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サイゾー、ジャピオンにボードゲーム記事

インターネットの事件や芸能界スキャンダルを扱う月刊誌『サイゾー』のネット版「日刊サイゾー」に、カルチャー記事として高円寺のボードゲームショップ、すごろくやが紹介され、丸田店長が答えている。
記事の中で丸田店長は、「めちゃくちゃ面白いけれど、面白さが全く知られていないもの」という商品コンセプトで、ルールではなく何が面白いのかをちゃんと伝えられるように工夫していると語る。また「男の子と女の子で遊びましょうっていうのがいいんじゃないでしょうか」と、異性を誘うことを勧めている。
最後に店長からのオススメとして、『消えた宇宙船をさがせ!(Razzo Raketo)』、『アラカルト(a la carte)』、『ディクシット(Dixit)』、『アグリコラ(Agricola)』、そしてオリジナルゲームの『イチゴリラ』を紹介する。『アグリコラ』をmixiの「サンシャイン牧場」のようなゲームと説明しているところが面白い。
日刊サイゾー:本場・ドイツのお墨つき!「ルールよりも面白さを伝えたい」 すごろくや店主が語るボードゲームの魅力
ニューヨーク現地発信の情報サイト「NY eジャピオン」にも、ボードゲーム記事が掲載されている。『バックギャモン』、『スクラブル』、ドイツゲーム、シミュレーションゲームの4ジャンルについて、それぞれ専門または中心にすえて活動するサークルを紹介。3ページに分けて読み応えのある記事となっている。
「ジャーマン・スタイル」ではボードスティッフというサークルが登場し、主催者が「ほかのプレーヤーとのやり取りが多く、戦略も重視。ルールは多いが、メタファーやストーリーがあるから覚えやすい」「ほかのゲームと比べて、テーマがずっと洗練されているうえ、デザインが優雅」と魅力を語っている。紹介されているのは『コロッセウム(Colosseum)』。
日本やドイツと同様、アメリカでも不況がボードゲーム人気の要因になっているようだ。
NY eジャピオン:ボードゲームで遊ぼう!(2)

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ドイツ人の性格とボードゲーム

『びっくり先進国ドイツ』(熊谷徹著・新潮文庫)を読んだ。ドイツ人の性格として、次のような記述がある。日本から見れば、欧米一般に言えることのように見えるが、ヨーロッパの中でも、ドイツ人は特に際立っているそうだ。
・几帳面で、効率を追い求める精神から、せっかちで文句屋となる
・整理整頓が上手で、オフィスのデスクが散らかっていない
・個人の意思がもっとも尊重され、自分の意見や気持ちを正直に言うことが正しいとみなされる
・その一方で、知らない人でも困っていれば助ける精神が強い
・自我が強く、恋人に対しても妥協できない。離婚の際のトラブルを防ぐため、結婚契約書を作ることも
・可処分所得が低く、倹約家が多い。衣食は抑えるが、住宅と旅行には比較的お金をかける
・気に入らないことがあると、歯に衣を着せずに遠慮なく文句を言う。感受性よりも理屈が優先
・人々がみな他人をひじで押しのけて前へ進む社会(Ellenbogengesellschaft)。車の運転は攻撃的
・ナチスの反省が徹底的に教育されており、国粋主義と戦争を嫌う。徴兵制は廃止される可能性あり
もちろんこれは全てのドイツ人に当てはまるものではない。私の知り合いにも例外はたくさん思い当たる。ここでは一般的・典型的な傾向ととらえておく。
これらの性格が、ボードゲームが文化として定着した背景にあるとすれば、まず攻撃的である点が挙げられるだろう。「ひじで押しのける社会」を、家族の中でもやらずにはおれないので、それを解消するためにボードゲームが登場する。
次に効率性・理屈を重んじる態度は、ルール好きにつながる。お互いに攻撃的であるとき一定のルールが生まれ、それに則った戦いができるようになる。規則が先にあるのではない。攻撃的であればこそ、ルールの運用に几帳面になるのだろう。
日本で買えば輸入コストが上乗せされるが、現地で買えばボードゲームは安い。倹約家が安価で長く楽しめるものを探すとき、ボードゲームは有力な選択肢になるはずだ。
以上、攻撃的で、ルール好き、そして倹約家、この3つの性格がボードゲームが広がるもとになったのではないかと考えられる。