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シュピール15:ルックアウトシュピーレ

グランド・オーストリア・ホテル(Grand Austria Hotel)
V.ジッリ(『コミュニ』)&S.ルチアーニ(『マルコポーロの足あと』)作、2~4人用、12歳以上、90分。
ウィーンは20世紀初頭、ヨーロッパの大中心地でした。芸術家、政治家、貴族、市民、旅行者が街の通りを埋め尽くし、皇帝が王座についていました。
プレイヤーはこのウィーン近代のホテル経営者になり、小さなホテルを広げ、部屋を増築していきます。しかし客はグルメばかり。それぞれの客に応じた料理と飲物を提供しなければなりません。従業員を増やすことも有利になります。
しかし皇帝に忠誠を誓うのを忘れると、寵を失うことになるでしょう。
1人だけが小さいコーヒーハウスからグランドオーストリアホテルを作ることができるのです!
スタートプレイヤーはサイコロを振り、出た目に応じてアクションボードに振り分けます。手番には6つのアクションから1つを選んで実行します。その際、アクションスペースに置かれたダイスが多いほど、得られるものも増えます。それから実行したアクションスペースからダイスを1個取り除き、場合によっては追加アクションを行うことができます。アクションには、必要な料理と飲物を入手したり、新しい部屋を用意したり、従業員を雇ったり、皇帝に捧げ物をしたりできます。しかし顧客がいないとホテルは発展できません。顧客を確保し、その注文に応じることができた人だけが、重要なボーナスアクションを実行できます。
また従業員カードも大きなメリットが有ります。ただし7ラウンドしかないので、全てを行うことはできません。ですから適切な選択をして、先をうまく読めたプレイヤーが勝利するでしょう。
カードは116枚入っていますが、毎回その一部しか使わないので、ゲームの展開は大きく変わり、それぞれ別々な戦略が必要となるでしょう。

ヘンギスト(Hengist)
U.ローゼンベルク作、2人用、7歳以上、20分。
ローマの軍団がブリタニアを去ってから30年が経ちました。ピクト人とスコット人が力をつけ、島に押し寄せます。この苦難に、ブリタニアを守るべく、ボルティゲルンがサクソン人の兄弟であるヘンギストとホルサを呼び寄せました。プレイヤーはヘンギストとホルサとなってやってきますが、ボルティゲルンはケチで給料を支払ってくれません。
そのため2人はお金を自分で稼がなければならなくなりました。手元にあるのは地図、強い戦士、そして船。海岸沿いにはたくさんの街や村、修道院や農場があり、略奪を待っています。名声と宝を手に入れるのはどちらでしょうか?
プレイヤーは入江に置かれた宝タイルを奪い合います。略奪団を使って先に宝にたどり着いたほうが、宝を手に入れます。しかし道の一部は隠されており、まず道を発見しなければなりません。急がば回れということもあります。ゲームカードと発見カードを計画的に配置し、運を引き寄せたものが、価値の高い宝を集めることができるでしょう。

シュート&ゴール(Schuss und Tor)
R.ホフマン作、2~4人用、8歳以上、10分。
1985年に発売され、2001年にルックアウト社がリメイクした作品の再リメイクです。2つのチームに分かれ、カードを出し合ってゴールを狙います。
スカイ・アイランド(Isle of Skye)
A.ペリカン&A.プフィシュター(『ブルームサービス』)作、2~5人用、8歳以上、60分。
スコットランドのスカイ島は世界で最も美しい景色のひとつに数えられています。柔らかい砂浜、穏やかな丘の風景、印象的な山々が息を呑み、誰しも魅了されます。
この配置ゲームで、プレイヤーは5つの部族のリーダーとなり、小さな王国で必要な勝利点を手に入れることを目指します。しかし16枚の得点カードのうち、毎ゲーム4枚しか使いません。そのためゲームごとに展開が変わり、さまざまな戦略が求められます。
毎ラウンド、各プレイヤーは地形タイルを2枚自分の前に出し、それぞれの売値を決め、全員同時に買うかどうかを決めます。高値で売れればいいのですが、誰も買ってくれないとそのお金を支払って自分の王国に置かなければなりません。これが毎回、面白い決断を迫ります。
ゲーム終了時に勝つのは勝利点が最高だったプレイヤーです。お金が最もあるプレイヤーとは限りません。
この作品は夏に発売されており、国内流通も始まっています。

