関西のボードゲームカフェとプレイスペース付きショップ9店舗による「ボードゲームセレクション2021」が22日発表され、『チクタクオーダー』（クジラダマ）が大賞に選ばれた。今週末に開催されるゲームマーケット2021で頒布されるほか、通販でも入手できる。

「ボードゲームセレクション」はゲームマーケット大阪に出展される新作の中からベストボードゲームを選出するコンペティション。ゲームマーケット直前に発表されることで、当日の来場者が試遊購入する際のガイドにしてもらうことを目指しており、今年で3年目となる。これまでの大賞受賞作は『狩猟の時代』『海拓者』。

選考にあたったのはデザート*スプーン、賽翁、inst、ギルド、BOARD GAME Lab ! ddt、駒の時間、DDT、キンケッドテイルの8店舗。事前エントリーした47（昨年比－1）タイトルを約1ヶ月間にわたってこれらの店舗間で回し、遊んだお客さんのアンケートを集約して決定した。

大賞対に選ばれた『チクタクオーダー』は5分間でできるだけ多くの依頼を達成するリアルタイム協力ゲーム。裏返しになった素材チップをめくって素材を探し、組み合わせて製品を製造して、カードの納品依頼を達成する。ネズミをめくってしまったら、必要な素材を探して退治しなければならない。5分間で規定枚数を達成していればクリア。達成したカードの難易度に応じてランキングもある。

店舗賞は以下の通り。

【ボードゲームセレクション2021】
大賞：チクタクオーダー（くじらだま）
デザート*スプーン賞：ガムトーク（角刈書店）
賽翁賞：三密サウナ（HLKT工房）
inst賞：デモンズネーム（アーアーアーゲームズ）
ギルド賞：究極のカップ麺（スタジオムンディ）
BOARD GAME Lab ! ddt賞：ゾンビデル（ボボン・ボン・ボジワーイ連邦）
駒の時間賞：昆虫ゲッチュ！（ゲームNOWA）
DDT賞：Discipline ～ジェレミア魔法学校の3年間～（636GAMES）
キンケッドテイル賞：羊と花畑（Studio GG）

グループSNEは4月23日、正体隠匿ゲーム『スケープ（Scape）』日本語版を発売する。ゲームデザイン・F.「パク」・ガレゴ、3～10人以上、8歳以上、20分、2200円（税込）。

オリジナルはGDMゲームズ（スペイン）から2015年に発売された作品。イラストを全面的に一新しての日本語版となる。第二次大戦中、米英の捕虜たちがドイツの収容所からゲシュタポの罠をかいくぐって脱出することを目指す。モチーフは映画『大脱走』でも知られる「スタラグ・ルフトIII強制収容所脱走事件」だ。

プレイヤーは第二次世界大戦中の「アメリカ陸空軍」「イギリス空軍」「ゲシュタポ」の３陣営に分かれる。米英の捕虜は（一時的に！）力を合わせて脱走用のトンネルを掘り、プレイヤーの中に紛れているゲシュタポが仕掛けた罠を上手く排除しなければならない。

手番にはカード1枚を裏向きか表向きに出すだけ。裏向きに出せばトンネルを掘ったことになり、「SCAPE」という言葉を完成させればトンネルが完成する。表向きに出せばアクションの効果が適用される。

全てのカードが出たらゲーム終了で、「SCAPE」が完成していなければゲシュタポの勝利。「SCAPE」が完成していても、カードをめくってゲシュタポの印があると罠にはめられたことになり、やはりゲシュタポの勝利となる。「SCAPE」が完成し、ゲシュタポの罠がなければ捕虜の勝利となるが、ここで米英で山札を比べ、どちらかのチームが勝利する。

トンネルを掘るか他プレイヤーを牽制するかの選択で、次第に明らかになっていく正体。最後の最後まで分からない勝敗がスリリングなカードゲームだ。