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プフェファークーヘル2015に『マルコポーロの足跡』

今年度の新作ゲームの人気を占う「プフェファークーヘル(Pfefferkuchel)」の結果が、ドイツのボードゲーム情報サイト「トリックトラック」にて報告された。
「プフェファークーヘル」は、復活祭の休日を利用して約300名の参加者がホテルに集まり、1週間ボードゲームを遊ぶイベント。参加者は気に入ったゲームを3つまで挙げ、これに上から3,2,1点として集計している。過去11回中10回で、3位以内に入ったゲームがドイツゲーム賞を受賞しており、予備投票に近いものとして注目される。
今年の一番人気は『マルコポーロの足跡』。ダイスを配置してアクションを行い、ヴェネツィアから北京へ旅するゲームで、『ツォルキン:マヤ神聖暦』のイタリア人デザイナーコンビがデザインした。2位はフランスの中世都市を舞台にしたチップ構築ゲームの『オルレアン』、3位は南米の部族たちが争うタイル配置ゲーム『カカオ』。
Boardgame Memo:マルコポーロの足あと
10位以下は次の通り。今年もこの中の多くがドイツゲーム賞に入賞すると考えられ、また現在選考が行われているドイツ年間ゲーム大賞・ドイツ年間エキスパートゲーム大賞へのノミネートも期待される。
【プフェファークーヘル2015】
1位:マルコポーロの足跡(Auf den Spuren von Marco Polo/ハンス・イム・グリュックN)151点
2位:オルレアン(Orleans/dlpゲームズE)136点
3位:カカオ(Cacao/アバクスN)90点
4位:エボリューション(Evolution/シュミットN)55点
4位:アクアスフィア(Aquasphere/ペガサスE)55点
6位:エリジウム(Elysium/スペースカウボーイズN)49点
7位:ウィーン(Vienna/シュミットN)45点
8位:ルイージ(Da Luigi/コスモスE)42点
10位:ファイブトライブス(Five Tribes/デイズ・オブ・ワンダーE)34点
10位:工房の錬金術師(Alchemisten/チェコゲーム出版E)41点
(出版社名の後のEはエッセン・シュピール14、Nはニュルンベルク国際玩具市2015の新作を表す)
Tric Trac:Pfefferkuchel 2015 spürt Marco Polo auf

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スチームパーク(Steam Park)

客は気まぐれでゴミも出す
スチームパーク
ロボットたちの蒸気遊園地「スチームパーク」を作り、集客を競うイタリアのゲーム。建設しても客が来てもどんどん出てくるゴミは、トイレを作ってどんどん片付けよう。たくさんのダイスをじゃらじゃら急いで振り、立体のアトラクションコマが自分の遊園地に並んでいくという、お祭り感のある作品だ。
毎ラウンド、各自6つのダイスをもち、一斉に振る。使うダイスは脇によけておいて、何度でも振り直せるが、先にやめた人から手番が決まる上に、最後まで粘っているとゴミを受け取る羽目になってしまう。これは焦る!
ここで決まったダイス目で、手番順にアクションを行う。アクションは収益源となるアトラクションの建設、特殊効果をもった施設の建設、客寄せ、ゴミ掃除、ボーナスカードの5種類。基本はアトラクションを自分の遊園地に置いて、客を入れることで収入が入る。施設はその効率を上げ、ボーナスカードは条件が合えばボーナスが入り、ゴミはペナルティを減らすために行う。
この遊園地、客はアトラクションを選り好みする。自分と同じ色のアトラクションにしか乗らないのだ。しかしどの客が来るかは運次第。好みの(同じ色の)アトラクションがないと、客は帰ってしまう。「アトラクションの建設」では、好きな色のアトラクションを置くことができる。そして「客寄せ」では、好きな色の客を袋に入れて、よく混ぜてから引く。自分が入れた客が出るとは限らない。アトラクションの色と合っていれば、その客はアトラクションにセットされ、毎ラウンド収入をもたらしてくれる(驚いたことに、ゲーム終了まで飽きないで乗ってくれる)。
袋からお望みの客が引けるかどうかが、ゲームの一番の盛り上がりどころである。「これだけ袋に紫入ってて、どうして出てこないの?」
6ラウンドで収入の最も多い人が勝ち。ただし最後はゴミ処理が待っている。ゴミが30個以上で無条件敗北となり、それ以下でも莫大な処理費用を支払わなくてはならない。ゴミはアクションやアトラクションに乗っている客などから絶えず吐き出されるので、「ゴミ掃除」や施設「トイレ」などでこまめに掃除しておきたい。
3人プレイで60分。ダイスは急いで決めなければならないが、そこで決めたアクションで、どのアトラクションや施設を取り、どこに配置するかで結構考えた。施設を活かしたダイスの選択ができず、またゴミ処理に力を入れすぎて遊園地が広がらずに負け。ダイスを振って出目を判断する早さと、お望みの客を引けるかどうかの運がゲームの中心だが、先を見越したアトラクションの配置、ゴミのこまめな処理、施設・ボーナスカードを活かしたゲーム展開と、マネージメントの要素もふんだんに盛り込まれている。
Steam Park
L.シルバ、L.T.ソレンティーノ、A.ブオフィーノ作/クラニオ・クリエーションズ(2013年)+ホビージャパン(2014年)
2-4人用/8歳以上/60分