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『コードネーム:ピクチャーズ』日本語版、12月中旬発売

ホビージャパンは12月中旬、チーム戦の連想ゲーム『コードネーム』の姉妹版『コードネーム:ピクチャーズ(Codenames: Pictures)』を発売する。イラスト・V.フヴァチル、2~8人用、10歳以上、15分、3000円(税別)。
ドイツ年間ゲーム大賞2016を受賞した『コードネーム』の姉妹版としてシュピール’16で発売された作品。今度はスパイマスターのヒントを手掛かりに絵柄を探す。
極秘任務:スパイマスターのヒントを手掛かりに、敵対組織より先に味方のエージェントとの接触地点を探す。地図に描かれているいろいろなシンボル。それはスパイがエージェントたちとコンタクトを取る地点を示した暗号である。2人の敵対するスパイマスターは、各場所にいるエージェントを知っている。彼らは秘密の会合を行う場所について、現場諜報員たちへ暗号で知らせなければならない。暗号を誤って解読すると敵のエージェントと遭遇し、最悪の場合暗殺者との遭遇につながってしまうのだ。
ゲームの目的は、相手の組織よりも先に味方のエージェント全員とコンタクトを取ること。スパイマスターは、自分の組織のエージェントと接触する場所のシンボルに関するヒントとして、単語1つだけを言うことができる。1語で複数のシンボルのヒントを表現することも可能だ。これを手掛かりに組織の部下たちは、敵のエージェントや暗殺者に接触することなく、味方のエージェントを探し出さなければならない。
シンボルは複数のモチーフが合体しており、言葉とはまた違ったヒントの出し方が求められる。『コードネーム』ファンにも楽しめる内容となっている。
内容物:エージェントカード(2色)14枚、ダブルエージェントカード1枚、一般人カード4枚、暗殺者カード1枚、キーカード60枚、カードスタンド1個、ピクチャーカード 140枚(両面印刷)ほか
コードネーム:ピクチャーズ日本語版(コンポーネント)
ヒント「昆虫、3枚」:「昆虫」から連想される絵柄3つを見つけてみよう。

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コテージガーデン(Cottage Garden)

精緻な庭師の仕事

庭師となって、いろいろなかたちの花タイルを隙間なく置いて美しい庭を作るボードゲーム。ベルリンのボードゲームカフェ「シュピールヴィーゼ」(TGiWレポート)がローゼンベルクに委嘱して制作し、シュピール’16で発表した作品である。ボードゲームカフェの常連がお店でテストプレイを重ねただけあって、遊びやすさと戦略性をバランスよく兼ね備えたゲームとなっている。
中央には植木屋ボードがあり、4×4のマスにさまざまな花タイルが置かれている。各自2枚の区画ボードをもってゲームスタート。
手番には植木屋ボードの1つの列(サイコロが目印)から花タイルを1枚選び、自分の区画ボードに配置する。次に自分の手番が来たときに取ることのできる列が予め分かっているため、計画的に選ぶことができる(なお、どんどん取られて1つの列にあるタイルが1枚以下になると補充されるが、何が補充されるかも予め分かっている)。ほしいタイルがなければ、1マスだけの植木鉢タイルを取って区画ボードに配置する。
区画ボードは5×5マスになっており、植木鉢やガラスが描かれたマスがある。花タイルをここにのせてもよい(が得点は減る)。花タイルをのせたら手番終了。サイコロを次の列に移動して、次のプレイヤーがその列から花タイルを選ぶ(サイコロは振らないので、運の要素はない)。
こうしているうちに、植木鉢・ガラス以外のマス全部、タイルで埋めることができたら庭が完成して得点が入る。
得点は植木鉢が1点、ガラスが2点。予め描かれている植木鉢やガラスを避けてタイルを置くことがポイントだが、そう都合のよいタイルがあるわけではない。早く埋めて次の庭に取り掛かるか、ぴったりのタイルをじっくり待つか。2枚の区画ボードを柔軟に使い分けるとよいだろう。
スコアトラックでは植木鉢とガラスの得点が別々に入るようになっており、しかも得点キューブが3つずつある。キューブが中央の線を超えるとネコチップがもらえるので、まんべんなく進めたい一方、最初に最後のマスまで到達すると蜂の巣タイル(最後にボーナス点)がもらえるので悩ましい。
完成した庭のタイルを戻し、新しい区画タイルを取って新しい庭に取り掛かる。
このように『パッチワーク』以上にパズル思考を要求されるが、テーマが花畑なので雰囲気は和やかだ。しかしサイコロが植木屋ボードを回って6ラウンド目に入ると、一気に慌ただしくなる。ここからは自分の庭を完成させるまで、自分の手番が来るたびに2点を支払わなければならない。完成した人からゲームを抜けることができる(新しい区画タイルは取らない)。したがって5ラウンド目の最後のあたりまでに完成する目処をつけておかないとたいへんなことになるだろう。
全ての庭が完成したらゲーム終了で、キューブの位置に従って得点を計算して多い人が勝つ。
ベルリンのボードゲームカフェ「シュピールヴィーゼ」で2回プレイ。1回目は早く庭を完成させることを心がけて回転を早くし1位を取ったが、2回目は2つの区画タイルをうまく使い分けて効率よく庭を作ったkarokuさんが勝利。庭の回転率を上げるのと、植木鉢やガラスのマスを避けるのを両立するのがチャレンジングだった。
同じ作者の『パッチワーク』(2014年)と同じく、テトリス状のタイルを配置するパズルチックなゲームであるが、4人でプレイできるようになっただけでなく、得点計算や終盤のルールにオリジナリティがあり、それでいて遊びやすい。同じくテトリス状のタイルを配置する『オーディンの祝祭』と合わせて、ローゼンベルクのテトリス三部作とでも呼ぶべきか。『パッチワーク』は2人用、『コテージガーデン』はミドルクラス、『オーディンの祝祭』はゲーマーズゲームというように各種用意されているのがすごい。
Cottage Garden
デザイン・U.ローゼンベルク/イラスト・A.ベークホフ/シュピールヴィーゼ出版(2016年)
1~4人用/8歳以上/45~60分