GM2018春:新作評価アンケート結果発表、1位は『Alpenzian』
新作評価アンケートはゲームマーケット終了後約1ヶ月にわたってウェブ上で行われた。Googleアカウントがあれば誰でも投票でき、各ゲームを5段階で評価したものを、とても面白い=5~全く面白くない=1として数値化してランキングした。
評価平均1位となった『Alpenzian』はオランダのゲームデザイナーが制作した作品”Sunflower Valley”のリメイク。サイコロを振り、出目のアイコンに応じた絵を自分のプレイヤーシートに描きこんで街を作るゲームで、山と花、家と羊、線路をつなぐことで得点を競う。2位の『シープマッチ』はチームで羊を逃がすカードゲーム。3位の『まじかる☆ベーカリー』はダイス目を魔法で操作してパンを作るカードゲーム。評価数ではすごろくやの『すずめ雀』がオインクゲームズの『ふくろと金貨』を抜いて1位となった。それぞれのランキングは以下の通り。
また、得票数が規定に及ばなかったものの、平均評価が高かった作品として『ガブル -GABURU-』(プレイマーケット)、『マンチェスターレイルロード(And You)』、『はっけよいゲーム』(米光と優秀なゲームデザイナーズ)、『エクストリームス』(サイ企画)、『Marché de France』(慶應大学Head Quarter Simulation Game Club)が挙げられている。
事務局では今回、対象作品への投票において著しい偏りが見られたとして6タイトルを参考評価とし、ランキングから除外した。またタイトル数の急増に伴い、投票づらくなっていることから、次回から新投票システムの導入を検討している。
【ゲームマーケット2018春:新作評価アンケート結果】
1.Alpenzian(梟老堂)4.40/57(評価数5位)
2.シープマッチ(たま々)4.32/38(評価数10位)
3.まじかる☆ベーカリー(Magi Inc.)4.31/29
4.ペーパーテイルズ(engames・日本語版)4.26/27
5.□□○○○(一年中未来)4.21/33
6.Blade Rondo(Domina)4.21/29
7.東京サイドキック(リトルフューチャー)4.18/45(評価数7位)
8.さけのぼり(こぐまやん)4.16/62(評価数4位)
9.たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。(CRIMAGE)4.08/36
10.グラバー(New Games Order)4.06/49(評価数6位)
11.バスルートをつくろう(Saashi & Saashi)4.03/39(評価数9位)
12.ストックホールデム(OKAZU brand)3.96/27
13.HIKTORUNE (ヒクトルーン)(こぐま工房)3.94/31
14.すずめ雀(すごろくや+しのうじょう)3.77/91(評価数1位)
15.ボブジテンその3(TUKAPON)3.76/33
16.ハピエストタウン(さとーふぁみりあ)3.74/70(評価数3位)
17.アネクトパンチ(グランドアゲームズ)3.54/26
18.ふくろと金貨(オインクゲームズ)3.49/74(評価数2位)
・ゲームマーケット公式:【結果発表】2018春 新作評価アンケート
・TGiW:GM2018大阪新作評価アンケート結果、1位は『ダンコロ』
・TGiW:GM2017秋新作評価アンケート結果、オリジナル1位は『戦国ドミノ』
ガンツシュンクレバー(Ganz schön clever)
かわいいふりしてあの子
5年前、『クウィックス』がドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされてから、ダイスロール&記入式(Roll ‘n Write)のゲームが注目されている。『ヤッツィー(1956)』『ダイスビンゴ(2007)』『ロール・スルージエイジズ(2008)』などそれ以前にも皆無ではなかったが、『クウィックス』以降は毎年10タイトル以上発売されるようになった。
その中で発売されたこの作品が、今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。タイトルは「割とやるもんだね」という意味。『クウィックス』よりも確かに選択肢が多く、プレイ時間も2~3倍かかる。ダイスゲームだから運の要素は大きいが、という手があってゲーマーの快楽ポイントを押さえている。
手番プレーヤーは6個のダイスを振り、そのうち1個を選んで自分のシートに記入し、残ったダイスを振って、また1個選び……ということを3回まで行う。選んだダイスより小さい目のダイスは除外されるので、はじめに大きい数字を選んでしまうと残ったダイスが減り、選択肢の幅が狭まる。しかし大きい数字ほど得点につながるので取っておきたいというジレンマがある。
手番以外のプレイヤーは、手番プレイヤーが使わなかったダイスから1つ選んで記入する。あまり大きい数字は残らないが、自分のシートの状況を見て、得点が伸びそうなものを選ぶ。
こうして記入するシートはダイスの色別になっていて、それぞれ得点が入る仕組みが異なる。ビンゴのように縦か横が全部埋まったら得点になる色もあれば、書き込んだ出目がそのまま得点になる色も。
ただ調子に乗りすぎて「リロールできる権利」や「もう1個多くダイスを取れる権利」を使い果たすと、終盤どのダイスを選んでも記入できない事態に。ダイス運を上手にコントロールできた人が勝つのだ。
4人プレイで30~40分。連鎖が始まる中盤から、連鎖の処理だけでなく考えどころがぐっと増えてじっくりゲームになる。ダイス目に一喜一憂する醍醐味を残しつつも、ダイスゲームはライトに遊ぶものだという固定観念を打ち破る作品だ。
Ganz schön clever
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・L.シファー
シュミットシュピーレ(2018年)
1~4人用/8歳以上/30~45分
・メビウスゲームズ:ガンシュンクレバー
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