『フェレータ』日本語版発売
オリジナルは1998年にアドルングシュピーレ(ドイツ)から発売されたカードゲーム。アラカルトカードゲーム賞1位、ドイツ年間ゲーム大賞候補、ドイツゲーム賞7位となったほか、秘密職業選択システムは『あやつり人形(2000年)』や『モイタラ(2000年)』に引き継がれた。
ハイランドを舞台に繰り広げられる「鷹の家」と「薔薇の家」の戦で武勲をあげ、より多くのポイントを稼いだプレイヤーが勝利するゲーム。勝負の肝は自らの所属する家を裏切り、陣営を変更する「フェレータ(反逆者)」カードをめぐる推理と駆け引きが繰り広げられる。
プレイヤーは薔薇の家か鷹の家のどちらか側についている。戦争が起こったとき鷹が勝てば鷹側に勝利ポイントが入り、薔薇が勝てば薔薇側に勝利ポイント。各プレイヤーは自分の戦力カードを出して一騎打ちに臨む。しかしながらその陰で戦争に参加せずに耕作や建築をしていたり、さらには相手方の陣営に寝返ったりするチャッカリ者もいるのだ。どのプレイヤーがどの職業についたかは、全員がオープンするまで分からない。誰が裏切ったのか、誰が戦争に参加しないで戦利品だけせしめようとしているのか、読み合いと疑心暗鬼が渦巻く。
今回の日本語版に際して、遊べる人数の上限が、従来の4人から5人に増えたほか、日本語版オリジナルのスコアボードが付属。さらに2003年に限定で発表された拡張ルール用カード「傭兵(Söldner)」を収録し、決定版となっている。
・play:game評価コメントリスト:フェレータ
『コヨーテ』日本語版発売
今はなきキダルトゲームズ(イタリア)から2003年に発売された作品。作者は『ファブフィブ』と同じアルベルタレッリである。アラカルトカードゲーム賞7位、トリックトラック章ノミネート、日本ボードゲーム大賞(入門者部門)2位に選ばれ、2006年にラベンスバーガー(ドイツ)が『パウワウ(Pow Wow)』というタイトルでリメイクしたほか、現在までいくつかの出版社から再版されている。
プレイヤーは各自1枚の数字カードを引き、自分にだけ見えないようにもつ。まず一人が、ほかのプレイヤーのカードの数字を頼りに、全員が持っているカードの数字の合計を推理して、それを超えないと思う数をいう。同様にして時計回りに数字を上げていき、右どなりのプレイヤーのいった数が大きすぎると思ったら「コヨーテ!」と叫んで、全員のカードを真ん中に出し、答え合わせをする。右どなりのプレイヤーのいった数がカードの合計を超えていたらそのプレイヤーの負け、超えていなければ「コヨーテ!」をいったプレイヤーの負けとなる。3回負けたら脱落し、最後に残った人の勝ち。
ほかの人のいった数字から自分の数字を推理するが、かまをかけて大きい数字をいって推理を混乱させるというブラフ要素もある。そのため数字だけでなく、顔色を見て真偽を見極めることが大切で、対面の楽しさを存分に味わうことができる。また大どんでん返しの特殊カードも選択で導入でき、やりこみ要素がある。
日本語版にあたって、タンサンファブリークがデザインを担当。イラストを一新して箱をカードゲームサイズにダウンサイズ。さらに遊べる人数を増やす、カード裏面をサマリーにする、ライフ表示をカードで表すなど、遊びやすさに徹底的にこだわった一品となっている。
・play:game評価コメントリスト:コヨーテ