ポイントサラダ(Point Salad)
あちら立てればこちら立たず
自分の手番にはこの目標カード1枚か、野菜カード2枚を獲得していく。目標カードの裏は野菜カードになっており、野菜カードが取られると、目標カードを裏にして補充する。こうして野菜も目標カードも目まぐるしく変化していく。
目標カードに合わせて野菜カードを選ぶか、集まった野菜カードに合う目標カードを取るかという選択があり、また次のプレイヤーにあまりに美味しい選択肢を残してはいけないという成約があるところはちょっと考える。とはいえ目標カードは多種多様なので何とかなるものだ。
目標カードの中に、ある野菜はプラス点になる代わり、ある野菜はマイナス点になるというものが結構入っており、この種のカードを多く取りすぎると取れる野菜がなくなったり、ほかのカードと相殺して得点が伸び悩んだりする。プラス点になる野菜の組み合わせが、他のカードでさらにプラス点になれば最高だ。これだけの軽さで目標カードのコンボまで狙える。ほかにも全員の中で最少・最多を問うものもあって、駆け引きもある。
戦略性は低くなる分、得点力の最大化・カードのコンボ・最多最少の駆け引きといったゲーマーズゲーム要素を、ミニマルな手続きでライトに楽しめる作品である。
Point Salad
ゲームデザイン・S.スタンケウィッチ&M.ジョンソン&R.メルビン
イラスト・D.マンギーニ
AEG(2019年)+アークライト(2020年)
2~6人用/12歳以上/15~30分
ゴールデンギーク賞2019に『ウイングスパン』
ゴールデンギーク賞は2006年から始まり今年で14回目。英語圏を中心とするボードゲームギークのユーザー層を反映して、遊びごたえのあるゲーマーズゲームが選ばれる傾向にある。昨年は『ルート』が大賞に選ばれた。
今年大賞になった『ウイングスパン』は、鳥獣保護区にいろいろな鳥をたくさん集めるバードコレクションゲーム。大賞のほかにアートワーク、カードゲーム、ファミリーゲーム、イノベーティブ、ソロゲーム、ストラテジーの6部門を受賞している。昨年の大賞『ルート』は3部門、一昨年の『グルームヘイヴン』は5部門、その前の『サイズ-大鎌戦役-』は4部門、『パンデミック・レガシー:シーズン1』は3部門で受賞しているが、今年は過去最多の多部門受賞だけでなく、ファミリーゲーム部門を制した作品が大賞になったのが特徴だ(2014年の『宝石の煌き』以来)。
それ以外の受賞作品は以下の通り。『ウイングスパン』は日本語版が昨年10月に発売されているが品薄状態が続いている。定価は6500円(税別)なので、プレミア価格に注意しよう。
【ゴールデンギーク賞2019】
ゲーム・オブ・ジ・イヤー:ウイングスパン
(ノミネート:西王国のパラディン、タペストリー)
2人ゲーム:ウォーターゲート
(ノミネート:アンドーテット・ノルマンディー、ブリッツクリーク20分世界大戦)
アート&プレゼンテーション:ウイングスパン
(ノミネート:パークス、タペストリー)
カードゲーム:ウイングスパン
(ノミネート:ザ・クルー、マーベルチャンピオン)
協力ゲーム:ザ・クルー
(ノミネート:マーベルチャンピオン、ロードオブザリング中つ国の旅)
拡張:ウイングスパン:ヨーロッパ拡張
(ノミネート:クアックサルバー:薬草使いの魔女たち、テラフォーミング・マーズ:動乱)
ファミリーゲーム:ウイングスパン
(ノミネート:アズールサマーパビリオン、タイニータウン)
イノベーティブ:ウイングスパン
(ノミネート:ザ・クルー、ウェイブレングス)
パーティーゲーム:ウェイブレングス
(ノミネート:レタージャム、メン・アットワーク)
プリント&プレイ:タイニーフォーミング・マーズ
(アンダーフォーリングスカイ、ロールエステート)
ソロゲーム:ウイングスパン
(ノミネート:マーベルチャンピオン、ドッペルゾークレバー)
ストラテジーゲーム:ウイングスパン
(ノミネート:マラカイボ、西王国のパラディン)
テーマチックゲーム:デューン
(ノミネート:スターウォーズ・アウターリム、ロードオブザリング中つ国の旅)
ウォーゲーム:アンドーテッド・ノルマンディー
ポッドキャスト:Heavy Cardboard
アプリ:スルージエイジズ
(ノミネート:北海の侵略者、ドッペルゾークレバー)
・14th Annual Golden Geek Awards Winners for 2019