『ペッパー』日本語版、5月5日発売
1998年にFXシュミット(ドイツ)から発売された作品。受賞歴はなく、ほどなく絶版になってしまったが、多人数で遊べるトリックテイキングゲームとして日本国内の愛好者の間でも人気を集めていた。
親から1枚カードを出し、ほかの人も時計回りで(ある限り)同じ色のカードを出していき、全員が出したところで数字の一番高い人が取るという、オーソドックスなトリックテイキングだが、いくら取ってもプラス点になることはなく、ペッパーカード(各色の1)を持っていると取っただけマイナス点になってしまう。
ペッパーカードは自分の前に置いておき、手札の代わりに出すことができる。トリックで獲得してしまったペッパーカードも再放出できるのが特徴だ。誰かの手札がなくなってラウンド終了となるまで、うまくペッパーカードをほかの人に押し付けることはできるだろうか。
書籍『ボードゲームって本当におもしろいの?』、4月30日発売
毎日更新でボードゲームのプレイ日記を掲載しているブログ「ふうかのボードゲーム日記」管理人による書籍。これまでに紹介されたボードゲームは2300タイトル以上にのぼる。今回の書籍は「ボードゲームって、知らない人が遊んでも本当に楽しめるの?」という素朴な疑問から出発した。
ボードゲームに遊び慣れていない9名に実際遊んでもらい、その場で集めた率直な感想と点数を掲載した。ドイツ年間ゲーム大賞、ドイツ年間キッズゲーム大賞受賞作を中心に、名作ボードゲーム48タイトルをプレイして紹介している。
ボードゲーム初心者だからといって侮ってはいけない。鋭い指摘が多く、また性別や年齢層によって見方が大きく変わるところも面白い。ボードゲーム愛好者は、読んでいるうちにボードゲームにハマったばかりの頃のときめきが甦ってくるだろう。
初めてボードゲームを遊ぶ人に、どのようなゲームを紹介したらよいか迷っている人にとっても参考になるはずだ。初心者向けといわれる大賞受賞作でも、『花火』や『クワークル』から『ドミニオン』や『カタン』まで、TPOに合わせて選ぶものが自ずと異なることを教えてくれる。
大きな写真、横長サイズ、可愛らしいイラストとデザインにもこだわった。また巻末にはドイツ年間ゲーム大賞の創始者のひとりであるT.ヴェルネック氏インタビューを掲載し、ドイツゲームの知られざる歴史にもさらりと触れている。ボードゲームにあまり興味のない人から深い愛好者まで、一読の価値がある書籍だ。
・ふうかのボードゲーム日記:【告知】クロスレビュー本出します