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ペントス(Pentos)

夢のメガロス
ペントス
Tric Trac: Pentos, de la partie
魔法の素材を集めて役を作るフランスのカードゲーム。手札0枚から始めて、カードを取っていって、結局0枚を目指すという哲学的な作品を作ったのは、B.カタラである。
自分の番には場からカードを取るか、役が揃ったカードを出して呪文を唱えるか。カードの取り方は、場札に補充して1枚取るか、補充しないで複数枚取るかのいずれか。役ができたら、そのカードを捨てて呪文を唱える。
呪文は3つしかない。一番簡単なのは「ミクロス」。同じ色の連続か、同じ数字で3枚あればよい。この呪文は、場札のスペシャルカードを取り、ワイルドカードになったり、残りの手札を捨てたり、場札から好きなカードを取ってきたりする。どのスペシャルカードにするかは、さらに大きな呪文を狙うか、手札を減らしてラウンド終了に備えるか次第。
「ペントス」は同じ数字5枚で唱えることができ、これでラウンド終了となる。このときほかのプレイヤーは手持ちのカードだけ失点。だから、5枚揃いそうにないときは「ミクロス」などでどんどん手札を減らしていくのがよい。山札がなくなったときには、誰かが手札をなくすとラウンド終了となる。
そして最後の「メガロス」は、1色全部を集めたら唱えることができ、そのプレイヤーがゲームに勝利する。麻雀の役満のようなもので、1ゲーム中に1回チャンスがあるかどうかというレアぶり。カードを集め始めたら警戒されるのでなおさらやりにくい。
同じ数字3枚のミクロスは、もうちょっと頑張ればペントスになる。ミクロスを打つか、もう少し待ってみるかは悩ましいところ。でも欲張ってはいけない。あと1枚引けばとか、どちらでもペントスできるように2種類集めてなんて粘っているうちに、ペントスを打たれて大失点になってしまう。集めていくか、減らしていくかの駆け引きがスリリングである。
攻めるときは一気にたたみかけ、守るときは素早く減らしたふうかさんの勝利。メガロスの欲望に負けた。
Pentos
B.カタラ作/アシンクロンゲームズ(2013年)
2~5人用/7歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:ペントス
ふうかのボードゲーム日記:ペントス

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ファイヤードラゴン(Feuerdrachen)

思わぬ方向に転がるルビー

噴火する火山から飛び出すルビーを集めるゲーム。金属製の火山に、ルビーを入れる音が気持ちいい。
手番にはサイコロを2つ振って、1つは出た目だけルビーを火山に入れ、もう1つは自分のドラゴン2体のうちどちらかを進める。サイコロで噴火マークが出たら、火山のふたをオープン。ざらーっとルビーが周囲に撒き散らされるので、またドラゴンを進めてそれを拾いに行く。最後にルビーを一番多く集めた人の勝ち。
ルビーが落ちているマスに行くと、そこにあるルビーを全部もらえる。でもルビーがないマスでも、ほかのドラゴンがいれば、ルビーを盗むことができる。相手の袋から中を見ないで1つ引く。ただの石だったらハズレだ。
大人げないポイント(キッズゲームを大人だけで遊ぶときの楽しみどころ)は、火山のふたの開け方である。好きな方向に傾けて開けてよいというのがルール。だから、自分のドラゴンがいる方向にルビーをまき散らす。その目論見はうまくいくか。
噴火の目がなかなか出なくて、ルビーがどんどん溜まっていくと盛り上がっていく。噴火の目が出て大喜びし、ふたをうまく傾けて自分のドラゴンの前に撒き散らす・・・と思ったら変な方向に転がっていってほかのドラゴンの前に。アナログならではの先の読めなさが楽しめた。
Feuerdrachen
C.E.ランツァヴェッキア作/ハバ(2013年)
2~4人用/5歳以上/20分
国内未発売