シュピール’23:2日目にプレイした新作/中古ブース
2日目は木曜日よりも会場が混んでおり、空き卓を待つのも時間がかかる。他にもハバの現状を伺ったり、デザイナーのサイン会に行ったり、「暮しとボードゲーム」のツイキャスに出演したりして遊べたゲームは少なかった。
湿原/モールランド(Moorland / S.ボーゲン / ディーププリントゲームズ)
カードと植物をボード上に配置し、湿原に豊かな植生と動物を増やす。手番にはカードを場から1枚取り、今回のラウンドで指定された植物を1種類ボード上に配置する。カードの条件に合う植物の組み合わせができたらカードを配置。そこにあった植物は得点になるものを除いて川沿いに他のマスに流れていき、そこにまた新しいカードを置いていく。
インタラクションはカードドラフト「取られた~!」と、最後に「アメンボ」の数を競うぐらいで、各自が戦略的パズルに取り組む。
サンライズレーン(Sunrise Lane / R.クニツィア / ホリブルギルド)
ボードのスペースと同じ色のカードを出して、自分の建物を配置すると得点。つながっているマスの色を出せれば、連続して建物を配置できるほか、同じ色を揃えれば建物を積み上げることもできる。最後に街区によって高さと広さのマジョリティ。
高得点のマスに高い建物を建てようとして、手番に建物を配置せず2枚補充を選ぶと、狙っていた場所を先に取られるかもしれない。貯めて一気に建てるか、小刻みに広げるかのジレンマ。
完熟の島(Reif für die Insel / R.クニツィア / ツォッホ)
人数分のバナナを袋から引いて並べ、その下にカードを置いてところてん式オークション。バナナは熟れ方によって得点になるラウンドが異なり、最初から腐った黒バナナや、同じ色のバナナを食べてしまうオウムもいて、それはみんな取りたくないので競りが熱くなる。また雷雲が出ると、オークションは一斉公開になる。
カードは10枚で、競りは計15回。0のカード以外は使い切りで、それ以外のカードは最後まで残せば得点になるため、どこまで温存しておくかも試されるのが苦しくも楽しい。
光の大群(Schwarmlichter / C.E.ランツァヴェッキア / ハバ)
4個のダイスで指示された魚がちょうどになるように、同時プレイでカードを組み合わせて取る。できたと思ったらストップをかけて、過不足した分が失点となり、合計失点の少ない人が勝つ。ストップを掛けて揃っていないとペナルティ。
一度取ったカードを返すことができず、辻褄をあわせるのが大変。
ショーダウン(Showdown / B.シュヴェア / ハバ)
プレーリードッグの西部劇ゲーム。プレイしたカードのアイコンにより、ダイスを振ってお金を稼いだり、他のプレイヤーから奪ったり、コマを移動して金庫から盗んだりする。保安官が展望台に来たとき、岩陰に隠れていないとお金を没収されるが、そのときヒゲかサングラスをもっていると没収されない。
スペインの代理店の方がいらして、このゲームが子どもたちにとても評判がいいと褒めちぎっていた。
エッセン・シュピールの醍醐味である中古ゲームショップは2件しか見つけることができなかったが、なかなかいいものを安価に取り扱っていた。ゴルトジーバーの名作『ピーナッツ』、おはじきゲーム『カラバンデ』の拡張、電動のゴキブリを使ったシリーズ『ゴキブリループ』『ゴキブリ城』をゲット。
中古ショップの減少と関係あるかもしれないのが、ユーザー同士の中古交換会である。予め連絡を取り合っておき、空きホールに集まって札をかかげてお互いを探し、見つかったら交換するというシステム。お金のやり取りがあるのかわからないが、安価に入手できるのは間違いない。
ディーププリントゲームズで行われたS.ドラとR.ツァリンデのサイン会に行き、2人とファントークしてきた。ドラと会ったのは初めてだったが、シュピールには毎年来ているという。「あなたのゲームはほとんど持っています」というと「『パシャ』は?」と聞かれ、「あれはコンテナがロストして200個しか世の中にないんです」という。
