ネッソス(Nessos)

悪魔が来たりてトップ叩き

数字を言ってカードを渡し、受け取るか返すか1枚付けて他に回すかを選ぶブラフゲーム。ゲームマーケット2015秋に同人サークル「Comet」から発表された『爆弾宝箱』をイエロ社(フランス)がテーマをギリシャ神話をテーマにしてリメイクした。

各プレイヤーに5枚のカードが配られる。カードには1~10点のクリーチャーカードと、カローン(悪魔)カードがあり、オープンしているクリーチャーカードは得点になるが、カローンが3枚貯まると脱落になってしまう。

手番には『ごきぶりポーカー』のように手札から1枚を、数字を言いながら好きなプレイヤーの前に裏にして差し出す。クリーチャーカードの数字は正直に言わなければならないが、カローンカードは数字がないので適当な数字を言う。

差し出されたプレイヤーはもらって自分の前にオープンするか、返して相手の前にオープンさせるか、中身を見ずに手札から1枚付け足してさらにさらに他のプレイヤーに差し出す。そのプレイヤーも同様の選択があるが、さらにそこから1枚付け足して3枚差し出されたら、もう付け足すことはできない。

数字の大きなカードは得点も大きいので、相手が大きい数字を言ってきたらカローンである可能性が高いだろう。しかしそこでカローンだと思わせておいて返してもらえれば、自分の得になるという作戦もある。1,2,3のカードは得点が低いが、揃えるとボーナス点があるので、コンプリートが近い人は誘惑の手が差し伸べられるだろう。

誰かがカードをオープンしたら、手札を補充して次のプレイヤーからまたカードを誰かに差し出す。これを繰り返して、自分の前にカローンカードが3枚になったプレイヤーは脱落し、自分の前にあるカードの合計が規定点になるか、1人だけ脱落しないで残るか、カローンカードが全部出たらゲーム終了。それぞれ規定点に達した人、最後まで生き残った人、合計点の最も高い人が勝者となる。

『ごきぶりポーカー』は敗者を決めるゲームであることによって、特定のプレイヤーをいじめる展開になりがちなところを、こちらは基本的に得点勝負なので、トップにカローンを食らわせて脱落させるという展開になる。トップ目はそれを察知して受け取らないでいると、他のプレイヤーの得点が伸びてきてトップを奪われるという寸法だ。「今何点ですか?」などという質問もまたブラフへの布石になって楽しい。

Nessos
ゲームデザイン:佐山貴亮&荒尾俊樹/イラスト:M.コインブラ
イエロ(2018年)
3~6人用/8歳以上/20分

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