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『人狼ゲームで「言い過ぎた!」と思ったら読む本』8月30日発売

大阪人狼ラボは8月30日、電子書籍『人狼ゲームで「言い過ぎた!」と思ったら読む本 ~人狼ゲームで学ぶおもいやりコミュニケーション~』を発売した。著・長谷直道、103ページ、800円(税込)。
2016年に発売された『人狼ゲームの戦略から学ぶロジカルシンキングとコミュニケーションのスキル』に続く大阪人狼ラボの電子書籍第2弾。人狼ゲーム中にありがちな「キレポイント」を47の観点から取り上げ、解決策とともに紹介する。
人狼ゲームはネットでのプレイ動画により知名度が高まっているが、実際やってみると多かれ少なかれ嫌な経験をすることが少なくなく、「人狼ゲームは恐い」といったトラウマやネガティブな評価も多い。そこで新規プレイヤーが増加していく上で必須となるマナー向上を目的として著された。
項目は「信じて貰えなくてもイライラしない」「考え方の違いを否定しない」「相手が間違っているというスタンスを取らない」「人の話を遮らない」「価値観の違いに触れない」「自分の話ばかりしない」「見下さない」「決めつけた話し方をしない」「上級者だとイキらない」「聞かれてもないアドバイスをしない」「論理で抑え込まない」「ため息を吐いてアピールしない」など。
人狼ゲームに限らず、実生活に生かせるアンガーマネジメントも視野に入れ、むずかしい理論や理屈はなしで解説する。コミュニケーション系のボードゲーム一般にも応用ができそうだ。
大阪人狼ラボ:【おすすめの本】人狼ゲームで「言い過ぎた!」と思ったら読む本 ~人狼ゲームで学ぶおもいやりコミュニケーション~

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ゴートゥー!!(GoTo!!)

補助金があるから安心?
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日本各地にホテルを建設し、宿泊してもらうことで政府からの補助金を得るボードゲーム。社会派ボードゲームデザイナーの北条投了氏の作品で、先月大阪で行われたボードゲームフェス「盤祭 Re-3rd」にて頒布された(ディスカバリーゲームズの通販 で購入)。

盤面は一見すると『モノポリー』だが、ゲームの大枠も『モノポリー』である。しかし運の要素の強さや収束性の悪さから、現代ではアンチパターン(悪い見本)とされることの多い『モノポリー』を、北条氏は見事に改善している。

まず、移動は3~6マスの間で自由に選ぶことができる。その範囲内に空いているマスがあれば行ってホテルを建てるだろう。1周するたびに東京でもらえる定額給付金10万円もあって、短期間にどのマスにもホテルが並ぶ。

ほかのプレイヤーのホテルがあるマスに止まるのは悪いことばかりではない。ホテルの所有者は宿泊費をいくらでも値引きすることができ、それどころか宿泊客にお金(クオカード)を支払うこともある。政府からの補助金は満額出るので損はしない。こうして近隣のホテル同士で「うちに泊まって頂いたら無料でいいですよ」「それならうちは1万円進呈しますよ」といった太っ腹な売り込みが始まる。

四隅にはイベントマスがあり、「GoTo!!」マスではイベントカードを引いて指示に従う。指定された都市に飛ばされて、そこに自分のホテルがあれば建て増しできるが、ほかのプレイヤーのホテルだと正規料金を支払う羽目になる。「交渉!!」マスではほかのプレイヤーとホテルと交換でき、「強盗!!」マスではほかのプレイヤーのホテルを1軒、自分のホテルに取り替え、「刑務所」マスに行く。「刑務所」マスではお金を払って保釈されるまで、通過したプレイヤーにお金を支払わなければならない。

6人プレイで45分ぐらい。bashiさんが早期から強盗をはたらき、ホテルチェーンを築き上げる。ホテルチェーンでは補助金も高いので、ほかのプレイヤーはそれにたかってクオカードをもらう作戦である。そのうち神尾さんがGoTo!!でこのホテルチェーンに飛ばされ、破産して終了(誰かが破産するか、誰かの手持ちが100万円以上になるか、誰かが手持ちのホテルマーカーを使い切るとと終了)。

テストプレイは「感染拡大防止の為、中止しました。」と書いてあるが、テーマだけでなくメカニクスも楽しめるいつもの安定した北条投了クオリティである。なかなか遠出できる状態にないこのご時世、日本全国を旅行した気分になれたと思う。

GoTo!!
ゲームデザイン・北条投了/芸無工房
3~6人用/60分