シュピール’23:1日目にプレイした新作
4年ぶりのシュピール1日目。10時のオープンから19時まで、飲まず食わず、ほぼぶっ通しで気になっていた作品をプレイした。
ティペラリー(Tipperary / G.ブルクハルト / ルックアウトゲームズ)
ルーレットで指示された2枚のタイルから1枚を選んで自分のボードに配置。ウィスキー醸造所に畑が隣接すると樽ポイントが進み、廃墟が1列に3マス並ぶと塔(空きマスを埋める)が手に入り、湿地が2マスつながると1マスタイルが手に入る。正方形になったマス数、つながった羊の数などで得点。
タイルの形が一枚一枚独特で、なかなか思うように組み合わせられずもどかしい。
タングラム・シティ(Tangram City / U.ローゼンベルク / コーリアボードゲームズ)
カードで指示された形のタイルを全員配置し、1ラウンドごとに隙間なく作った長方形の広さで得点。ゲーム終了時には、緑のマスと赤のマスの差分が少ないほど得点。
どのタイルが配置されるかは、手番によって事前にわからないことがありドラマを生み出している。タングラム状のタイルをうまく組み合わせられると気持ちいい。
テラ・ピラミデス(Terra Pyramides / M.キースリング&W.クラマー / コーリア・ボードゲームズ)
引いたタイルを配置して、そこから一直線上にあるワーカー、石、コインを獲得。ワーカーはつながっているピラミッドに移動させ、3人揃ったら石を払ってピラミッドを上げる。ピラミッドは下の段から積み重ねられていって、頂上までできれば高得点だが、必要な石の数も増えていく。
一度取り組み始めたピラミッドはもう奪われないので、ほどよいインタラクションでじっくり建設に取り組める。
マルディヴィア(Maldivia / R.フラガ / ツォッホ)
移動方向をプロットして順番にオープンし、船をその方向にいくつでも進め、魚を捕る。それから端まで行ってカードに指定された魚をおろし得点。プロットの中に「霧」があり、上下左右のいずれかの端を折ることができる。折られたところにいた船は魚を1匹失い、これによって他のプレイヤーの計画を台無しにしたりもできる。
2人だと結構先が読めるが、人数が多いほど計画通りに行かなくなってパーティーゲームになりそう。
アイスクール・ウィザード(Icecool Wizards / B.ゴメス / ブレインゲームズ)
定番キッズおはじきゲームの新作。カードの上を通過するとそのカードがもらえ、セットを作って部屋の隅にある試験カードを獲得する。他のペンギンにぶつけるとカードを交換でき、セットを揃えやすくなる。部屋は3つで狭くなった。
ナイスショットで一気にカードを集めて試験を達成できると気持ちいい。
おいしい溶岩(Lecker Lava / S.ヴァーグナー / ドライマギア)
8つの穴から溶岩ディスクを入れて、自分のドラゴンがいる穴から落ちるようにするコイン落とし。ボードの下が絶妙にできていて、どこから落ちるかわかりにくいが、ある程度予想できるので、そこでドラゴンを待ち構える。
溶岩は得点が高いものからマイナスになるもの(色分け)まであって、次に出てくるものが小さな窓から見える。高得点の溶岩狙いで口を開けて待っていて、なかなか落ちてこないことも。
ラブホテル・マネージャー(Love Hotel Manager / ヘルトベルクス)
『指詰め』など日本のアンダーグラウンドをテーマにしたボードゲームの最新作は、ラブホテルを1階から5階まで掃除するというカードゲーム。次の階のカードを出せれば得点だが、途中でカード補充ができなくなると、出せない時点で脱落となる。
ヘルトベルクスのハバーマス氏は奥さんが日本人で知り合いだった。将来鹿児島に移住したいという。