カテゴリー: エッセイ
イベントカードの功罪
今年10月のエッセンで発表されたドイツゲームの新作が、徐々に輸入され始めている。新作が毎年増え続けている中、傾向を一概に捉えることは難しくなっているが、メジャーなメーカーの作品に絞って見る限り、ボードゲームの質が昨年ぐらいから変わってきているように感じる。 95年の『カタン』以降、ドイツゲームは重量…
ゲーム棚整理日記
この頃、新作は他所で遊ぶようにして買い控えているがその分珍しい中古品などに手を出してしまい、ゲーム棚に入りきらなくなっている。そこでリストラ断行。棚を眺めながら手放すゲームを考えていたが、時間ばかり経って仕方がない。そこでいったん棚から出して、ジャンルごとに入れ直すことにしてみた。 デザイナー別デザ…
ゲームの梱包
国内でゲームを買うと、ショップでもオークションでもきっちりとした包装をして送ってくれる。1箱1箱をエアーキャップ(プチプチ)で包み、さらにそれをダンボール箱に詰めて、隙間に新聞紙などの緩衝材まで入れて、もうこれ以上ないほど完璧な包装。これならゲームの箱が傷ついたり、ひしゃげたりすることはまずあり得な…
年間ゲーム大賞のローカリティ
17日、現地時間で10:30からベルリンで行われたドイツ年間ゲーム大賞発表式で、今年の大賞は郵便馬車(Thurn und Taxis)に決定した。ドイツではすでに高い評価を集めているゲームで、2001年のカルカソンヌ以来4年ぶり6タイトル目となるドイツゲーム賞とのダブル受賞も十分ありえるだろう。 し…
年間ゲーム大賞ノミネート分析
ボードゲームのアワードとして世界で最も影響力のあるドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)のノミネートが、予告通り28日に発表された。私の予想はほぼ全敗。11の予想のうち、ノミネート入りが郵便馬車のみ、それは俺のサカナだぜが推薦リスト、ケイラスが特別賞。ノミネート+推薦リスト+特別賞…
ソロプレイ感
ボードゲームのネガティブな評価として「ソロプレイ感(またはソリテア感)」というものある。インタラクション(プレイヤー間の相互干渉)が少なく、ゲーム中まるで一人でコンピュータゲームを遊んでいるかのような感覚になることをいう。 インタラクションというのは、システムとして競り、交渉、交換、協力、直接攻撃、…
お仕事感
この頃あちこちで「お仕事」という言葉を聞く。ボードゲームでは「やりたくないのに、状況的にトップのプレイヤーを妨害しなければならない一手」を指すようだ。「お」という文字が付くことで、自己犠牲による妨害という両者にとって悲惨な状況を巧妙に包み隠している*1。 例えばこのまま何もしないと次の手番で1位が上…
ドイツ年間ゲーム大賞予想
ドイツ年間ゲーム大賞(SdJ)のノミネート発表と推薦リスト発表が5月28日に行われる。5タイトルだけのノミネートになって3年目、今年もどんなゲームが発表されるか楽しみだ。 昨年(ナイアガラ、ヒマラヤ、80日間世界一周、ジャンボ、勝利への道)、一昨年(乗車券、墓場の吸血鬼、頭脳絶好調、マハラジャ、サン…
ギミック
レビューを読んだりして長らく知らなかった言葉に「ギミック」がある。「G.バースの作品はギミックが面白くて……」「このゲームはギミックが命です……」など。 gimmick (1)(手品師などの)秘密の仕掛け, たね, トリック.(2)(広告などで人目を引くための)工夫, 仕掛け, 手; 新案品. (C…
似ている
ゲームを紹介するとき、「○○に似ている」とほかのゲームを引き合いに出すことが時々ある。遊んでいない人にどういうゲームか説明するのはなかなか難しいものだから、端的に言えるこのやり方は便利なものだが、その一方で誤解を与える危険もある。 先日あるゲームを遊んだ後の会話である。そのゲームは、あるサイトで「○…