語版のとりまとめと、英語版の販売に留まる見通し。
大企業が小さな出版社を飲み込んだということでなくて、対等な提携関係であることは、ロズナイ社長の着ていたTシャツからも分かる。表はメイフェアの「メイ」と、ルックアウトの「アウト」、裏はその逆に「ルック」と「フェア」と書かれていた。日本語版の制作も、これまで通りルックアウトシュピーレがデータの取りまとめや契約を担当する。英語版の販売がメイフェアから行われること以外、何も変更はないことをロズナイ社長は強調した。
これまでルックアウトシュピーレの英語版を制作・販売していたズィーマンゲームズについては、現在の契約が終わり次第、メイフェアゲームズとの契約に切り替えられる。また、メイフェアゲームズは『カタンの開拓者たち』などでコスモス社(ドイツ)と提携していたが、今後も継続しつつ、ルックアウトシュピーレに重点を入れていくという。
ルックアウトシュピーレにとっては、広大なアメリカ市場での展開を望めるだけでなく、これまで費用面から出展を見合わせてきたニュルンベルク玩具見本市など大きなゲームフェアにも出展できるようになり、ドイツ国内での展開も見込む。ルックアウトシュピーレのK.フランツ氏は、「メイフェアの人も我々も、ポジティブに捉えています」とコメントしている。
なお、注目の新作『カヴェルナ』はホビージャパンが日本語版制作を予定しており、『ブレーメンの港』などその他の作品も順次取り扱われることになっている。
Boardgamegeek News:Spiel 2013 Update: Mayfair Games Buys Lookout Games
メイフェアゲームズのロズナイ社長

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シュピール’13:開幕

10月24日から4日間にわたって、ドイツ北西部のエッセンにてボードゲームメッセ「シュピール’13(SPIEL ’13)が開催される。48000平方メートルの会場に39カ国から828団体が出展し、約15万人の来場を見込んでいる。
ドイツのボードゲーム産業は2013年9月までで前年同期比5%の売上増。多種多様なボードゲームを制作し、世界各国への輸出が売上増の一因となっている。特に近年業界を牽引してきたキッズゲームから、ファミリーゲーム・大人向けゲームが好調で10~15%の成長を遂げ(キッズゲームは8%の増、TCGは11%の減)、近年の好不調の境目となっている年間売上4億ユーロ(520億円)は越える見通しとなっている。
開催に先駆けて23日に記者会見が行われ、主催フリードヘルム・メルツ社のD.メツラー氏がシュピールの概要を説明。フッフ&フレンズ社の新作に登場するコメディアンのK.ヤナール氏が招かれ、ボードゲームへの思いを語った。
その後、注目の新作やドイツゲーム賞についてアナウンスがあり、記者会見の後には各社展示による新作プレビュー。また夜にはドイツゲーム賞の授賞式も例年通り行われた。

今年は改装工事のため、例年とは別のホールで開催される。駅も1つ先の「メッセ西」に

プレビューの入り口すぐに『ラブレター』ドイツ語版の展示。ペガサスシュピーレ

新作『グラスロード』と作者のローゼンベルク

日本ではすでに発売されている新作『スパイリウム』と作者のアティア

今年のドイツゲーム賞、3位以上のデザイナーと出版社