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日本ボードゲーム大賞:時期

海外ゲームは、発売されてから日本に入るまでタイムラグがある。ノミネートはこのタイムラグを考慮に入れて、多少のずれを許容することになっているが、ここからここまでと線引きをするのは実に難しいものだと思った。ドイツならば、前の年のエッセンとその年のニュルンベルクという分かりやすい基準がある。しかし日本の場合、遅いと1年ぐらい遅れて入ってきて、しかも大ブレイクなんてことがある。

それに関連してもう1つ、今回もノミネート選考が終わるか終わらないかのうちに話題になったゲームがあったりして(ゴキブリポーカーとかコロッサルアリーナとか)、じゃあ来年に入れようかと思っても次のノミネート選考まで10ヶ月もあると、はたしてそれまで生き残るのかわからない。その間にまたどんどん新作が入ってくるだろうし。

この悩みは、ドイツにもあるみたいだ。エッセンで発売されたゲームは、年間大賞の選考が始まる年明けにはどうしても印象が薄くなるため、各メーカーがニュルンベルクのほうに力を入れている。しかしそうしたメーカーの努力とは別のところで、愛好者から絶賛を浴びるゲームもあるわけで、そうした中から公平に選び出すのはたいへんなのだ。

この背後にある問題は、ゲーム寿命の極端な短命化である。せめて1年はもってほしいものだが、この先どうなるのだろうか。

大賞は今月下旬発表の予定。

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ウィザーズ・ブルウ

「魔法使いの醸造」はフェイス2フェイスが製作を進めている最新作、というか2001年のドイツ年間ゲーム大賞最終ノミネート作品アムレットのリメイクである。ムーン&ワイスブルム作。ゴルトジーバーのドイツ語版がつい最近バネストに入荷していたくらい、入手はまだ容易だ。

その英語版、社長から依頼されていたルールとカードテキストの翻訳が終了。はじめはスルースからだったのに、ブームタウン、アイスクリーム、ウォリアーズ、ラインレンダーとだんだんルールが多くなってきているような気が。しかも現物なしで翻訳しなければならない上に、何度もルール変更がやってくる。そのたびに作り直し。これで現物支給というのは、自分もつくづくゲーム好きなんだと思う。

それほど話題も呼ばず、またレアでもないゲームを思い切って英語版にしたのは、カードのテキストを読めるようにすればゲームがもっと楽しめるという予想からなのだろう。フェイス2フェイスが進めている多言語版では、カードに貼り付ける日本語のラベルも作ると言う。確かにイラストも綺麗になって、訳しているうちに遊びたくなってきたが、そんなんで採算が取れるのだろうか?