花火(Hanabi)

阿吽の呼吸で打ち上げる

みんなで協力して、5色の花火カードを順序よく出していくカードゲーム。2013年のドイツ年間ゲーム大賞で小箱のゲームとして初めて大賞に選ばれた。オリジナルはフランス語版で、日本では3年前から発売されていたが、ちょうど大賞受賞に合わせるかのように今月、日本語を含む多言語版が発売されている。富士山と厳島神社をあしらったイラストは多言語版からのデザインで、ドイツ語版、フランス語版は法隆寺があしらわれている。

目的は、各色1から5のカードを順序よく出していくこと。間違ったり、捨て札が多すぎたりすると、しょぼい花火で終わってしまう。なぜ間違うのかというと、自分の手札は裏向きにもつからである。ほかのプレイヤーからは見えるが、自分は見ることができない。

花火

自分の番にできることは、ほかのプレイヤーにヒントを出すか、自分の手札から1枚を打ち上げるか、あるいは1枚を捨てるかの3択。ヒントを出した場合は、8枚あるチップが1枚裏返り、全部裏返るとこれ以上ヒントを出せなくなる。チップを戻すには1枚を捨てるという選択をしなければならないが、闇雲に捨てると、必要なカードがなくなってしまうかもしれない。

ヒントの出し方は、色か数字のいずれか。誰かの手札を指さして、「これとこれが青」「これとこれは2」などという。このヒントを元にして出すカードを選ぶ。ヒントを出す方にすれば、「今度手番が来たらこのカードを出すべし」「このカードは捨ててチップを戻すべし」というメッセージになっている。そのメッセージをうまく読み取らなければならないし、ミスリーディングなメッセージを出してはいけない。言いたいのに言えないもどかしさがこのゲームの面白さを生んでいる。また、協力ゲーム特有の「奉行問題」(経験者が仕切ってほかのプレイヤーが言いなりになってしまうこと)も、各自の知っている情報がちょっとずつずれているために起こらないのもよい。

なおヒントを出すときに、カードを指さす順番や、カードによって声のトーンを変えることで、追加情報を与えることはできるが、その可否はメンバーによって決めておくとよいだろう。そのあたりの決め方を柔軟にできるのがアナログゲームの良さだといえる。

3回間違えば0点で全員の敗北。山札がなくなってから1周したら、その時点で完成した分だけ得点を計算し、「観衆からヤジ」から「伝説級」までの評価を受ける。ファインプレイをお互いに称え合おう。

通常ルールと、カラフルな花火が入った発展ルールの両方でプレイ。通常ルールは、慣れていなかったこともあってヒントがちぐはぐになったが、「観衆も大喜び」で終了。発展ルールのカラフル花火は、色のヒントを出すときに何色にもなるというややこしさがあったが、数字のヒントを多用して「極上の出来」に成功。

ノーヒントでカードを切らなければいけない場面が何度があり、そこは運任せだが(スリルはある)、あとはヒントをいかに効率よく出して推理するかがポイントで、頭を使う。いくつかのヒントを総合して、難しいところのカードを見事に出せたときは皆もほめてくれて嬉しい。

Hanabi
A.ボザ/アバクスシュピーレ(2012年)
2~5人用/8歳以上/25分

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