ヤポンブランドから「ミニマルゲームズ」発足
ミニマルゲームズは、フランスのデザイナー、B.フェデュッティ氏のコラム「日本のミニマリズム」に基づく命名。カナイセイジ氏の作品で国際的に評価の高い『ラブレター』のように、コンポーネントやルールを最小限にして面白いゲームを追求する。大まかにヤポンブランドはゲーマーズゲーム、ミニマルゲームズはライトなゲームに棲み分けした。
どちらのグループも、シュピール前に各国語への翻訳を進めるとともに、海外のボードゲームメディアなどに積極的に働きかけている。今回出展される予定の作品は現在のところ両グループ合わせて21タイトルで、次の通り。ゲームマーケットで話題となった作品が海外に挑戦する。
【ヤポンブランド】
OKAZU Brand:漁火(ISARIBI)、江戸屋敷(Edo Yashiki)、ローリング・ジャパン(Rolling Japan)
こげこげ堂:ヴィラネックス(Villannex)、ブドーニア王のおふれ(The Edict of King Budeaunia)、小さな魔女とふしぎなお家(The little witches and the mysterious house)
BakaFire Party:終わった世界と紺碧の記憶(OWACON)、アリストメイズ(Aristo-Maze)
Manifest Destiny:アルス・アルキミア(Ars Alchimia)、三千世界の鴉(The Ravens of Thri Sahashri)
桜遊庵:かれいど(Kaleido)、襲ノ色目(Colors of Kasane)
【ミニマルゲームズ】
カナイ製作所:シークレットムーン(Secret Moon)、ロストレガシー2(Lost Legacy 2)、ロストレガシー3(Lost Legacy 3)
こまど:ジュウシマツ(Jushimatsu)、ナナホシ(Nanahoshi)
ユニアス:ワリトリペンギン(Click & Crack)
コンセプション:オニタマ(Onitama)
有限浪漫:不忍(See-Know-Buzz)
Table Cross:忍者対戦(Ninja Taisen)
ホビージャパン、8~9月の輸入リストを発表
ホビージャパンは8~9月発売予定の輸入ゲームリスト4タイトルを発表した。英語などの外国語版だが、日本語ルールが添付される。年間ゲーム大賞の発表が終わり、秋まで新作が手薄になるこの時期、フランスの作品が入ってくる。
E.デュジャルダン作、アスモデ(フランス/カナダ)、2~6人用、8歳以上、約10分、2,000円(税別)
1954年に発売され、たびたびリメイクされてきた古典カードゲームが、発売60週年を迎える今年、缶入りで登場する。
カードを使ったクロスカントリーレース。マイルのカードを出して1000マイル駆け抜けたら勝利だが、お互いに激しい妨害が繰り広げられる。停車してしまったときのために緑の信号カードを確保し、ライバルのプレイヤーにはパンクカードを送ろう。セイフティカードで自分の車の安全を確保したら、カードを使って走り出し、誰よりも早くゴールラインを通過するのだ。
アートワークはオリジナルのままに、選択ルールにより難易度を調整できるようになっている。
L.モーブロン作、ルポ・プロデゥクシオン(ベルギー)、4~8人用、10歳以上、約30分、5,600円(税別)
ウレタン製の拳銃で脅し合い、最も多い取り分を要求するブラフゲームが帰ってきた。
大仕事は成功裏に終わったが、誰もがいちばん多くの分け前を欲しがったことが問題だった。机の上に山と積まれた札束の前で、拳銃を突きつけ合う。しかし実弾はそう多くもっていない。実弾を込めているように見せかけて、相手に降りてもらえばしめたものだ。一番豪胆な者が多くの分け前をせしめるが、その前に死んでしまったら元も子もない。
しばらく品切れてしていたハッタリと読みとの名作パーティーゲームが、装いも新たにしての再版だ。
E.ヴォーゲル作、ルイ・メーム(フランス)、2~4人用、14歳以上、約20分、1,800円(税別)
『カンブリア』と『ヒベルニア』の作者による、ケルト系ブリタニアテーマの、短時間で終わる小箱のカードゲーム。キックスターターを通して、英語版が昨年出版されたのを、フランスのルイ・メーム社が取り上げた。
祖国カレドニアの地に侵略してきたローマ人を、古代スコットランドの一氏族が追い返すことを目指す。戦士たちのカードを戦略的に砦に送り込み、カードを公開して能力を使うことで、ハドリアヌスの壁にあるローマ砦をぶっ壊して、ローマ人をローマへ追い返そう。
重要なのは、敵の氏族たちに我が氏族こそ最も強力な氏族であるということを見せつけることだ。
B.カタラ作、デイズ・オブ・ワンダー(フランス)、2~4人用、13歳以上、40~80分、8,000円(税別)
フランス人デザイナーのカタラによる新機軸のワーカープレイスメントゲーム。
隊商を率いて、千と一夜の物語の国を抜け、ナカラのスルタン国に到着したプレイヤーは、直前に、年老いたスルタンはこの世を去り、スルタンの座は空席になっていたことを知る。神託曰く、5つの部族を動かした異邦人が、この伝説の都市国家の富を手中にするとのこと。予言を成就させるべく、古の魔人(ジン)を呼び出し、諸部族を正しい位置につけ、スルタン国を手中に収めることを目指す。
部族コマ(ワーカー)はゲーム中に置いていくのではなく、すでにゲームの開始時からさまざまな場所に置かれており、これをナカラの村や市場、オアシス、聖地に動かす。これらを動かすとき、プレイヤーは自分の利益ばかりでなく、他のプレイヤーにとって利益とならないように考えなければならない。さまざまな勝ち筋を考慮するだけでなく、いつ強力な魔人を呼び出すかも重要なポイントだ。