路面電車(Trambahn)
H.オーライ(『ロシアンレールロード』)作、2人用、8歳以上、30分。
技術的な進歩は、昔ながらの路面電車も変えました。以前は馬が引いていたのに、蒸気、そして電気に置き換わっていきます。プレイヤーはライバル会社の経営者となり、ミュンヘンで生き残りをかけて争います。
手札をプレイして、路線網に新しい停留所を作ったり、乗客を乗せて対応する路線を動かしたり、お金を出して新しい路線に電車を導入したりします。
ただし停留所を作るときは、カードを昇順に出さなければなりません。しかしできるだけ数字の低いカードから出すと、勝利点が高くありません。数字の高いカードは儲かりますが、路線は短くなってしまうでしょう。路線には路面電車も出さなければならず、また路面電車の値段はどんどん上がっていくので、お金もたくさん支払わなければなりません。
10回の得点計算の後に、勝利点の多いほうが勝者となります。イラストはミュンヘンの歴史的な絵葉書を用い、ドイツにおける路面電車の発展が分かるようにもなっています。この作品も夏に発売されています。

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地元フェスでボードゲーム

毎年、当サイト管理人の地元公民館で行われているフェスティバル「ぼくらの文楽(ぶんがく)」で、ボードゲームの体験会を担当した。
第5回ぼくらの文楽
田舎のフェスティバルといっても5回目を迎え、1日で3000人が参加する。音楽、クラフトや食べ物の出展、ワークショップなど、親子をターゲットにして行われ、地元だけでなく遠方からも参加者がある。第1回は、お目当てのミュージシャンを追いかけて、沖縄から参加した方もいたという。
ボードゲーム関連では以前に、木更津のボードゲームショップ「ゆかいなさかな」の黒川昌樹氏を招き、積み木とボードゲームの体験即売会も行われている。
今回のボードゲームコーナーも、体験して気に入ったら買えるように、「ゆかいなさかな」のご協力により、8タイトルをサンプルと共に提供して頂いた。用意したのは『にじいろのへび』『ゆかいなふくろ』『ペンギンパーティ』『キャプテンリノ』『ドブル』『ドメモ』『ブロックス』『穴掘りもぐら』である。
インスト要員については、フェスのスタッフをお借りしたほかに、いつも我が家にボードゲームを遊びに来ている仲間を誘って、私を含めて7人も集めることができた。以前、地元の文化祭で私だけでやろうとして当日急に仕事が入り、中止になってしまったという苦い思い出があったので一安心である。当日は果たして私に半日仕事が入り、フェスのスタッフも受付や物販のかけもちだったため、これでも足りないくらいだった。
シルバーウィークだったので前日から集まってゲーム会。そして夜には「ぼくらの人狼」と名づけて人狼会を行った。当日スタッフに私の妻も加わって5時間11ゲーム。これだけ続けて人狼を遊んだのは初めてだったが、続けて遊ぶことでそれぞれのキャラクターが見えてくるのでとても面白い。ゲーム仲間はそのままお泊まりで、翌日のボードゲームコーナーに臨んだ。
当日は10時から17時まで。和室に長テーブルを2つ組み合わせて3卓。長テーブルだと、端と端で別々のゲームができるため、最大6ゲームが同時に遊べる。そのほかに『巨大キャプテンリノ』用のスペースを作った。1卓に1人がインスト係として張り付き、ルールの説明や進行を担当する。もともと家族向けのフェスだったため、どんどん子供たちが遊びにやってくる。食事をとる余裕もないくらいで、7時間はあっという間に過ぎた。いったい何ゲーム遊んだか覚えていない。
用意したゲームはどのゲームも満遍なく遊ばれていたが、特に順番待ちができた『ブロックス』と、同じ子が何度も遊びたがった『ドブル』、あと小さい子供には『にじいろのへび』が人気だったようだ。『キャプテンリノ』は半ば協力ゲームのようになって、親子でどれくらい高いビルができるか挑戦していた。階が高くなるとお父さんが子供を抱っこして積ませるのも微笑ましい。
今回はドイツゲーム@Shibuyaの主宰者でもある児玉健さんらのけん玉パフォーマンス「ずーまだんけ」もいらしていた(地区内に日本一の競技用けん玉工場「山形工房」があり、けん玉愛好者には聖地とされている)。外ではけん玉ショー、内ではボードゲームコーナーと、子供と、子供の心を失っていない大人には至福の時間だったと思う。
1日中インスト係を務めたゲーム仲間は「(今回紹介したゲームは)もうしばらく遊ばなくていい」というほどだったが、順番を守ってプレイさせるとか、小さい子供にはハンデを与えるとか、メンバーによってはルールを簡略化するといった調整が、大きな経験値となったようだ。何ゲーム、何十ゲームと説明しているうちに、そのゲームならではの楽しませポイントもつかめてくる。終わってからの打ち上げは、そんな話に花が咲いた。
ボードゲームコーナーは予想以上に好評で、今後は定期開催されるようだ。仕事が増えてしまったような気がするが、これをきっかけにボードゲームの輪が広がっていくことを願っている。ボードゲームの普及について考えている方は、こういった地元イベントへの出展を検討してみてはどうだろうか。案ずるより生むが易し。