Amazonの星1レビューが面白い
ポッドキャスト「枯れ井戸雑記:雑記-02:Amazonレビューをエンターテインメントとして楽しもう!」を聴いた。パーソナリティのナヴェさんは、Amazonレビューウォッチャーで、評価が「★☆☆☆☆」(最低)のレビューが面白いという。星1を付けて酷評することで一部に有名なレビュアー「星1徹」さんを紹介している。
そこでボードゲームの星1レビューを探したところ、たいへん面白いものが多かったのでご紹介。反論したい向きもあるだろうが、ナヴェさんが提唱しているように、ネタ、エンターテインメントとして楽しむのがよいと思う。
「これ、作った人、テストプレーやったん?」(『カタンの開拓者たち』)
天下のクラウス・トイバー先生になんてことを。資源を手に入れるのがダイス目次第というところから、勝つのも負けるのも運だけで考えるところがないというシーフードエビ蔵さん。「ビンゴゲームを2時間もする気はないわぁ」とも。ルールが煩雑で未消化であるとし、この発言で締めくくっている。世界50カ国で累計2200万セットが販売されているボードゲームといえども、合わない人には合わないものだ。
「おそらく理解できたとしても、まだババヌキの方が面白いだろう。」(『ニムト』)
グリム童話の「酸っぱいブドウ」か。ルールを何度か読んで理解できなかったモリゾウさん。「処理します」とか「引き取る」とかが分からなかったという。よほど悔しかったのか、この発言で締めくくった。
「もうこの手は懲りました。9,000円弱の授業料と割り切りました。」(『アグリコラ』)
授業料にしてはもったいない気が。『アグリコラ』は確かにルールが難しい。そのため遊ぶところまで行き着かない方が出てしまう。『ハリガリ』や『ゴキブリポーカー』から一足飛びに挑戦して遊べなかったというえびさんに寄せられたコメント。この投稿は参考にならなかったと投票した人が多数いたため、非表示になっている。
「数人がかりで一人をのけ者にしてコソコソするのが好きな人はいいと思います。」(『スコットランド・ヤード』)
イジメ良くない。怪盗Xが仲間はずれでつまらないというscifi “scifi”さん。怪盗X役だったのか「リーダーはゲームに参加できない感じで、泣きそうになります」とも。
「弟は俺に強制的にやらされているストレスに耐えかねてカッターナイフを持ち出して私を切りつけてきました。」(『レジスタンス・アヴァロン』)
リアル・レジスタンス。友達が作りたくて買ったが全然できなくて、乗り気でない家族と遊んだというビリー・ザ・キッド “KID”さん。お母さんは家事で頻繁に席を立ち、お父さんはテレビ、お兄さんは携帯。鉄拳で強制参加させた弟はビクビク。あまりのやる気のなさに「やるときはまじめにやろうぜ!」とブチ切れると、みんな黙ってしまって通夜のような空気になったという。そしてついにこのような事件に発展。「私の腕にスパっと真っ赤なナイキのマークが刻まれていました。」お大事に。
海底探険(Deep Sea Adventure)
最後の一振りで奇跡の生還!
全員、潜水艦からスタート。自分の番にはサイコロを2個振って(1~3しか出ないサイコロなので、最高でも6)、その数だけ自分のコマを潜らせる。止まったところにあるチップを取ることができるが、取ってしまうとその枚数だけ移動力と酸素が奪われるので、まずは何もとらないで先を目指そう。
しばらくはこうしてみんなが先へ先へと進んでいくが、誰かがチップを取ったところで状況が一変する。チップを取った人は、次の手番から枚数だけ酸素を奪われる。その酸素が、全員共通という一蓮托生がこのゲームのポイント。みんながチップを取り出すと、酸素は一気に減ってしまう。酸素がなくなる前に、急いで潜水艦に戻ろう。
しかし帰りは、自分がもっているチップの枚数だけ移動力を奪われる。欲張って3つも4つも取ってしまうと、サイコロの出目によっては全く進めない。その間にも酸素はどんどんなくなっていく。この焦りが、水中にいるかのような息苦しさを生み出す。く、苦しい~!
ほかのプレイヤーより先に帰り始めるのがポイントだが、あまり先に帰ってしまうと、高いお宝が取れない。お宝は、奥に行けば行くほど得点が高いのだ。また、方向転換はラウンド中に1回しかできないので、状況に応じて行ったり来たりして調節することもできない。慎重に進み、宝を取ったら一気に帰らなければならない。このチキンレースが楽しい。
酸素がなくなるまで潜水艦に帰れた人は、持ち帰ったチップが得点。間に合わなかった人のチップは、3枚ずつ重ねて海底(コースの一番奥)に沈む。この3枚のチップは1枚とみなすのでたいへんお得な物件。でもこれが罠で、これを目指した何人かがまた帰らぬ人となるのだ。
5人プレイで15分ほど。1ラウンドは酸素の減り方がどれくらいか分からず全員が帰還失敗。2ラウンド目はこれを踏まえて、だいぶ早いうちに帰り始める人と、欲張って奥に進む人に分かれる。先に帰り始めた人が、帰る途中でお宝を拾っていくので酸素がどんどんなくなり、半数くらいがまた帰還失敗。3ラウンド目はこうして失敗したお宝を狙ってみんなが奥へと進む。行きでダイス目に恵まれなかったtomokさん以外は生還して終了。
「まだまだ行きますよね!」「もちろん!」といっておきながら、直後にみんなこぞって帰り始めるのが焦る。2,3人が帰り始めたところで奥に行くのはとても度胸がいるが、いい目が出て無事帰れたときはその分とても嬉しい。「5以上、5以上お願いします!」最後は1,2歩の差が生死を分けるため、ダイスを振る手にも力が入った。
海底探険
佐々木隼、佐々木吾朗/オインクゲームズ(2014年)
3~6人用/8歳以上/30分